朝のスタート特訓には、優勝戦6名が全員参加。平山智加はやはり前付けに動くようだ。その後、平山以外の5人はボートを陸に上げて控室へ。平山はボートを係留所につけている。
平山は1R発売中から試運転とペラ調整。今日は体感的に節イチの暑さ。だから試運転から上がってくるたび、平山の顔は汗で光った。優勝戦メンバーに入ればやや劣勢ということなのか、あるいは深い起こしとなっても威力を発揮するだけの足に仕上げようというのか、早い時間帯から懸命な平山である。
あとの5名は、3Rまでにはほとんど動きを見せなかった。ペラをモーターに装着したままという選手も多く、本格的な始動はもう少し先になりそうな気配だ。普段なら書きもしない動きを書くなら、藤崎小百合がペラゲージを片付けた。ようするに、動きといえばそれくらいだったのだ。
誰もが気がかりであろう、デビュー初優勝もかかる實森美祐だが、ひとまず落ち着いた様子であった。序盤のたたずまいから、極端に緊張しているような雰囲気は見当たらない。
香川素子は、實森に輪をかけて落ち着いていた。優勝戦では唯一の登番3000番台。さすがの貫禄とも受け取ることができる。
大山千広も普段と変わらないたたずまい。若手だからエンジン吊りでは率先して動いており、それもまた自然体と見える。3年前にもっと緊張する局面を経験しているのだから、挙動不審になるわけがないのである。
テンションが高いように見受けられたのは松尾夏海。100期以降のさまざまな選手との絡みが見られ、いずれも笑顔のやり取りであった。6人のなかでもっとも明るく見えたのは、間違いなく松尾だ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)