BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――ケンシロウ逃げ!

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 1R、豊田健士郎が逃げ切り勝ち。出迎える選手たちは沸き立っていた。吉田裕平は、頭上で拍手をしながらピョンピョンと飛び跳ねている。機力劣勢で苦しんだ昨日までの2日間、それを仲間も知っているから、勝利をともに喜んでいるのか。
 と思ったら、水神祭なんですね! そう、昨年は準Vだった豊田だが、未勝利のまま銀メダルを手にしたのだった。ついつい忘れてしまいがちだが、おめでとう、GⅠ初勝利! 仲間がわいわいと騒いでいるのはそういう次第なのであった。

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 たくさんの選手から声をかけられてケンシロウスマイルが炸裂する。磯部誠は「カッコいいねえ」とからかって、豊田を慌てさせた。勝利者インタビューでカメラサインをする際には、後ろに上條暢嵩、高田ひかる、春園功太が見切れている(笑)。もちろん偶然ではなく、豊田を祝福しようとわざわざフレームインしたのであった。豊田が愛されていることを証明するシーンである。なお、水神祭は9R終了後とのこと。東海地区であり、115期の豊田……ということはあの男がまた飛び込むのでしょう(笑)。

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 2R、まくり差し快勝は宮之原輝紀。鋭い差し切りは宮之原らしい勝ちっぷりだった。その宮之原、ピットに上がってエンジンを吊り終わると、猛ダッシュ。向かった先は金子賢志で、1号艇で敗れた選手への配慮ということなのだろう、深く頭を下げていた。同じ関東地区の先輩でもあり、気配りを見せたわけだ。

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 その後は一通り、出走選手へと挨拶。木下翔太とは笑顔でレースを振り返り合った。木下は6号艇で2着。上々の成績ということになるか。もっとも、一人になると写真のような表情も見せている。格上選手としては、枠が何であろうと2着で満足とはならないだろう。

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 このレース2号艇だった渡邉優美は本日がお誕生日です。おめでとう! と言いたいところだが、バースデイウィンをあげられなかったどころか、シンガリ負けを喫してしまった。27歳最後の日は転覆して妨害失格、28歳最初の日は6着と、どうも浮かない誕生日前後となってしまっている。なんとか機力と気持ちを立て直して、明日からも奮闘してほしいところだ。それにしても、デビューが早かったので、105期生ながらまだ28歳。つまり再来年までヤングダービーへの出場資格があるんですね。若い! 再来年は登番最上位として、後輩たちをおおいにやっつけてやってください(笑)。

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 ところで、2R発売中の試運転時に、井上忠政が転覆してしまっている。これが直線での妙な転覆の仕方だったようで、ピットには一瞬、緊張が走っている。レスキューが向かった際には、担架の準備も検討されていた。他の選手たちが心配そうに見守るなか、井上は自力でレスキューを降りており、まずは一安心。それにしても、昨日は渡邉の転覆に巻き込まれ、今日は試運転で転覆とはツイていない。デビュー初勝利の分もあわせると、3回も水神祭をしたようなもの? これで厄は落としたと考えて、前向きに今節を戦い抜いてほしい。(黒須田)