BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――独特なピット

 久々の唐津ピット取材。ああ、こんな独特な光景があったのだと、改めて思い出す。たとえば、展示待機場所。写真は2Rの展示準備をしている選手たち……と言いつつ、足元にペラ調整所があるわけです。唐津ピットには「展示待機室」がなく、装着場の端のほうに待機用の椅子が設けられている。それがペラ調整所の裏(?)というわけ。この左に、ピットに降りていくドアがある。たしか、前回来たときにはこの位置に6人が揃っていたと記憶しているのだが、4号艇までがこの位置で待機。

 5号艇と6号艇は少し離れた場所のベンチで待機しておりました。おそらくコロナ後に、ソーシャルディスタンスを確保できるよう、この措置をとったものと思われる。で、こちらのすぐそばにも、もう1カ所のペラ調整所がある。それぞれ違う作業をしていて、気が散らないものかと心配にもなるわけだが、選手たちはみな自身がやるべきことに集中しているのであった。さすが。

 カポックを着ている選手たちが階段を降りてくるぞ。そう、唐津ピットの本番待機室は2階にあるんですね。展示を終えた選手たちは階段を上って待機室へ。合図がかかると6号艇から順番に階段を降りてきて、装着場のいちばん端っこに整列する。

 こんな感じです。これは1Rの整列。この位置は、レース間には我々も滞留したり、レース後にはカメラマンがずらり並んで引き上げてくる選手の表情を狙ったりもしているのだが、レースが始まる数分前にはいっせいにここから移動して場所を空ける。やっぱり、レース前に敬礼を行なう神聖な場所ですからね。そのあたりはみな心得ているのだ。

 というわけで、グラチャン開幕! 1Rは平高奈菜が逃げ切った。唐津グラチャンといえば、01年に寺田千恵がSG女子初優出を果たした大会。21年経って、オープニングを制したのも女子レーサーなのであった。
 写真は控室へと引き上げていくときのもので、神妙な表情を見せているが、レース直後にピットにあがってきたときには、興津藍に出迎えられて最高のスマイル。SGオープニング1号艇は緊張感もそれなりにあったと思うが、勝利で飾れて安堵の思いも大きかっただろう。オールスターに続く優出を目指せ!

 さてさて、朝から本体整備は今日も長田頼宗。さらに羽野直也。長田は昨日のコメントを見ると、それほど弱気な内容ではなく、点検が主体だったのだろうか。前検タイムも悪くなかったし。長田も羽野も1R発売中には整備を終えてボートに装着している。

 気になったのは、試運転後にボートごと整備室に持ち込んで本体を外した毒島誠。朝走ってみて、違和感があったものと思われる。もっとも、表情自体は深刻ではなかった。どんな整備をしてくるか注目。なお、その後に今垣光太郎も同様にボートごと持ち込んだ。今垣は6Rに出走。急ぎの整備となることだろう。(黒須田)