BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡メモリアルTOPICS 初日

ロケットスタート!

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 岩瀬裕亮がピンピン連勝発進で、地元5人衆のリードオフマンに輝いた。レース内容としては、文句なしの連勝というものではない。1号艇の1Rは、インコースの先マイから今垣光太郎の差しをギリギリ凌ぎきって第一号の白星スタート。蒲郡の番組さんの「1年1組はピカピカの地元若手に」という思いに応える価値ある1勝ではあった。
「最初のレースの1号艇なんで、すごく緊張しました♪」
 勝利者インタビューでまん丸つぶらな瞳を輝かせていたが、この勝利でリズムアップしたのは間違いないところ。

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 3号艇を与えられた後半9Rは、とんでもない僥倖が待ち構えていた。インから菊地孝平が逃げて、2コースから馬場貴也が差して、バック直線は2艇だけが抜け出しての一騎打ちモード。3コースから握った岩瀬は離れた3、4番手に甘んじていたのだが、2マークを先取りした菊地がターン出口でバランスを崩して大失速。後方に構えた馬場もレバーを放ったところ、ぽっかり空いた最内をするすると突き抜けたのが岩瀬だった。

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「2マークは単なるラッキーでした♪」
 つぶらな瞳を1Rよりもキラキラさせつつ、今日のヒーローは照れ笑いを浮かべた。実になんともラッキー以外の何物でもない連勝ではあったが、この強運と抜群のリズムは侮れないところ。明日の8R6号艇でも舟券に絡むようなら、大きな貯金も含めてV候補の一角に名を連ねることになる。
 3月の福岡クラシックでは予選17位=準優6号艇から3着に粘り込んだ岩瀬。【今日の20ポイント+地元水面】という足し算が成立するなら、それ以上に輝かしいステージが用意されることだろう。

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 そうそう、この岩瀬には一歩及ばなかったが、愛知支部の絶対エース・池田浩二も3・1号艇のセッティングで2・1着と貫禄を示した。まあ、選手の格を踏まえれば「及第点」というレベルではあるな。ただ、地元ファン&池田ファンに朗報と思えるのは、目に見えて分かる機力の良化だろう。
 昨日の前検・スタート練習では班の中でまったく目立たず「中堅あるやなしや」と見立てていたのだが、今日は前半に電気一式とキャブレター~後半はキャリアボデーを交換。この手術が功を奏して、私の見た目では「昨日よりも前半、前半よりも後半」という確かなパワーアップを感じさせた。

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 特に、後半11Rで1マークを先取りしてからの舟の返り、出口からの押し足ともに実にパワフルで、この部分の足がキてしまえば「鬼に金棒」レベル。勝ち時計もドリーム白井英治に次ぐ2番時計をマークし、低く見積もっても中堅上位はありそうだ。岩瀬の場合は明日の6号艇の結果までお預けにしたが、天下の池田浩二に関しては今日の2・1着をもって「メチャクチャ有力なV候補」と断言していいだろう。明日の池田は7R5号艇。4号艇に白井英治57号機を孕ませたあたり、「地元ぐるみで絶対エース・池田のVシフトに突入!?」などと考えるのはちょいと穿った見方だろうか(笑)。

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 さてさて、今日のレース全体を振り返ると、前出9R岩瀬のラッキー1着、5R徳増秀樹の5コースS突出まくり、12R白井の同じく5コースS突出まくりの他は、すべて1号艇=イン選手が人気に応えて勝ちきった。12戦9勝で、その大半は1-2(5本)・1-4(3本)の本命サイド。
 最近のSGはイン逃げが横行した翌日は、その反動みたいな形でインが惨敗・大穴連発という傾向も見られるのだが、果たして今節はどうだろうか。私の勝手な予測としては、残念ながら「明日以降もインコースの台頭が続きやすいのではないか」と見積もっている。

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 もっとも大きな理由は、モーターパワーの均衡化。三島敬一郎が「現状、S級が見当たらない」と事前に言及したとおり、初日のパワー相場を見る限りほぼほぼ横並びのイメージが強かった。4カドから篠崎仁志や久田敏之、茅原悠紀などが「まくらんかな!」の勢いで攻めたものの、内の艇の伸び返しに捕まって軌道修正などなど、突き抜けるパワーは皆無。強いて挙げればドリーム戦の白井57号機だが、それもF2松井の存在がなければまくりきるのは難しかっただろう。

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 明日からは、「F2選手が1号艇」「スタートの極端な凹凸」「徳増や湯川浩司、濱野谷など選手クオリティによるストレート足強化」「今垣光太郎や篠崎元志、桑原悠など猛禽類レーサーの強引な絞めまくり」あたりが波乱を生むファクターになりそうだが、それらがどれだけ実現するかは蓋を開けてみなくては分からないところ。基本的な舟券作戦としては「インが勝って当たり前」と覚悟しつつ、穴党として数少ないチャンスを見極める姿勢で臨むつもりではある。(photos/シギー中尾、text/畠山)