BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――好調男に続け!

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 白井英治が無傷の3連勝と爆走する一方で、同支部の吉村正明が3戦オール6着。1Rはなんとかこの流れを断ち切りたいところだったが、松尾拓のジカまくりを浴びてシンガリ負けを喫してしまった。
 その吉村を出迎えたのが白井。あまり表情を変えるほうではない吉村も、さすがに顔をしかめる666。白井が寄り添って気遣う様子が印象的だった。

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 原田篤志も昨日まで66と来て、1Rは5着。吉村に先着して“オーメン”は避けられたものの、大敗の連続であることには変わりない。原田の表情もやはり冴えず、汗だくのレース後には疲労感もにじんでいた。しかも次走は5Rで、ゆっくり悔恨を噛みしめる時間もない。その5Rではなんとかリズムを変えたいところだが……。

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 山口勢のもうひとり、谷村一哉もなかなかリズムは上向かない。好モーターを手にしたはずが、展開にも恵まれずに455。2R後はやはりいまひとつ気勢が上がらない様子で、またもや白井が気遣うような場面が見られたのだった。
 白井が突っ走っているだけに、ついていきたい3人である。もちろん白井もできる限りのアドバイスは送っているはずだ。こうなったらこの後は人気薄になること必至。大穴をぶち開けて一矢報いてほしいところだ。

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 1Rで吉村をまくりで沈めた松尾は、評判機のパワーをついに見せつけた格好。もっとも、この人もレース後に感情をあらわにするタイプではないので、飄々とした素振りと見えている。後半が6Rということで時間もあまりないから、勝利者インタビューのあとはすぐにペラ室へ。この流れをキープしたい。

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 同支部の新田雄史は、本体整備をしていたようだった。ようだった、というのは、はるか遠目に、整備室で作業する新田の姿が見えた、ということ。毎回ご覧いただいている方は、今回は選手が整備してるうんぬんの記述が少ないとお気づきかもしれない。今回の立入許可地点からは整備室の様子はほぼ見えず、まさに遠目で出入口のガラス越しに姿を確認するしかできないのだ。それも、圧倒的に死角が多いのです。あ、いま4Rの直前情報が出ました。新田、ピストン交換だそうです。

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 それにしても、やはりボートレースは奥が深いもので、新田は前検日のドリーム会見では「何もしないで良さそう」と、大きな作業をせずにドリーム戦に臨んだのである。しかし、いざレースをしてみれば、何もしないわけにはいかないと、ついには部品交換にも取り組んだ。前検の気配や手応えは、決して万全万能ではないということである。もちろん、その会見でゴキゲンだった白井は、レースではやっぱり絶好調で、前検での感触通りの活躍を見せている。前検がアテになる場合ももちろんあるわけである。こうした気配の変遷を追いかけていくのも、シリーズ単位で開催されるボートレースの醍醐味のひとつですね。

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 2Rは長田頼宗が6コースからまくり差しで突き抜けた。同支部の大池佑来が5コースから攻めており、競輪でいえば東京ラインの勝利、って感じ? 長田を出迎えたのは、濱野谷憲吾と永井彪也、群馬支部の久田敏之だった。このなかで最も嬉しそうだったのが、なぜか久田。濱野谷と永井は淡々としていて、久田のニコニコ顔がなんとも意外なのであった。もちろん、濱野谷と永井が知らん顔してたわけじゃないですよ。あと、濱野谷は大池陣営が手薄なのを見て、すぐそちらに向かっていたし。このド派手な一撃に、東京支部の面々はぜひとも続いてほしいものである。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)