BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

若松オールスターTOPICS 初日

長老、吼える!

f:id:boatrace-g-report:20210526214224j:plain

 男は50をしこたま過ぎてから!!
 今節のふたりの“長老”が、それぞれの個性を如何なく発揮して1着スタートを決めた。まずは、地元の『火の玉ファイター』田頭実、54歳。6R3号艇の田頭は、緒戦から十八番の必殺技を出し惜しみすることなく繰り出した。
 コンマ02、フルスロットル一撃まくり!!!!
 この男の凄さをよく知らない初心者の方は、「F持ちなのに、ようキワまで突っ込んだな」などと思うかもしれない。逆に古いファンは1ミリたりとも驚かなかったことだろう。ここはビギナーファンのために、かの伝説のシリーズを駆け足でお伝えしておこう。

f:id:boatrace-g-report:20210526214255j:plain

 2005年10月15日、田頭はF3持ちで地元の若松GIダイヤモンドカップに参戦した。しかも、直前の2節でF2→F3と己の首を絞めつけての参戦だけに、「さすがの田頭もニッチもサッチも状態か」と目されていた。だがしかし、火の玉ファイターに常識は通用しない。
 初日から3日目前半まではコンマ14・31・21・17と分をわきまえていた田頭だったが、1・6・1・2着で予選突破が見えるやいなやギアを一気にアップした。5戦目の3日目8Rがコンマ06(1着)~4日目4Rがコンマ07(2着)~5日目の準優9Rがコンマ08(2着)とコンマゼロ台発進!! さすがに優勝戦はコンマ19と自重したが、それでも4カドから唯一10台のトップスタートを決め、豪快なまくり差しで頂点まで突き抜けた。

f:id:boatrace-g-report:20210526214343j:plain

「F3持ちでGI優勝」というニュース自体かなり衝撃的だったが、それより「F3持ちでコンマゼロ台3連発」という命知らずの所業に私は開いた口が塞がらなかったものだ。
 そんな男だからして、今日のF持ちコンマ02全速なんぞは当たり前中の当たり前。特にピュアな地元の若松水面では燃えに燃える男だけに、明日からも緩めることなくゼロ台のデンジャラスゾーンに舳先を突き刺すことだろう。

f:id:boatrace-g-report:20210526214426j:plain

 54歳が我がもの顔で暴れたらば、59歳の最長老も黙っているはずがない。『安芸の闘将』西島義則。7R1号艇の西島は特等席のインにどっかと居座り、茅原悠紀や篠崎仁志らをまったく寄せつけずに豪快に逃げきった。すんなりイン逃げだから田頭ほどのインパクトはなかったが、この男に不可欠な出足系統には「おっ!」と唸らせるものがあった。
 まずスリットのはるか手前から上体を起こしっぱなしでアジャストしたのに、伸び返す伸び返す! 外の艇より舳先を突き出し、1マークを悠々と先取りすると、そこからの出足がまた半端ない。瞬く間に後続を3艇身ほど引き離し、バック中間で独走態勢を築く横綱相撲だった。

f:id:boatrace-g-report:20210526214451j:plain

 こちらは新しいファンも承知済みだと思うが、こんな風に出足系統が仕上がった西島は無双モードに突入する。何号艇でも本気でインを奪いに行き、たとえ70m起こしでもコンマゼロ台で持たせるから恐ろしい。1号艇の今日は「たかがイン逃げ」のレベルとしても、明日から「されどイン逃げ」を連発する男であることを肝に銘じておきたい。まずは、明日の2R5号艇に注目! 6号艇の西山貴浩とともに、進入からとんでもないサプライズが待ち受けているかも??
 あ、ちなみに西島もこんなインファイターだから勇み足は日常茶飯事で、通算76Fは現役で第2位というやんちゃぶり。で、わずか1本差の77Fで現役トップに君臨するのは、言わずと知れた田頭実である(笑)。

女子レーサーの賑やかな1日

f:id:boatrace-g-report:20210526214525j:plain

 さてさて、やんちゃすぎる長老コンビから、一気に目線を下げて今節の花形・女子軍団についても触れておこう。いうまでもなく、オールスターは「女子レーサーにとってもっとも優勝する可能性が高いSG」だ。今節も他のSGを圧する8人の撫子が参戦、単純計算でのV確率は8/52=15%だ。さらに大山千広と守屋美穂は得点増しのドリーム戦士だからして、V確率はちょこっと跳ね上がる。

f:id:boatrace-g-report:20210526214551j:plain

 さらにさらに、平高奈菜が15号機、松本晶恵が38号機という超抜モーターを引いたのだから、今節は前検日から「いよいよ女子がSGを獲るかも?」という雰囲気が記者室内でもぷんぷん漂っていた。いざ実戦はどうだったか。パワーも含めて個別にあれこれ解説するのは後日に回し、今日は予選と暫定順位と短評だけを記しておこう。
★10位・大山千広…ドリーム3号艇2着=守屋の落水で半周しかレースをしていないけど、それで4コース2着は運気、リズムが良さそう。
★26位・松本晶恵…1号艇1着&4号艇6着=しっかりイン逃げで絶好のスタートを切ったが、後半の6着が激痛すぎる。2マークの勝負どころでツケマイを浴びたのが響いた。エースパワーで巻き返したい。
★32位・平山智加…3号艇3着&5号艇5着=キャリアボデー交換などの整備で奮闘。32位だが実質「イーブンパー」だけに巻き返しは可能。
★33位・平高奈菜…6号艇5着&3号艇3着=全国の注目を浴びた15号機は底力を見せきれなかった。ただ、枠-着で言うと「バーディ・パーで合計ワンアンダー」だからして悲観する必要はない。
★41位・小野生奈…1号艇3着&4号艇6着=地元の気合パンパンのレースっぷりではあったが、回り足に余裕がなく連続で空振り。1号艇を使い切ってのこの成績は苦しいし、上記のふたりに比べると「フォーオーバー」で出遅れた感は否めない。
★43位・竹井奈美…3号艇5着&5号艇4着=直線足を中心に順位よりはるかに気配が良く、穴配当とともに巻き返しに期待したい。ゴルフスコア的には「ワンオーバー」、まだまだこれからた。
★46位・鎌倉涼…2号艇6着&5号艇6着=久々SGの洗礼なのか、何もさせてもらえず這い回ってしまった。回り足もかなり厳しそうで、まずは機力アップからリスタートしてもらいたい。

f:id:boatrace-g-report:20210526214634j:plain

★52位・守屋美穂…ドリーム5号艇・落水失格=選手責任の落水と不良航法で減点15を喰らい断然の最下位になってしまったが、ダッシュから今日イチ本気で勝ちに行ったのは間違いなく守屋だった! 事故そのものは他艇との不可抗力に拠るもので、私はラフプレーとは思っていない。初日にして予選突破はほぼ絶望的になったが、不気味な伸び足も含めて明日からも舟券に絡めたい、と心の底から思えるドリーム戦だった。

f:id:boatrace-g-report:20210526214704j:plain

(photos/シギー中尾、text/畠山)