BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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池上カメラマン撮影「THE FINALIST」&守屋美穂、おめでとう!

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 第6回レディースオールスター優勝は守屋美穂! 4カドからトップスタートでまくり一閃。風、水面の状態を考えれば、見事すぎる一撃である。そして、ファン投票1位で出場しての優勝は偉業! SGボートレースオールスターでも、野中和夫、山崎智也、峰竜太の3人しか成し遂げていない快挙なのだ。ファン投票1位に選出されること自体、誰もが経験できるわけではない。また、その栄誉に浴したとして、いざレースに臨めばそのことはアドバンテージになるわけではない。ドリーム1号艇が与えられるけれども、それが勝ち上がるうえでどこまで利になっているかと考えれば、実際のところはアドバンテージと言えるかどうかも微妙である(6着でも5点がもらえるドリームでは、6号艇が有利だという説も根強くある)。

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 とにかく、ファンからの後押しを受けて、それに応えんと一節間を戦った守屋が、最後に自力で活路を開いたのだから、文句なしの優勝だ。ここ1~2年はSGでも常連になりつつあり、その舞台でも強豪に負けじと奮闘してきた守屋が、そうして積み上げた地力を発揮してみせた優勝ということになるだろう。勝利者インタビューに応えながら涙を見せた守屋。そこに詰め込まれた思いを胸にさらなる躍進を果たすだろうし、この思いを味わったうえで、タイトルを引っ提げて臨む3月のクラシックも実に楽しみになってきた。
 素晴らしい優勝、おめでとう!

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 2着は松尾夏海。しっかりスタートを決めて、6コースからしっかりと展開を突いて上位に食い込んだ。昨年からの充実ぶり、あるいはその上昇ぶりは、間違いなく本物だ。今日は大外枠ということもあって伏兵的な存在であったが、今後は女子タイトル戦線では重要な優勝候補となってくるだろう。

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 3着は田口節子。最後の最後に残念な結果となってしまったが、疑うことなき、今節の主役中の主役だった。日々荒れ水面、日々強い追い風という過酷な状況のなか、堂々たる戦いを見せ続けたのは、さすがのギャラクシークイーンである。昨年末のクイーンズクライマックスにつづいて、本当にカッコ良かったぞ!

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 高田ひかるもまた、もう一方の主役である。この優勝戦、僕もそうだったが、彼女の伸び、まくりをどう扱うかを考えて予想を組み立てた、そして舟券を買った方が圧倒的に多かったのではないか。そうした存在であったこと自体が、ひたすら称えるべきことである。今後もそのキャラクターがレースを彩ってくれることだろう。そしていつか、圧倒的な締めまくりでタイトルを手にする日を楽しみに待ちたい。

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 通算1000勝がかかっていた長嶋万記は、今回もビッグタイトルを手にすることができず、区切りの勝利もお預けとなってしまった。ほんと、この人はタイトルに縁がないよなあ。まさに無冠の女帝である。個人的に、長嶋とはもう10年以上も、まだ彼女がB級の若手だった頃から親しくさせていただいてきただけに、栄冠をつかむことを切に願う次第である。

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 優勝戦は見せ場を作れなかったが、細川裕子はもっともっと評価されるべき実力者である! 彼女もまたタイトルには縁がない一人だが、長嶋同様、いつ獲ってもおかしくないと確信している。次の優出は静水面で、彼女の旋回力を存分に生かせる舞台であることを願いたい。

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 というわけで、ファイナリスト6人、そして出場全選手、厳しい水面を6日間、戦い抜いたことを心から称えたいと思います。大きな事故がなくてよかった。本当にお疲れ様でした!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)