６Ｒで佐藤航が差し切り１着。昨日まで劣勢モーターに泣かされてきた最年少が、見事にＧⅠ初勝利だ！
昨日のセット交換につづいて、この６Ｒには電気一式、ギヤケース交換で臨んでいる。これで足はかなり上向いたそうで、「めっちゃ嬉しいです！」と佐藤のテンションは爆上がりだ。さらに、11Ｒを前に「もう一丁、整備しました！」とのこと。部品交換は発表されていないが、まだまだ満足することなく、本体に手を入れたというのだから、ナイス心意気である。
実績最上位の羽野直也も、ついに本体にメスを入れ始めた。８Ｒ３着で、オール２連対はキープしたものの、それはさすがの羽野直也と言うべきもので、足的にはどう見ても今ひとつ。羽野自身もそれを実感しているのだろう、９Ｒ発売中には整備室に入って、本体をバラした。どんな形でカツを入れるのかは明日の直前情報を待つしかないが、連覇に向けて万全を期すべく、格上が動いたというわけだ。
７Ｒ２着の畑田汰一は懸命なペラ調整が続く。２コースの吉川貴仁がまくって、３コースの畑田が差した展開。隊形的には畑田が突き抜けてもおかしくなかっただけに、やはり足的な部分への不満は残ったということだ。畑田の言葉にすれば「合っていなかった」となるわけで、プロペラと向き合う時間が長くなるのは必然。明日の勝負駆けに向けて、何としても合わせ切って、持ち前の鋭い旋回を繰り出せるようにするしかない。
４Ｒでは末永和也が逃げ切って、４戦３勝、２着１回。見事すぎる成績で、３日目終了時点で得点率トップを維持した。圧倒的な戦績で、このままＧⅠ初優勝まで一直線か!? しかし、末永はまったく気を緩めていないのである。なんと、10Ｒ発売中まで試運転を続けたのだ。足的にも上位と見えるのに、もっともっとと上を追い求める。その姿勢がアッパレである。明日は外枠２走となりそうだが、彼の様子を見ていると、あっさりクリアしてしまうのではないかと心躍るのである。
さて、９Ｒで４カド発進の黒野元基が１マークでキャビって失速。６コースから差しにいった宮之原輝紀が接触してしまっている。黒野はこれが不良航法をとられてしまい、得点率争いからは大きく後退することとなってしまった。
ピットに戻るとまず声をかけたのは宮之原。「大丈夫か!?」と、自らの接触によって黒野がケガをしていないかと案じたのだ。宮之原はすぐにレバーを落として回避しようとしたが間に合わなかったようで、それを詫びてもいた。しかしながら、キャビった黒野としては、それによって宮之原を６着大敗としてしまったわけで、陸に上がった瞬間に駆け付けて頭を下げている。それでも宮之原はさらに黒野の身を案じていて、選手たちにとって相手をケガさせることを絶対的な禁忌なのだということを改めて実感する。とにかく、ふたりとも無事で何より。宮之原は痛い６着だが、明日は何としても巻き返したい。
このレースで中田夕貴は３番手争いに敗れ、４着。前半５Ｒでは逃げ切って気分も上がっていたはずが、競り負けたことはやはり痛恨で、引きつった表情を見せている。今節、女子はやや苦戦気味で、高田ひかるが着をまとめてはいるが、初日快調だった大山千広は減点15が響いて得点率を大きく下げ、全体的に厳しい戦いが続いている。中田の前半逃げ切りは流れを変えるものになってもおかしくはなかったが、彼女自身、後半の敗戦はやはり悔しすぎるものになってしまったわけだ。準優進出には厳しいノルマが課されてしまうが、中田はもちろん、他の女子選手たちも、明日は一矢報いてほしい！（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
