BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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新しい景色?の前半ピットから

 中尾カメラマンが「こんなに閑散としていたっけ?」と撮影しながらポツリ。そんなもんかねえ、とピットを眺めていたら、たしかに選手の姿が少なく感じるのである。レース間には水面に試運転の音は響いている、それはいつもと変わらないのだが、中尾の「閑散」という表現がなぜかしっくりくる。すると、BOATBoyの女子バンこと森喜春が言う。「42人ですからねえ」。そう、シリーズの出場選手は42名。よく考えれば、ほんの1週間ほど前、60人が参加しているレースのピットにいたんだよな。しかも、大村よりも住之江のピットのほうが広い(と思う)から、18人も少ない今日はそりゃあ人っ気が少なく感じられるわけである。明日からは12人がやって来る。大村よりはちょい少ないけど、明日はきっと賑やかになるだろう。というわけで、空間が大きく感じるピットをたっぷり味わった午前中なのでありました。あ、写真はオープニングを制した平田さやか。今節は公開勝利者インタビューが行なわれていて、それを終えて帰ってきたところです。

 ところで、住之江のピットに来たのは昨年のグランプリ以来なのだが、ちょっとばかりリニューアルされているのでした。なんでも前節まで工事を行なっていたそうで、新しい屋根ができていたり、前にあった屋根がなくなっていたり、少しだけ新鮮な光景となっている。で、今までになかった光景が、選手たちが集まって水面のほうを見ている、という構図。何を見てるんだろうと訝しんでいたら、あ、モニターの位置が変わっている!

 こちらの写真は池上カメラマンが一昨年のオールスターで撮影したもの。水面は向かって右側(選手から見て左側)にあって、モニターを見上げる選手とはこちらから見ると正対している感じになる。それが、モニターが水面方向に移動されたので、遠くから見るとみんなで水面を見ている感じになるわけである。ふむ、これもまた住之江で見る新しい景色なのでありました。

 さて、3Rの周回展示で4号艇の滝川真由子がスピードダウン。5、6号艇に抜かれて、大幅に遅れてピットに戻るという事態が起こった。すぐに整備士さんら係の方々が集まって、その原因を探ったわけだが、選手たちもやや遠目から心配そうにその様子を見守っていた。角ひとみはペラを叩いていて気づかなかったようで、ペラ室を出て異様な空気に気づいて足を止め、本来はペラ装着のため係留所に向かおうとしていたところを、踵を返して滝川の様子を見守るのだった。異常な何かが起こったとき、それは選手にとっては他人事ではなく、我がことのように心配するわけですね。どうやらビニールをペラが巻いたことによるスピードダウンだったようで、再展示を行なってレースには出走できた滝川。本人はもちろん、他の選手たちも胸を撫で下ろしたことだろう。

 その3Rは深見亜由美が逃げ切り勝ち。GⅢとはいえGⅠとの同時開催である全国的なレースでは初陣だったわけだが、見事に勝利で飾ったのだった。エンジン吊りを終えると、あら、控室へとダッシュ! 次のレースまで間隔がなかったんだっけ、と確認したら後半は9R。何を急いでいたんだろう? 公開勝利者インタビューのために大急ぎだった?

 そういえば、2Rを逃げ切った高憧四季も、戦った他の5選手に駆け足で頭を下げてまわったあと、早足で控室へと向かったのだった。関係者やインタビューに集まるファンをまたせちゃいけない、ということでしょうかね。高憧は選手紹介式で実にキュートな選手宣誓を行なったわけだが、その緊張もほどけてナイス逃げ切り。笑みを浮かべながら控室へと戻っていく姿もやっぱりキュートでありました。(黒須田)