●異常事態!?
10R発売中にドリーム戦のスタート練習が行なわれたのだが、その直後に中川りながボートを陸に上げた。そしてそのまま整備室に直行。ボートを運び入れている。何か異常でもあったのか!? 11R発売中にはボートを展示ピットに移さねばならず、何かあったとしても残された時間はわずか。大丈夫か!?
整備室で中川が行なったのは、キャリアボデーあたりのボルトを締め直したか、または交換したか。遠目なのでいまひとつわかりにくかったが、あまり時間はかからずに作業は終わって、心配げに見守っていた整備士さんに頭を下げた中川は、すぐに装着場にボートを出せたのだった。着水可能の時間は終わっていたので、ボートを下ろしたのは10Rが終わったあとだったが、大過なくレースに向かえたというわけだ。いずれにしても、よくぞ細かい部分の違和感に気づけたというところ。そしてドリームは松本晶恵にまくられながらも2着に残したのだから、まさに調整がうまくいった、ということなのだ。
●ギリペラ
中川はボートを下ろすとそのまま展示ピットに向かったが、その頃には試運転用の係留所にまだ3艇がつけられたままだった。櫻本あゆみ、松本晶恵、長嶋万記だ。ちなみに、名前の順番は展示ピットにボートを移した順番。長嶋がラストだったというわけです。
3人はつまり、ギリギリまでプロペラ調整をしていたのだ。松本はギリペラの常連で、優勝した平和島クイーンズクライマックスでもほんとギリギリまで叩いていたものだ。男子でギリペラといえば毒島誠。櫻本、松本、毒島と群馬勢は実に粘りがありますね。
長嶋もプロペラ調整に勤しむ姿は毎度見かけているわけだが、こんなにギリギリまでやってたっけ? 結果として、松本はまくり快勝、櫻本3着、長嶋4着と明暗は分けたが、とことんやれることをやって臨んだドリームだったというわけです。
●1便2便
帰宿バスは今節3便制のようで、10R終了後、11R終了後、12R終了後となっている。「ドリーム頑張ってね」と、勝負服を受け取ったあとの中川に声を掛けたのが小池礼乃。中川とは同県同期ですね。小池は1便で帰るようで、中川にエールを送りにわざわざ声を掛けに行ったのだった。小池は、10R発売中まで試運転を続けており、寒風に身を晒しながら必死で走った初日であった。1便で帰ったら、しっかり温まってくださいね!
1便に乗り込む選手たちのなかには、比較的若手の選手もけっこう含まれていた。登番順では小池も若手の部類に入るだろうが、もっと登番が若い選手も混じっている。渡辺千草が1便組だったように、早い便で帰るのは“先輩たち”である傾向があるように見受けられるが、今日はそうでもなかったというわけだ。これは感染症対策の一環で、3便に選手が集中しないようにという配慮。帰れる選手は若手であっても早く帰ろう、ということだ。ちなみに、出入口には「バス車内での会話自粛」という旨の貼り紙もありました。開催は対策に強く気を配りながら行なわれているのです。
●でも帰れない!
というなかで、渡辺千草に次いで登番が上の谷川里江は1便に乗らなかった。そのとき谷川は整備室にいたのだ。今日の作業が終わらなければ、登番が上であっても帰れない! そんな執念も感じられる、徹底した調整作業だ。内容としてはギアケース調整。整備士さんに見守られながら、精緻な調整を施していた。今日は4着1着。さらに上積みを求めての調整で、その勝負師魂に衰えはない。まさに小さな巨人! で、10R発売中に作業は終わって、2便のバスに乗り込む谷川なのであった。お疲れ様でした!
●驚いた!?
11R、2番手争いを演じた西橋奈未と中田夕貴。カポック脱ぎ場に肩を並べて向かいながら、笑顔交じりでレースを振り返り合います。
二人同時にビックリ!? なんだなんだ。
先にあがっていた、勝者・藤崎小百合が、装備を解いてあらわれたのでした。二人そろって「ありがとうございました!」。藤崎はごめーんと言いながら、勝利者インタビューに向かったのでした。
これは4R後の写真ですね。今日は2着、1着で笑顔笑顔!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)