BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――今日もペラ調整など

●ギリペラ

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 11R発売中、プロペラ調整室から平本真之が猛然と走り出た。えっ、もう締切10分前あたりで、まだ調整していたのか。今日のギリペラは平本真之! 11R発売中に試運転をしていた平本だが、どうやら足色に懸念が生じていたらしい。朝のドリーム戦インタビューでも、「峰さんと濱野谷さんに出られる」と言っていたが、今日の気配はいまひとつだった様子。というわけで、ギリペラと相成ったわけだが……。ドリーム戦は5着大敗。やはり峰と濱野谷に比べて下がっている雰囲気があった。ギリペラ実らずか。明日も朝から忙しそうに動く平本を見ることになるだろう。

●とことんペラ

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 2Rで6号艇6コースから10マンシュウを叩き出した佐藤翼。しかし本人的には納得のいかないところがあったようで、その後は試運転とプロペラ調整が続いた。10R終了後、帰宿の1便が出発。これで帰る面々は整備室前に集合している。そこに佐藤の姿はなし。1便組が宿舎に向かったあとに整備室、プロペラ室を覗きこんでみたら、ペラ室のほうにハンマーを振るう佐藤がいたのだった。調整を終えたのは結局、12R発売中。それも締切10分前くらいとこれもある種のギリペラ。いや、とことんペラだ。この時間からはもちろん試運転はできないわけだが、明日の朝の試運転で、今日の成果を実感できるだろうか。

●悔しペラ

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 6Rで西山貴浩はやや不運な不良航法をとられてマイナス10点。6着だったから、マイナス9点からの発進となっている。さらに、10Rも6着。初日を終えて、マイナス8点(得点率は、2走なのでマイナス4.00)。「あと全部6着だったら、“借金”返せずに帰らなきゃならんやないか!」と愚痴るニッシーニャなのであった。
 別に“借金”を返すためというわけではなく、西山は投げることなく、その後はプロペラ室にこもった。こういうとこ、本当にマジメなのである。予選突破は早くも厳しい状況となっているが、昨年のグランプリファイナリストとして、また今年もGP出場がほぼ当確という立場として、意地を見せて帰ってほしいところですね。

●奇声!?

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 ピットで騒がしい男といえばニッシーニャ。いや、騒がしいじゃなくて、賑やかな男・ニッシーニャ。10R後、やけに大声で、ともすれば奇声のようにも聞こえる声色で、「アシター!」「アシター!」と繰り返し雄叫びをあげる男がいた。ニッシーニャではない。菊地孝平だ。
「アシター!」を3~4回繰り返し、さらに「スマセーン!」と2回ほど。妙なテンションであるが、ようするにエンジン吊りをヘルプした選手へのお礼、戦った相手へのレース後の礼である。うん、とにかく妙なテンション(笑)。
 実は聡明な男・菊地孝平は、リラックスしているときには時にこんなシーンを見せる、西山にも劣らぬ賑やか男。モーターを格納し終え、控室に帰る際にすれ違ったら、「オツァース!」とやはり叫んできた。お疲れ様です、ですかね。ということでワタシも「オツィース!」と叫び返した次第でした。自分でも何言ってるのかわからん。

●マルちゃんに叱られる

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『BOATBoy』で丸野一樹にインタビューした際、彼がYouTubeにアップしている「マルトレ」というトレーニング動画を紹介。それを見て「これは!」と閃いた僕は、現在発売中の12月号から「マルトレでダイエット!」という連載を始めた。最近体重増加気味なので、マルトレを実践して減量しようという企画である。丸野からも許可を得て、折を見て監修もしてもらうことを約束している。
「黒須田さん、健康のほうはどうですか?」
 夕日が差し込むピットで丸野に声をかけられた。んが? あ、マルトレ? 実は最近サボり気味でして、まあいろいろあるんで、しかもけっこうキツいし……などと言い訳タラタラ。おそらく12月号の記事を見てくれたんでしょう。「だったら今、初心者向けのトレーニングも公開してるので見てください。あと、食事とダイエットに関する動画もあるので、それも見ること! 黒須田さんには耳が痛いでしょうけど!」。うがが……。マルちゃんに叱られた……。ちょっとボーッとしすぎでした……。
 というわけで、明日の朝からしっかりやります!

●走り回る!

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 今節、丸野はSGのほうでは登番が下から2番目。いちばん下の羽野直也とともに、新兵仕事をこなしているのを昨日今日と見かけている。ただ、全体で登番がいちばん下なのは中田夕貴。ピッタリ4900番だ。というわけで、中田も夕刻には鉄くず集めやペラ室の整理などに駆けずり回り! 多摩川のピットはなかなかの広さなので、中田は文字通り全力で走りまわって、新兵仕事に精を出すのだった。これまでも当然、新兵だった節はたくさんあったはずだが、こうしたビッグレースでの新兵は初めてのはず。女子トップクラスの先輩だけでなく、SGレーサーの先輩たちのなかで奮闘するのは、なかなか緊張感が大きいことと思います。今日は選手責任の転覆を喫してしまい、厳しい状況からのスタート。メンタル的に厳しい部分はあると思うが、いろいろな意味で最高の勉強の節だと思って、頑張ってほしいと思います!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)