BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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前検ピット/若者が走る

『前検を斬る!』を姫園に任せ、黒須田の代わりにピットの片隅に立ってみた畠山です。今までちょこっと覗きに行ったことはあるものの、腰を据えてピットに居座ったのは10年ぶりかしらん? 正直、なにをどうお伝えすればいいのか、という根本的なところからわからんかった><

「おっと、テラッチと瑞紀ちゃんの師弟コンビですよ。仲よしですなぁ」
 隣のチャーリー池上に促されてレンズ方向に視線を合わせると、確かに師匠・寺田千恵と愛弟子・安井瑞紀がそれはそれは仲睦まじく肩を寄せ合ったり、耳元でひそひそと笑顔の言葉を交わしたりしている。

「お、いいねいいね、このラブラブな師弟写真にキャプションつけて、いっちょ上がりだな♪」
「おい、ジジイ、そんな安直にワシの写真使うなや!」
 怒られちゃいましたが、もちろん写真はたっぷり使わしてもらいます。今節はずっとピット取材なので、徐々に慣れていくとしましょ。

 ちょっとした収穫もありました。たとえば、『ミスター紅白戦』としてこの大会になければならない吉川貴仁は、私の挨拶に爽やか笑顔で応対してくれた。
――こんちわ、吉川選手。やっぱ吉川選手がいないと始まりませんでしょ、この大会は。
貴仁「はあ、どうもどうも、です」

――今節はどっかしらで必ずインタビュー(YOUTUBEの『週刊BOATBoy』)させてもらいますからね。
貴仁「え、マジっすか?? こちらこそ、よろしくお願いしますっ!」
 さっそくツバを付けることができた。さっそく明日にでも突撃インタビューを敢行しちゃいますぞ。

 あとはまた手持無沙汰でぶらぶらしつつ、隣のチャーリー池上をちょんちょん突つく。
「ねえねえ、みんな面白いシャツ来てるからさぁ、背中の名文特集とかどうかなぁ。ほれ、素子姐さんの背中の『圧倒的藤原感っ!』とか、誰だかよく分からないルーキーの『俺らしく。』とか」

「そんなありきたりなヤッツケ企画でお茶を濁すんじゃねえぞ、ジジイ」
 また怒られましたが、もちろん写真は何点か使わしてもらいます。
 そんなこんなで、まったりぼんやり周辺を眺めていたのだけど、卒然とあることに気づいた。
 男女がぴったり半々のピットって、そうそうありえないんじゃなかろうか?
 男女混合の一般シリーズは男子が圧倒的に多いし、ほぼオール女子戦は言わずもがな。ビッグレースもオール女子戦か、男子が10対1で圧倒みたいな極端な感じだし。特訓を終えた選手を待ち受ける数十人の男女の後ろ姿が見事なまでに半分こで、「なんか、これってひとつの理想的なボートレースの形なのでは?」などとぼんやり思った次第であった。

 しかも、ぴったり半分こでありつつ、男子のほうが相対的に若造(下っ端??w)なわけで、女子先輩のために走り回る若者のなんと多いことか……これまた、ひとつの平和的なボートレースの形なのでは、なんて思ったりした。

「男の子たちがマメに働いてるなぁ。なんか、それくらいっきゃ書くことないなぁ」
 ひとりごとのようにつぶやくと、隣のチャーリー池上がちょこっといい球を返してきた。
「若者が走る。そういうシリーズなんですよ」
 ってなわけで、今日のところはここまで。

 あ、ピットでひたすらぼんやりしてたわけでもなく、ちゃんと原田才一郎23号機&勝浦真帆27号機(←三島敬一郎のツートップ推し)のインタビューをしたりしたので、21時から配信される『週刊BOATBoy』(正味、日刊です!)もご愛顧くださいね。ではでは!(photos/チャーリー池上、text/畠山)