BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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とこなめダービー『前検を斬る!』

 とこなめダービーの前検業務が終わりました。今日の水面はずーーっと穏やかなちょい向かい風で絶好のコンディション。ただ、記者席の観測ポイントが70m手前あたりで「出足系統は抜群によく見えるけど、スリット後の伸び足は背中追いで見えにくかった」ってな感じでした。自信度は5段階のCランクとして、馬鹿によく見えた人機から順番に紹介していきましょう。

S級(バツグン候補)

山口 剛=29号機

 現在、スタート練習の前半(1班~5班)が終わった段階で迷わずに書きはじめている。後半を待たずに【S】と決め撃ちしたのがコレ。三島十傑の圏外にして私もノーマークだったのだが、とにかく起こし~出足~スリット近辺の行き足までの加速感が絶品の一語! 少なくともドリーム組の6人の中では出足系統が抜けてゴキゲンに見えた。
 なんだなんだ、この29号機って??
 不思議に思っていたらば、直前に送ってくれたSスポーツ紙・K出記者のメールにこんな一文が。
――【近況好調&上昇】29号機/2節前の上野秀和のとき3日目にペラ換わってから急上昇、出足◎
 なるほど……地元で折り紙つきの急上昇パワーだったのか。明日の12Rドリーム戦までまだまだ時間があるので予断は許さないものの、もちろん私はツヨポン29号機を積極的に舟券に絡める腹積もりだ。

 そして、たったいま後半の6班~9班が終わって、やはり抜けてよく見えた人機がひと組だけ存在しました。同じく【S】ランクを授けちゃいます!

関 浩哉=63号機

 こちらは三島・第一席だからして、まったく驚くに値しない帰結か。K出記者の「トップスリー」にも入っており、貫禄の銘柄モーターだ。とにかく、最終の第9班でスリット近辺の行き足がウルトラゴキゲン! 一本目は4カドからズンズン進んであっという間に非常識なフライング。あるいは早起こしかとも思ったが、3本目の3コースからの行き足を見て「こりゃケタチだ!」と納得した次第。その前の足合わせでもスリット裏から椎名豊2号機(三島・第十席)を出し抜く勢いだったし、間違いなくスリット足は節イチを争うパンチ力とお伝えしておく。

A級(上位候補)

茅原悠紀=20号機

 私の大好物、スリットから先の伸び足がゴキゲンに見えたのが三島・第七席の20号機。背中追いで見えにくい中、第6班で茅原の背中だけがスーーッと遠ざかって行った。最近の茅原は行き足~伸びを上積みするケース(平尾スタイル?)が多く、現状では20号機のパワーかどうか判別しにくいが、とにかく伸び足はトップ級だと思う。その分、出足系統がどんなんなってるかは、明日の宿題にしておきます。

篠崎元志=59号機

 三島十傑にもK出記者メモにもノミネートされてないけれど、今節の「良く見えてしまったもんはしょーがないで賞」はコレ! 茅原20号と同班でスリット近辺は茅原が優勢も、出足~行き足までのスムーズな加速感は3本ともに絶品に見えた。元志が当欄に抜擢されることは珍しく、稀に載っても期待外れに終わったりするのだが、今回はどうか。久々にSGで大暴れする兄貴が見られるかも??

馬場貴也=26号機

 三島・第三席にして、伸びフェチの私がイチ推しの26号機。出足が分かりやすい今日の観測ポイントから、手前の部分はまったく目立たず。可もなく不可もなし、という見え方だったが、スリット近辺からおもむろにスーーーッと出て行った。つまりは期待通りの伸び型パワーか。ただ、乗り手は伸びより出足系統を駆使して天下一品の差しハンドルをブッ込むタイプだけに、あるいはミスマッチになる可能性も否めないところ。馬場26号機がどんな風にシンクロしていくか、まずは興味深く見守りたい(26号機との舟券心中はとりあえず見送ります)。

濱野谷憲吾=8号機

 夏場まで文句なしの絶対エースだった8号機。モーター抽選の記事で「直近の足色がイマイチ」と書いたが、今日のスタート練習も「ビミョー」という言葉がぴったりか。起こし~出足~行き足までどこをとっても「悪くはなさそうだけど」ってな感じで、しっかり戦えるイメージ。だけど、全盛期はこんなもんじゃなかっただろーー? みたいな。うーーん、下手に昔の8号機に惚れ込んでしまったから、過度の期待を抱いてしまうのか。ちょいと複雑な思いのまま、明日からの憲吾の実戦を凝視するとしよう。

 他では、関63号ほどのパンチ力はないけど出足・回り足はむしろ優勢に見えた椎名2号機、スリット近辺で力強い加速感を感じた大上卓人37号機、足合わせで井口佳典を煽る勢いだった毒島誠34号機(スタ練は一息)あたりもAランク候補だと思います。で、パワー云々とは別個に気になって仕方がない選手がふたりほど。

地元の大スター・池田浩二

 引き当てたと言うより、引き外したと言うべきか、相棒の61号機は下馬評の片隅にも載らないような低調機。ただ、ドリーム組では「山口29号機以外とは一緒の足色」という感じで、悲観するほどの見え方ではなかった。もちろん、本人がそのレベルで満足するはずもなく、明日は大小の部品交換などなど絶対エースとしての勝負手を繰り出していくだろう。予選が終わるころには、節イチ級のパワーになってたりして??(笑)

前付け必至・赤岩善生

 今日のスタート練習で、3本ともスロー起こしに徹したのは池田(2・2・3コース)と赤岩(1・4・1コース)のふたりだけ! 江口晃生や深川真二が6コースのダッシュに挑むなか、赤岩はあえて4コースも前進してスロー水域に構えた。さらに3本目のインコースは80m起こし!! こりゃもう、「2~6号艇ではナンボでも攻めまっせ!」と宣言してるようなもの。最近の赤岩がゴリゴリの前付け屋なのは周知の事実だが、地元のSGではさらにオラオラ度がアップすることだろう。いつでもどこでもイン逃げ注意報だ。

 前検タイムです。

前検時計TOP10
①馬場貴也  6.60
 茅原悠紀
 宮之原輝紀
④菊地孝平    6.61
 関 浩哉
⑥毒島 誠    6.62
 中野次郎
 平本真之
⑨山口 剛   6.63
 濱野谷憲吾
 篠崎元志

 おっと、最年少の宮之原がトップタイというのは意外すぎるかも。班で隣の関クンよりかなり見劣ってたし、足合わせでも山崎郡に煽られてたし。謎の時計という気がします。他は想定内で、かなりしっくりくるランキングでした。トップタイの馬場クンがどんな調整に持ち込むか、が私にとっての一大注目ポイントです。

前検ワースト5
①前本泰和    6.81
②守田俊介    6.79
③中島孝平    6.74
④江口晃生  6.73
 今垣光太郎 6.73

 おおっ、中島以外は「前付け屋フェスティバル!」みたいな(笑)。フツーに常連さんだし、みんな手前に寄せるからこの数字はあんまり意味ないし、ほとんどまったく気にする必要なし! とお伝えしておきます。(text/畠山)