BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――初見!

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 16年以上もピット取材をしてきても、いまだ初めて目にするものはあるものである。7R1回乗りの原田幸哉は2R発売中から準備を始めていて、最初にしたのが「プラグのチェック」。2本のスパークプラグを外した原田は、ペラ室からルーペのようなものを持ってきて、プラグの接触部分を細かく点検していたのだ。初めて見たんだよなー。ルーペがペラ室に備え付けられているということは、日常的に使用する選手がいるということ。それはプロペラの微妙な部分を見るためのものかもしれないが、原田のような使い方をする選手がいないわけではなかろう。でも初めて見たんだよなー。具体的にどの部分をどうチェックしているのかは不明だが、なんとも微細な部分にまで選手は目配りするわけである。ちなみにプラグは選手持ちの部品であります。

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 これも初めて見た。1R後、大上卓人がモーターを運んでいたので、本体整備を始めるんだなーと、ぼんやり眺めていたわけである。だが、なんか違和感が。目に飛び込んでくる光景が、自分の認識のなかにあるものとなんか違うのだ。あっ、大上が押しているのって、モーター架台じゃないじゃんか! よく見ると、車輪付きの台のようなものに、モーター本体だけが乗っていて、それを大上は押しているのだ。つまり、モーターがボートに装着された状態で、大上は本体だけを外した。それをこの運搬台(?)に乗せて整備室に運び込んだ。よく、同じように本体だけ外して、それをエイヤッと持ち上げて整備室に運ぶ選手はいるんです。もちろんモーターを外して架台に乗せ、運ぶのが一般的。だが、本体専用の運搬台(?)は初めて見たなー。たぶん、他の場にはないものだと思う。というか他の場で見たことないもん。というわけで、何はともあれ大上は本体整備してます。

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 さてさて勝負駆けデー。1R、2走で8点が必要だった岩瀬裕亮が1着。1走で10点をゲットし、後半10Rは無事故完走で準優当確となった。今年3月のクラシックで準優進出は経験しているが、地元SGでの予選突破は格別であろう。と言いつつ、まだ予選はもう1走残っている。気を緩めることなく、さっそく10Rの準備に取り掛かる岩瀬であった。

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 2R、2走で18点が必要な瓜生正義が4着。ここは最低でも2着が欲しかったところで、何が起こるかわからないとはいえ、厳しい立場となってしまった。決して感情をあらわにするタイプではないが、控室に引き上げる際には何度も顔がゆがんだ。3番手競りに敗れたことも含め、不本意な結果だったのであろう。まさに勝負駆け日を象徴するような表情だ。

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 3Rでは、1着条件だった大池佑来がまくられて3着。松井繁が前付けで2コースを奪い、ならばと佐藤翼が3カド選択。自身がスタートを行き切れなかったことも含めて、一撃まくりになすすべがなかった。勝負駆けうんぬんでなくとも悔しい結果に、息荒く表情をなくす大池。2本の6着が痛かったか。気配自体は悪くないと見えるだけに、明日からも意地を見せてほしい。

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 爽快まくりの佐藤翼だが、3勝目なのにこれで準優当確ではないんですね。こちらも2度の大敗が響いている。というわけで、会心の一撃にも歓喜の様子はあまり見られず。とびきりの笑顔は後半を乗り切ったときに取っておこう。

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 笑顔が見えたのは丸野一樹だ。いったんは1着も見えていただけに苦笑の要素もあったかと思うが、原田幸哉とレースを振り返りながら、丸ちゃんらしい人懐こい笑顔も見せていた。後半は1号艇で1着勝負! 大敗から始まった復帰戦、尻上がりに調子を取りもどして、勝負形に持ち込んだ。8R気合のイン戦をとくと見せていただこう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)