BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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勝負駆けであり、団体戦でもある4日目終盤のピットから

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 9R、数原魁が颯爽と3カドに引いた! マジか! 団体戦ということを考えれば、もしこの作戦が奏功して内の2人を呑み込んでしまえば、ポイントを紅組に進呈してしまうこともありうる。だから、この大会で見かけた3カドといえば、ミスター団体戦こと吉川貴仁が優勝戦で見せたくらい。優勝戦は内枠ルーキー外枠レディースと組まれるブロック戦ではなく、外枠にもチームメイトがいるから、自身が優勝して外枠を引き出せば団体ポイントも獲得できる。状況が違うのだ。それでもやるか、3カド数原!
 団体戦でありながら、同時に個人優勝も争っているのだから、これはもちろんアリ。そして、数原は準優勝負駆けだったのだ。勝つために、予選を突破するために、この選択はむしろ潔い。そして、数原は2着に入って勝負駆け成功! アッパレとしか言いようがないではないか。

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 で、数原は3カドに引きながら敗れたことで、レース後はただただ顔をしかめて悔しがるのであった。その意気や良し、である。準優は6号艇だが、こうなったら前付けでも何でもやって、優出を目指してほしいもの。男女あわせて準優に進んだ唯一の地元勢だ。意地が感じられる走りを見せてくれ!

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 もちろん、3カドにも動じずに逃げ切った谷口知優も立派であった。まくってきた数原をしっかりと受け止めての快勝。まあ、スタートはコンマ29、数原がビシッと決めてきたら危ないところだったわけだが、それでも結果的には数原とのワンツーで1ポイントゲットしたのだから、見事な逃走である。準優には届かなかったが、価値ある逃げ切りだ。

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 10Rは、中田夕貴が逃げ切り。登玉隼百がカドから攻めてきたが、しっかりと対処しての強い逃げ切り勝ちだった。ピットに戻ると、西橋奈未と抱き合って歓喜! 西橋のほうから祝福に駆け付けており、中田の逃げ切りをことのほか喜んでいるようだった。中田は昨日も1号艇で、スタートのぞかれてジカまくりを浴びている。コンマ12だから悪いスタートではないのだが、しかしS失敗だったとのコメントを残している。その不安を西橋もわかっていたのだろうか。力量を考えれば逃げて当然とも言えるのに、この喜びよう。実際に楽な逃げ切りというわけでなかったから、喜びも倍増したということだろうか。

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 攻め及ばずも、いったん2番手を走った登玉は、高橋竜矢に逆転を許して3着。コンマ01の渾身のスタートを決めながら突き抜けられず、しかも捌かれて後退とあっては、これは悔しさしか残らないレースだろう。というわけで、落胆した表情も見せていた登玉。いやいや、登玉が攻めて中田以外は呑み込んだからこそ、団体ポイントは白組にもたらされたのだ。気持ちはわかるけど、このレースの殊勲賞ですよ! 明日も4号艇に組まれている登玉。もう一丁しゃかりきに攻めて、今度こそは笑えるレース後に!

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 登玉を逆転した高橋は、これで勝負駆け成功! 準優は5号艇に滑り込んでいる。今日は前半1着で、7位以下から唯一、準優圏内への浮上となった。というわけで、表情は登玉とは対照的。スッキリした顔つきを見せていた。準優も頑張れ!

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 11Rは井上忠政が4カドまくりで連勝を伸ばしたわけだが、まくられた後の対処が見事だったのは鎌倉涼。冷静にターンマークをしっかりと回って、井上がいなければ普通のイン逃げのようにも見える旋回で2着を獲り切っている。男女あわせても力量上位の鎌倉だけに、さすがの立ち回りと言える。まくられて悔しいには違いないが、準優勝負駆けにも成功し、また紅組にポイントが入ったこともあってか、なんとも涼し気なレース後なのであった。

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 もっとも紅組のポイント奪取を確たるものにしたのは、3着の蜂須瑞生、4着の角ひとみだ。久永祥平が3着となれば白組のポイントで、久永も懸命に追い上げようとしていたが、蜂須はしっかりと粘り、角も巧みな捌きで久永の浮上を許さなかった。お見事です!

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 というわけで、久永とシンガリ負けの福田慶尚は苦笑い。井上が展開を作っていただけに、なお無念が募ろうというものだ。それでも久永は準優には乗ってきた。この憂さ晴らしは準優で!(黒須田)