BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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宮島レディースvsルーキーズTOPICS 3日目

 まずはお約束の団体戦結果から。今日は紅組レディースが7Rのブレーク(外枠ブロックでの勝利)も含めて、5勝3敗と勝ち越し。3日間トータルでも昨日の劣勢を跳ね返し、以下のような結果になった。

団体戦ポイント

紅組1212白組

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 折り返しの団体24レースで同点、明日からの仕切り直しに持ち込んだわけだ。明日はいよいよ白組ルーキーズのシード番組が5個(紅組は3)。枠番の利を生かし、白組が追いすがる紅組を突き放すのか。はたまた女子力をフル稼働した下克上で紅組が優位に立つのか。4日目からの「再スタート」に注目するとしよう。で、今日の団体戦でもっとも活躍した選手は……?

今日の団体戦MVP=田口節子(7R6号艇2着)

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 そう、6号艇で2着に食い込み、本日唯一のブレーク勝利に大きく貢献した節子さんで決まり! 4カドの長嶋万記がスリットから攻めきれず、外がドン詰まりの険しい展開になったが、6コースから最内をシャープに差してバック2番手に躍り出た。さすがの好腕。下馬評ではワースト級とされた相棒の31号機も、しっかりと田口のテクを後押ししている感がある。

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 前半2Rは5コースから展開がなく5着だったのが悔やまれるが、3日目までの成績はレディース組の2位。現時点でもV候補の有力なひとりだし、明日の4R4号艇と9R1号艇の結果次第では予選トップもありえるだろう。

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 あ、それからもうひとり、陰のMVP的存在だったのが向井美鈴だ。初日のフライングで人気が暴落した美鈴だが、今日は2R6号艇からキレッキレのターン回りで2着に食い込み3連単292倍の立役者となった。
 さらに団体戦の6Rはスリット同体の5コースから目の覚めるような一撃まくりで圧勝し、これまた3連単132倍のヒロインに君臨した。惜しむらくは団体戦の紅組勝利には至らなかった点で、もしもブレークを遂げていたら田口を凌ぐ表街道のMVPに指名しただろう。

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 下記の「チーム貢献度ポイント」でも、フライングの借金を返済して0点まで到達した美鈴。今大会のルール上はフライング=賞典除外になった時点で副賞の10万円は貰えないのだが、「こんなに頑張ってるのに~!?」という同情を禁じ得ない。選手のモチベーション(団体戦としての連帯意識)を最終日まで持続化させるためにも、このご褒美はチーム全員に授与すべきではなかろうか。たとえばオール6着で最後まで足を引っ張り続けた選手より、今日の美鈴の如き選手の方がよほど役に立つと思うのだが。

★独断、団体戦(5~12R)のチーム貢献度ポイント

【レディース】
      2日間 3日目  合計  備考
高橋淳美   3点  3点  6点
寺田千恵   5点  1点  6点
道上千夏  -3点 -2点 -5点
水口由紀  -3点 -4点 -7点
岩崎芳美   1点  2点  3点
海野ゆかり -2点  3点  1点 団体戦4走・2日目4R転覆
向井美鈴  -4点  4点  0点 初日6Rフライング
田口節子   4点  6点  10点 団体戦4走
長嶋万記   5点  4点  9点 団体戦5走
三浦永理   8点  3点  11点
大橋栄里佳  2点  2点  4点
落合直子  -2点 -3点 -5点
藤崎小百合  0点  0点  0点
原加央理  -2点 -2点 -4点
今井美亜   0点  1点  1点 団体戦4走
深尾巴恵  -4点 -1点 -5点 2日目5R不良航法
村上奈穂   4点  2点  6点
前田紗希  -4点  0点 -4点 2日目4R優先艇保護違反
新田有理  -2点  1点 -1点
大山千広  -1点 -4点 -5点
小芦るり華 -1点 -1点 -2点
實森美祐   1点  3点  4点

【ルーキーズ】
      2日間 3日目  合計
山下流心   4点  0点  4点
鈴谷一平   5点 -1点  4点
上田龍星   2点  2点  4点
中村泰平   5点  1点  6点 3日目3R妨害失格
片岡大地   3点  3点  6点
吉川貴仁   7点  2点  9点
栗城 匠   1点  2点  3点
宮之原輝紀  7点  1点  8点 団体戦4走
上村宏太   0点 -5点 -5点 団体戦4走
井上忠政   2点  1点  3点
田川大貴  -4点  1点 -3点
宗行治哉   3点  0点  3点
河野主樹   1点  1点  2点
宇留田翔平  3点 -1点  2点
高木圭大   0点 -2点 -2点
梶山涼斗   3点  1点  4点
高橋竜矢   0点  1点  1点
宮田龍馬   3点 -3点  0点
荒牧凪沙   2点  1点  3点
畑田汰一   6点  1点  7点 団体戦4走
前田 滉  -3点  2点 -1点 3日目負傷帰郷
滝沢 崚   0点  0点  0点
定松勇樹   3点 -3点  0点 3日目3R転覆・負傷帰郷
※特記事項のない選手はすべて団体戦3走

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 この表をざっと見回しての感想なのだが、「団体戦自体の勝敗は12-12の同点なのに、貢献度ポイントは圧倒的に白組の方が優秀」ということが判明した。もちろん、その理由のひとつは「レディース組の事故が多かった」だろう。ただ、私の体感としては「総体的にルーキーズの方が着を押し上げている」という印象が強く、それがこの数値に現れているのではないか。

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 まあ、だから何だ?、と言われればそれまでだけど、明日以降の舟券戦略では【外枠で人気の盲点になっているルーキー】を積極的に狙ってみよう、と再認識した次第。準優日も最終日も団体ブロック戦は続くので、足の良さげなルーキーたちをしっかりこっそり舟券に絡めるつもりだ。現状ではややバレ気味だが、片岡大地、河野主樹、荒牧凪沙の3人に食指が動いている。
 今日もポイント上位選手をピックアップしておこう。
【レディース】1位・三浦永理、2位・田口節子、3位・長嶋万記、4位・高橋淳美、寺田千恵、村上奈穂
【ルーキーズ】1位・吉川貴仁、2位・宮之原輝紀、3位・畑田汰一、4位・中村泰平、片岡大地

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 ここでのいちばんのサプライズは、レディースの4位タイに食い込んでいる村上奈穂か。団体戦の成績は4・2・2着と華やかさはないものの、初日は5号艇の4着で紅組のブレーク勝利に貢献。昨日は3号艇で2着、今日も2号艇で2着とソツなくポイントを稼ぎつつ、すべて紅組に勝利をもたらしている。「縁の下の力持ち」というレベルではあるが、こうした巡り合わせの良いラッキーガールは常に警戒が必要だ。
 明日の団体戦は【6R6号艇】という高いハードルに挑む奈穂ちゃん。ここでも紅組のポイントを大きく引き上げたりしたらば、3連単の配当も超サプライズな数値になることだろう。準優勝負駆け(現状、紅組の7位!!)でもあり、大穴舟券を握りしめつつこっそり声援を送るとしよう。(photos/チャーリー池上、text/畠山)