今回は、これまでで一番、ピット取材は厳戒体制だ。ピットに入れる記者さんは完全限定。ありがたいことに、BOATBoy枠(このブログの枠と言ってもいい)を1つだけいただくことができたのだが、選手との接触はほぼ不可能(選手から接触してきても、極力接触を控えてほしい、と言われている)。新型コロナウイルスの第4波が騒がれているなか、これも仕方ないともちろん従います(というか、ピットに入れるだけで僥倖という状況)。厳しい状況の中、精一杯取材します!
さてさて西山貴浩が早くも泣いていた。動きの悪いモーターを引いてしまったようで、前検の手応えが最悪だったようなのだ。記者会見での口調に力はなく、早くも「整備」と宣言。実際、会見の後には本体整備を始めていた。エンジン吊りを待つ間には、写真のような態勢にもなっていて、うなだれているようにも見える。たっぷりの思いを込めて臨んだ若松オールスター。前検でこんなにも落胆をあらわにすることになろうとは……。明日は一日時間がたっぷりある。なんとか立て直して西山らしい姿を見せてもらいたい。
ドリーム組では、松井繁がはっきりと「動くことになるでしょうね」と語っている。6号艇の王者は多くの場合で前付けをしている。ここも想定された宣言ではある。
迎え撃つ他の選手たちでは、まず守屋美穂が「柔軟に」。駆け引きとしてはハナから「6コース」と言ってしまわないのは正解ではあり、しかし無理に付き合うことはしないという表明でもあるので、派手な抵抗はないものと思われる。そうそう、守屋は今日、西島義則と話し込む場面が。この組み合わせはなんとも新鮮!
一方、大山千広は「3コースを守りたい」と突っ張る意思をあらわした。理由は「SGの4コースは6着のイメージしかない」そうで、つまり苦手意識を抱いているわけだ。だったら、多少深くても3コース死守。これは「行き足は良さそうだった」という感触も関係しているものと思われる。まあ、毒島誠も主張すれば、二人を入れて5カドって手もありますけどね。明日のスタート展示に注目しよう。
ドリーム組以外では、好モーターを引き当てた平高奈菜が航走検査前からマスコミに囲み取材を受けていた。まだ試運転もする前だったから、15号機の注目度の高さといったら! これ、平高には重圧にならないかなあ、とちょっと心配。
で、航走検査を終えた後のこと。同じ班だった篠崎仁志が、同期の守屋美穂に両手をボートに見立てながら「こんなに伸びられる!」という仕草を見せていた。なにしろ選手との接触がほとんどかなわないので、遠目に見ての推測になってしまうのだが、これ「平高さんにこんなに伸びられる」の可能性があるのではないだろうか。畠山の見立てで確認するとしよう。
ところで、先月はマスターズチャンピオンで、赤岩善生の新兵姿を堪能したわけだが(笑)、今日の新兵は上田龍星。やはりテキパキと仕事をこなしており、つい数週間前に宮島でルーキー勢の主軸として活躍していたのを見てはいるのだが、やはりSGでは初々しい。今節は繰り上がり参戦になっているわけだが、そうした事情など関係なく、思い切りのいいレースで先輩たちに食らいついてもらいたい。(黒須田)