予選トップは濱野谷憲吾だ! 瓜生正義らの結果を受けて、11R出走時にはすでに無事故完走で当確という状況だったが、その11Rも道中捌いての2着。オール2連対で、久々のSG制覇にさらに近づいてみせた。
というわけだから、やはり濱野谷のテンションは実に高い。レース後は今日も齊藤仁に絡んで、というかじゃれついていたし、ペラ室で観戦していた12Rの間も齊藤らとにこやかに歓談しながら、時折踊るようなアクションを見せるのであった。ゴキゲンな濱野谷を見るのは、実に楽しいものですね!
その11Rを勝った池田浩二も、ややテンション高め。大敗なら予選落ちもあっただけに、安堵しつつ、そして結果が出たことに対して気勢を上げているといった感じだった。仲良しの濱野谷とも笑い合っており、気分が高揚している様子も。で、エンジン吊りを手伝った磯部誠と松尾拓に「どうもありがとうございました」となぜか後輩が先輩にするような御礼を。まあ、これもテンションが高い証しなんでしょうかね。
さらにテンションが高かったのは、10Rを勝った峰竜太。3コースまくり差し快勝、そして1マークで見せた強烈な出足。結果が出たことと、仕上がりに手応えがあったことで歓喜は2倍どころか2乗となっていたようだった。2日目に4着2本と芦屋3連対記録を途切れさせた峰だったが、そこからは尻上がりに成績を引き上げてきた。ノリノリで賞典に臨むだけに、今節も優出必至!?
その10R、前本泰和は1号艇で2着。これが結果的に、18位には届かないものになっていた。1着だったら届いていたのだが……。その状況について、前本は把握していたかどうか、淡々と敗戦を噛みしめるレース後なのであった。まあ、基本的に淡々としている人ではあるものの。
それよりも、自身は11Rで準優行きを決めていた大上卓人が、前本が準優に乗れるかどうかをかなり気にしているようだった。広島支部では、上平真二が当確で、山口剛がそのときまさにボーダー。あとは前本……というわけで、みんなで準優に乗れることを祈っていたのだろう。大上には前本先輩の分まで頑張ってもらわねば。
12Rは、中島孝平と坪井康晴がともに2着条件での勝負駆けだった。坪井はまくり差しで上位をうかがったが3着まで。得点率は山口と並んだが、上位着順の差で次点に泣くことになってしまった。肩を落とすような素振りは見えなかったが、ヘルメットを脱いだ時に一瞬、唇のあたりが歪んで見えた。そこに悔恨が宿っていたように見えて、振る舞いとは裏腹の内心が透けて見えるような気がしたのだった。5号艇3着は決して悪い成績ではないが、予選最終日はそれが無価値に思えてしまうことがある。勝負駆けはシビアだ。そして面白い。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)