BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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芦屋レディースオールスターTOPICS 3日目

連続場外ホームラン

 今日は1R~7Rまで1号艇(3勝)と2号艇(4勝)がアタマを独占。「昨今の記念レースらしい内寄り決着だなぁ」などと思っていたらば、その直後から凄まじいセンター祭りが始まった。

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 先陣を切ったのは8Rの③廣中智紗衣。1マークは3コースから握ったが、まったく届かずバック4番手まで。が、そこから横一線で先行する3艇の艇尾を舐めるように外から内へと切り返し、2マークの小回り一発で大逆転の1着をもぎ取った。
 今節の智紗衣は初日からコンマ05・02とキワまで突撃。昨日も書いたように、いの一番に4カドまくりの大技を決めたのだが、今日の鬼気迫る切り返しはそれ以上のインパクトを感じさせた。元より、気持ちで走るソウルフルレーサーが、今節はさらに集中力を倍増してレースに臨んでいる。一瞬たりとも目が離せない存在とお伝えしておく。

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 このミラクル逆転劇で芦屋プールの空間が捩じれたのかも知れない。9Rも3号艇の上田紗奈が、スリット横一線からスピード感溢れるまくり差しでバック独走態勢に。極撰予想でも触れたとおり、過去3戦の紗奈はほんどまったくレースに参加していない。スタートと1マークで大失敗~はるか後方からプール掃除という不甲斐ない姿を見せ続けてきたが、やはりこの浪速娘の根性とターンセンスは只者ではなかった。私の予想は「それでも2着まで」だったが、そんなセコイ予想を蹴散らすような圧勝劇で3連単は634倍。脱帽するしかない。

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 芦屋の大穴レッドカーペットは続く。10Rは予選トップをひた走る②小野生奈がよもやのスタート立ち遅れ。3コースの来田衣織がその凹みを利して一気に畳みかけ、インの深川麻奈美ともども人気の福岡コンビを1マークの手前で引き波に沈めてしまった。
 前半4Rの②衣織はコンマ39のドカ遅れからまったく何もできず、大差の6着。よほど悔しかったのだろう、ゴール直後にまずは天を仰ぎ、それからガックリうなだれ、1マークを回ってもう一度深々と頭を垂れたのだが、その忸怩たる思いが豪快なリベンジまくりにつながったか。流れ的には、9Rの上田紗奈とよく似た境地だった気がしてならない。3連単は人気の内2艇が消えたために622倍の特大連続ホームラン!! 前半の6着で予選突破は険しい身の上だが、明日からも衣織38号機は軽視禁物と肝に銘じておきたい。

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 夕立のように沸き起こった「芦屋センター祭り」の〆は、11R4号艇の島田なぎさ。枠なりの4カドからスロー3艇を圧倒するコンマ05で一気に絞め込み、今節ふたり目の鮮やかな4カドまくりで圧勝した。
 もちろんスタート勝ちの要素が大きいカドまくりではあったが、第1号の智紗衣ともども「熱くて強い気持ちが乗り移ってこそのスタート勝ち」という見方もできる。この1着で予選突破どころか準優1号艇まで狙えるポジションに立ったなぎさは、明日の2R3号艇・8R6号艇でも十二分な警戒が必要だろう。

地力、侮るなかれ!

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 9~11Rで110期以降のプリンセスたちがド派手に暴れた一方、今日は全体的に100期未満(17選手)のお姐さま軍団の活躍が目立った1日でもあった。
 まず、1Rの⑤岩崎芳美48歳は5コースから切れのいいスタート&スピーディなまくり差しで3着入線。去年の鳴門大会の覇者でありながら、今回はファン投票では足りずに推薦枠での参戦となった芳美さま。
「前回は地元の鳴門で優勝、今回は前の地元で頑張ります」
 と前宣言した気合が、まんましっかり投影された素敵な差しハンドルだったなぁ。

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 これで勢いづいたか、続く2Rは①宇野弥生34歳~②山川美由紀54歳~⑤藤崎小百合37歳~⑥寺田千恵51歳と4着まで独占。
 4Rは④田口節子40歳が2着、5Rは①海野ゆかり46歳が2着~③細川裕子39歳が3着ときて、6Rも②土屋千明38歳がジカまくり圧勝でベテランの底力を見せつけた。

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 後半戦に入っても、お姐さま軍団が舟券に絡むわ絡むわ。7Rは②大瀧明日香41歳が3着でシリーズ8・00の高率を維持し、③藤崎は2着で2Rに続く連絡み。
 8Rは前出・廣中智紗衣40歳のミラクル逆転1着~2着は松本晶恵33歳~3着も佐々木裕美41歳が粘り込み、99期以下の上位独占となった。

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 その後もベテラン女傑軍団が随所に舟券に絡み、10Rは人気の盲点だった⑥細川と④岩崎が2・3着に突っ込んで622倍の大穴に貢献。11Rで3番手の出口舞有子を追いかけ追いつき追い越した海野の鬼気迫るチェイスも凄みがあったなあ。
 そんなこんなで、今日の100期未満=17選手の成績は、のべ26戦して【1着4回・2着7回・3着7回】。全体の1/3の人数で3連対率70%はかなりの好成績と言っていいし、あるいは「実力者揃いなんだから、この程度の活躍は当たり前」と考える方もおられるだろう。で、最後にちょいと言いたいのは、「このレベルの高い17人の選手たちの多くは、ファン投票で実力より不当に低い評価を受けた」という事実だ。日々、鬼気迫るレースを魅せている廣中がどこまで「ナニクソ!」と思っているかは不明だが(笑)、このハイレベルなお姐さま軍団をファン投票さながら無下に扱うファンは、必ずや舟券でしっぺ返しを喰らうことになるだろう。(photos/チャーリー池上、text/畠山)