BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――勝者と敗者のコントラスト

●意趣返し?

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 10R、桐生順平が3コースからまくり差しで快勝。昨日の12Rの1号艇では峰竜太に3コースからまくり差しを決められているだけに、ある種の意趣返し? まあ、今回の1号艇は平本真之だが。それでも、相手は違うがやり返した感はあるかも!?
 というわけで、レース後の桐生は毒島誠らに囲まれてにこやかに頬を緩めているのだった。今日の前半は1マークで大流れして大敗しているだけに、その分を巻き返す勝利でもあった。爽快な勝利だったのだ。これで勢いに乗ったかも!

●すみません

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 桐生に差されてしまった平本真之だが、レース後は悔しさをあらわにするよりは、苦笑いがこぼれまくっていた。徳増秀樹には「ずいぶん漏れただろ?」と声をかけられ、さらに苦笑い。たしかにリプレイを見るとターンマークをけっこう外していて、そこを桐生に突かれた格好。さらに徳増は「(平本が漏れたおかげで)差しシロがずいぶんあったから、それで残れた(3着)」とも平本に言っていた。それに対して平本は「すみません」。自分の失敗が桐生や徳増を活かすことになってしまい、ひたすら悔しいはずだが、つい謝罪の言葉が出てしまうという。いや、特に考えずにその言葉が出てしまったことが、悔しさの証しなのか。とにかく、悔いの残るレースになってしまったのは確かなようだ。

●6号艇でも

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 10R後、最も表情がカタかったのは秦英悟だ。6号艇という不利枠、それでも6着という結果にはまったく納得がいかないようだった。それで良し、でしょう。6号艇6コースならある程度の着を拾えれば御の字、という考え方は理解はするが、アタマから買っている人がゼロでないのなら、いかがなものかというのがファンの立場としてはある。だから、6着に敗れて憤懣抱える様子を目にすると、むしろ清々しささえ感じるのだ。それでも勝負駆けには残れている秦。明日も全身全霊のレースを!

●気合のイン逃げ!

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 前半8Rは5着大敗。昨日の後半は6着だったから、日またぎで大きな着を続けてしまった原田幸哉。12R1号艇は絶対落とせない一戦! ということで、レース前から相当に意気込んでいるという話が聞こえてきていた。その通りに、気持ちのこもったイン逃げ! 結果的に準優当確を決める、快勝を収めたのだった。お見事!
 この気合をぜひとも明日にも持続させ、5号艇という外枠からの大暴れを見せてもらいたい。

●ごめん!

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 11R後、2着の海野ゆかりが3着の鎌倉涼に、やけに何度も「ごめん!」と謝っているのだった。海野は1号艇、鎌倉は6号艇。何か絡みがあったっけ?
 リプレイを確認すると、2周2マークで海野はキャビって失速。鎌倉もレバーを落として、あわや後続ともつれるかという展開になっていた。海野が謝っていたのはおそらくここだろう。自分の失速が後続に迷惑をかけちゃった、という思いがあったんでしょうね。
 もちろん鎌倉も後腐れなし。結果、特に何も起こらなかったのだから、よかった。それから海野は、後から陸に上がってきた4~6着の選手にも頭を下げている。いずれもはるか後輩の選手たちにでも、海野はしっかりと礼を尽くすのである。素敵!

●気迫の3カド

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 その11R、3号艇の平高奈菜が3カドを決行している。残念ながらスタートを踏み込めず(コンマ25)、4コースからコンマ10の好スタートを決めた遠藤エミに叩かれて後退。6着大敗となってしまった。
 レース後の平高はひたすら顔をしかめて、悔しさをとても拭えないといった風情だった。女子戦では特に3カドは珍しく、その奇襲もむなしく大敗というのは、もしかしたら恥ずかしさも感じられる結果だったかもしれない。しかし、その意気や良し、ではないか! ピットで見ていて思わず声をあげてしまいましたよ、ワタシは。何としてでも、の気迫は見ていてやはり清々しい。結果は別として拍手を送りたいし、平高にはこれに懲りずにまた3カドチャレンジをしてほしいぞ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)