BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ウェアあれこれ

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「muta」というブランドのウェアを愛用している平本真之。今日はいつも着ている黄緑色のウェアの上に、やはりmutaとロゴの入った見慣れないブラウンのノースリーブベストを着ていた。この暑いなか、さらに1枚、上着を着用していたわけだ。ピットでの作業中も減量しようとしているのか? とよく見たら、左右の両腰のあたりにファンが付いている! この時期、屋外で作業をする方たち必須のファン付冷感ウェアってやつか!? これが夏場のピットのスタンダードになる!? 平本によれば「けっこう涼しいですよ」とのこと。ファンってやっぱり効くのかあ。俺も欲しいな。

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 水面に出る際は、選手は長袖のウェアを着なければならない。だからこの時期、ピットで上半身はTシャツ1枚という選手は、しばらく水面に出るつもりがないのだとわかる。たとえば峰竜太が「NOBOSE×ONE」と背中に大きくロゴが入ったTシャツだけを着ているのを見て、しばらく試運転には出ずにペラ調整をひたすら続けるんだろうな、と思うわけである。

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 この写真の大上卓人もそうですね。ブランドはDIESELですか? 畠山が還暦祝いに三島敬一郎からもらったTシャツも同ブランドではなかったっけ? それはともかく、この猛暑の中、必要でなければ長袖のウェアをわざわざ着たくはないですよね。ペラ室や整備室は冷房が効いているとはいえ、この季節は半袖で過ごすのが自然というものです。

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 Tシャツを着ていても、その下にさらに長袖のウェアを着ている選手はすぐにでもいつでも水面に出ようという選手である。この永井彪也がそうですね。こうした選手はたいがい、ケブラーズボンに乗艇用のズボンをはいているもの。靴はもちろんケブラーシューズである。Tシャツ1枚の選手はだいたいジャージにスニーカー、だから、水面に出る選手出ない選手は全身の装備がまるで違うわけである。だから、さっきまでTシャツ姿だった選手が、ケブラー履いてTシャツの下に長袖着て、という姿であらわれたら、そろそろ試運転、の合図だったりするわけです。私などは気楽にアロハシャツ1枚なのに、あちーあちーとブー垂れているのに、いざ水面モードに入った選手たちは本当に大変。日々感服しているワタシであります。

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 レース前の前本泰和はさらにスゴい。展示前から早々にカポックと勝負服を着込み、展示から帰ってきてもそれを脱ごうとしないのだ。大半の選手は、展示から帰ってくればいったんは勝負服とカポックを脱いでレースを待つのだが、この人(と上平真二)は着たままなのですね。冬はいいけど、真夏でもそうなのだから、これが前本のスタイルなのだろう。なかなか大変なスタイルだけど。ようするに、レースを待つ間も常在戦場ということだろうか。

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 さてさて、2Rで羽野直也が差し切って、これで2連勝。そのエンジン吊りで、不穏な言葉が聞こえてきた。「①に土下座したほうがいいよ」。原田幸哉が羽野にそう言ったのだ。土下座!? 羽野くん、石渡鉄兵に何か迷惑かけたっけ? スリットで羽野がのぞき、まくりもありそうな隊形ではあったが、石渡が伸び返して先マイ。差しにチェンジした羽野が抜け出しただけだと思うのだが……。ようするに外野から見ていたら原田が羽野をからかっているようにしか見えないのだが、40期近くも上の先輩に言われたら羽野くんとしたら気になっちゃうよね(笑)。というわけで、羽野はいちばん奥でエンジン吊りをしていた石渡のもとに急行。頭を下げていたのであった。もちろん鉄兵さんは、羽野の左腕をさすりながら頭を下げ返していた。まったくもう、原田名人ったら……。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)