BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――同期の絆

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 4日目の朝は取り立てて大きな動きは見られない。ペラ調整に励むもの、試運転で水面を駆ける者。それぞれが粛々と戦いへの準備を進めている。そんななかで目立って見えたのが、ややご年配の職員さんに北川太一が声をかけられて楽し気に話している場面だったりする。北川の父は、佐賀のベテラン北川敏弘。お父さんのこともよく知る職員さんなのかな、と想像を巡らしたりして。こちらが知らないだけで、元選手の方がピットで働いていることも多いから、お父さんと戦ったことがあるのかも? あまりに静かなピットだから、そんな妄想をしてみたりするわけである。

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 その北川が試運転に出た後、係留所で村上遼と話し込んでいた。2R発売中のこと。試運転タイムが終わっても、座り込んで話し込む二人。110期の同期生ですね。110期も多くは30歳を超えていて、現役の20代は村上、北川、上條暢嵩、西澤日花里だけになっている。そのうち3人がヤングダービーに登場してきたわけだ。話の内容はもちろん足色だったり調整だったりだとは思うのが、眼前に広がる徳山ののどかな光景を見ながら思い出話にふけっているのかも、などとやはり妄想してみるわけである。

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 同期生といえば、1Rで勝った中山将太に嬉しそうに歩み寄っていたのは、やはり117期の同期生である吉田凌太朗なのであった。吉田は昨日水神祭を達成。今節、117期生でGⅠ初勝利を目指していたのは吉田と中山だけなので、この期の水神祭はコンプリートだ。今日も12R発売中に水神祭が行なわれる予定だが、吉田も嬉しそうに駆け付けるのだろう。

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 それにしても、中山は気持ちのいい若者で、初対面だった丸亀ボートレース甲子園でも毎日ハキハキと挨拶をしに来てくれたものだが、今日も着替えを終えて勝利者インタビューに向かう途上で、ニコニコと「ありがとうございました」と頭を下げてくるのだった。俺、何もしてないけどね。でも、GⅠ初1着おめでとう。準優も頑張れ。

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 2Rでは中田達也がコース動いて5コースからまくり差し1着。進入も含めて、お見事であった。これで今節3勝目だ。中田に歩み寄ったのは、113期同期生の高田ひかる。エンジン吊りはそれぞれの地区だったり支部だったりで行なわれるが、それが終わるとやはり同期生が祝福に向かうわけです。中田と高田は12Rで直接対決。ともに勝負駆けになるわけで、まさに仁義なき同期対決だ。真っ向から斬り合うことこそ同期の絆!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)