●整備ーズ
今日も早くから整備室は盛況だ。ボートも３艇、持ち込まれていた。一人は毒島誠。昨日のレース後に機歴簿を調べていたのは記したが、なるほど、今日レース場入りしてからの作業をその時点で頭に思い浮かべ始めていたわけか。大きな部品を交換している様子は見られなかったが、初日連勝でもまだまだ満足はしていないのは確かである。
石野貴之もボート持ち込んでの整備組。こちらはかなりバラバラに分解しており、部品交換があるかも。直前情報でご確認いただきたい。石野も初日３着２着と悪くない発進だったが、さらに上積みをはかっているわけだ。
もうひとりが西山貴浩。本体整備と、さらにリードバルブ調整も行なっていた。初日は逃げ切りで勝ちはしたものの、気になるところはありまくりといったところか。１Ｒ発売中に整備終了、２Ｒ発売中にはボートを下ろしている。出番の10Ｒまでに、さらなる整備調整もありそうだ。
で、１Ｒ展示終了直後くらいに、桐生順平が検査員さんからの検査を受けていた。ということは、そのタイミングでモーターを装着したということで、その前の時間帯に整備をしていた可能性がある。桐生も毒島と同様、昨日のレース後に機歴簿を確認していた。強い人は前日すでに、翌日の動きを想定しているということでしょうね。
●考える人
早くからプロペラ調整を行なっていた濱野谷憲吾。１Ｒ発売中にいったん切り上げて、モーターに装着した。次の動きは……と見ていたら、そのままフリーズ。彫像のように微動だにせず、立ち尽くしているのだった。いや、立ち尽くすは正しくないか。次の動きをじっと考え込んでいる図、というのが正解だろう。いったいどのくらいそうしていたか、体感では３分ほど同じポーズでいたように思う。で、何をしたかというと、チルトのあたりをいじり始めていたから、下げた可能性がありそう（昨日は０度で出走）。試運転をしての感触で当然、元に戻したりもするだろうから、実際のところは直前情報でご確認を。初日のレースでの感触、ペラ調整の方向性、考えうる変化、などを脳みそで攪拌して、為すべき調整を導き出す。ベテランらしい、経験値の高さということだと思う。
●記念すべき日！
１Ｒ、板橋侑我が逃げ切り。ＳＧ初１着だ！ 水神祭は２走目の６Ｒ後に行なわれるということで、その模様は別記事で。
今日は、板橋にとって特別な日。奥様のお誕生日だそうなのだ（元選手の勝又桜さん）。この日にめぐってきた１号艇。「そのプレッシャーがエグかったっす（笑）」と目を細めた。そんな緊張感にも負けずに好スタートからの逃走劇。今日は忘れられない日になったね！ もちろん、もうひとつ白星を積み上げるべく、頬は緩んでも気は緩めない。すぐさまペラ調整に向かう板橋なのであった。
●安堵の逃げ切り
２Ｒは林美憲が逃げ切った。赤岩善生が前付けで２コースまで潜り込んできたが、動じずに先マイ逃走。６号艇に前本泰和もいて、さらに５カドから山崎郡が攻めてくるというレースで、しっかりと逃げられたのは大きかった。ハナから厳しい戦いが想定された中での勝利だから、レース後の林は安堵の表情。白井英治に微笑みかけられてやっと、爽快な笑顔が生まれたのであった。……それにしても白井、背が高いな……。
●私のロマン
林のエンジン吊りに出てきた菅章哉のＴシャツの背中には、アントニオ猪木の「私のロマン」なるポエム（？）が刻まれているのだった。ふむふむ、チルトを使い分けてのまくり道に通ずるものがありますね。菅の戦いぶりはまさしく、菅章哉のロマンなのである。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
