BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

若松バトルトーナメントTOPICS初日

 トーナメント1回戦はインコースが8戦2勝のみ。なかなかに激しい前付けあり、ジカまくり・センターまくりあり、道中の大逆転あり、ちょっとビックリするくらいボートレースの醍醐味がてんこ盛りの8戦だった。だからして、当欄でフィーチャーしたい殊勲者もてんこ盛りなのだが、私なりに特に気になった選手を紹介しよう。

技あり! 絶品マーク差し
田村隆信⇒4R6号艇1着

 これぞ、格の違いというヤツか。
 昨日の抽選で「禁断の緑玉」を引いてしまった田村。今日のトーナメント1回戦は【3着条件=1着でも3着でもセミファイナルは枠番抽選】だし、3号艇に同県の鉄砲玉・菅章哉がいるし、あるいは枠なり6コース勝負かと見ていたが、稀代のトリックスターは黙っていなかった。後輩の菅を歯牙にもかけず、あれよあれよの3コース奪取!

「フミヤ、やれるもんなら4カドから俺をねじ伏せてみいっ!」
 ってなもんだろう。菅にとっては偉大な先輩に“恩返し”するチャンスだったが、気持ちで圧倒されてしまったか。スタートは田村のコンマ12に対してコンマ17まで。苦渋の直進を強いられている間に、【②椎名豊ロケットまくり⇔⑥田村の狙いすましたマーク差し】というSGコンビの強攻策がモノの見事に炸裂した。
 有無を言わさぬ前付け3コース奪取⇒コンマ12トップスタート⇒2コースまくりに連動して激辛マーク差しで完勝。
 この一連の流れは実に自然な見え方で、私はウムムと唸りながら冒頭のセリフを心の中でつぶやいた次第だ。徳島の絶対エース・田村隆信、貫禄の勝ち上がり。

 さて、大先輩の術中にハマった菅クンではあったが、これで落ち込む必要はさらさらなさそうだ。接戦を制して3着キープ! そう、先にも触れたが、どんな展開であっても3着に潜り込んでしまえば、1着・田村とまったく同じ土俵、同じ確率でセミファイナルに臨むことになる。1月のとこなめ3Daysは1回戦5着に敗れた菅が、今節は上のステージでどこまで暴れ回るか。選手紹介「内側の選手をねじ伏せたいと思います」という公約を、明日こそ実現してもらいたい。たとえ枠番抽選で“禁断の白玉”を引いても(笑)。

不気味すぎる3着
末永和也⇒7R5号艇3着

 からつのフレッシュルーキー末永和也が生き残った。1回戦は5号艇ながら、⑥興津藍の前付けを浴びて6コース発進。得意の5コース(今年は32戦8勝!! 2連対率44%!!)から勝負できなかったが、今日のノルマは【3着】。アウトからコンマ14のトップタイミングで踏み込み、内艇の混戦を横目にブイ際をスルリと差し抜けて必要十分条件の着順をもぎ取った。

「ヤングダービーではご迷惑をおかけしました。今節も優勝を狙って頑張ります」
 昨日のJLCインタビューで詫びを入れ、今朝の選手紹介では「エンジンパワーに負けない、思いきったレースをしたい」と抱負を語った和也クン。今日は前半2R(2着)も含め、ターン回りや先行艇の引き波で横滑りする見え方ではあったが、相棒1号艇の底力は半端ないはず。明日はしっかり回転を合わせきり、エンジンパワーに負けない高速ターンで【1着ノルマ】をもぎ取ってもらいたい。

傷だらけの跳躍
土屋 南=8R2号艇3着

 4R①長嶋万記、⑤西橋奈未~5R⑥前田紗希~6R②小芦るり華、④浜田亜理沙……
 女子の精鋭レーサーたちが次々と4着以下に敗れ去った若松水面。最初にセミファイナル進出を決めた女子は、地元のエース・大山千広ではなくF2持ちの土屋南だった。
 8Rは⑤白井英治がオラオラ前付けに動いて2コース奪取。②土屋と③大山がひとつずつ押し出されて1523/46となり、南がスタートで意地を見せる。満身創痍のF2とは思えないコンマ12の踏み込みで、コンマ19の大山を圧倒! そのまま、ほぼすべてのターンマークを外から外へ、全速の握りマイで3着を取りきってしまった。

 これはもう、文句なしの『天晴れ!』でしょ。大きなハンデを微塵も感じさせないファイティング・スピリット。さらに言うなら、1周2マークで先行する白井に浴びせた全速ターンの初動は恐ろしく早く、「まさか、天下の白井を引き波にハメてしまうんかっ!!??」と錯覚させるほどのド迫力だった。さすがに、小回り白井の鋭角ターンも絶品だったけれど。
 現在、10Rが終わった段階で、女子のセミファイナル進出者は南のみ。11Rの日高逸子ママ(2Rの圧勝、凄かった)の結果も気になるところだが、とりあえずは傷だらけの美女に「おめでとう」の言葉を贈っておこう。【1着勝負】の明日はたとえ1号艇でも険しい戦いになるであろう土屋。ただ、長期休養から復帰したこの女傑のレースっぷりには、「たとえF2でも!?」と思わせる何かが潜んでいる。

グレーテストマザー!!
日高逸子⇒11R3着

 そして、たったいま11Rが終わりました。地元の絶対エース・西山貴浩の2マーク逆転ツケマイも凄かったけれど、私の視線はもっぱら熾烈な3着争いにロックオンされた。いやぁぁぁぁ、2周1マークの逸子さまの切り返し、ヤバすぎるっしょ! あの一撃で4、5番手から一気にセミファイナル圏内に突入。もちろん、シンプルな好旋回ではなく「3着ちょーーだい!」の激辛な勝負手だったはずだ。

 そしてそして、いざ3番手を取りきってからのターンも辛いこと! これは前半2Rの1着も同じで、怒涛の追撃を見せる末永をくるくる旋回しながらまったく寄せつけない、見事すぎる小回りの連続だった。おそらく、相棒の30号機をしっかり手の内に入れたからこその出足、回り足。何から何まで凄すぎる。

「こんな大変な所に、追加で来てしまいました。老体にムチ打ってがんばりまーす♪」
 昨日、61歳になったばかりのグレートマザーは選手紹介でこう語ったが、他の47人は誰ひとりとして“ご老体”とは認めないだろう。追加でやってきたグレーテストマザーの3日間は、まだまだ終わりそうにない。

 さ、最後に……私が舟券心中と決めている野口勝弘7号機は、惜しくも4着でV戦線から後退。明日の復活戦はミラクル逆転ホームランを懸けた戦いになるが、スリット前後から1マークの直線足は私の理想にかなり近づいてきた。たとえ敗者戦に回っても、最後の最後まで追っかけ続けます。けっぱれ、野口7号!(photos/チャーリー池上、text/畠山)