BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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クライマックス組がやって来た前半のピットから

 クイーンズクライマックスに出場する12名がやって来た。9時頃にはレース場入りして、モーター抽選は10時10分頃。終わると次々にモーターを受領して、手早く準備が始まっている。いちばん最後にモーターをボートに装着したのは堀之内紀代子だったが、それがぴったり11時。モーター抽選が終わってからものの30~40分ほどで、12名全員がモーターを乗せてしまったというわけだ。さらに遠藤エミは1R発売中にボートを着水。これに長嶋万記が続いた。みんな、仕事が早い!

 クライマックス組とシリーズ組の絡みも随所で見かける。写真は中村桃佳と倉持莉々。114期の同期生だ。水面の感覚や雰囲気、仕上げの方向性など情報を仕入れているのか。それとも単なる同期同士の語らいか。

 12人のボートは、リフト回りの1カ所に固まって置かれており、12人の装着作業の様子はいっぺんに眺め渡せるのだった。そして、カメラマンさんたちは一斉に写真撮影。レンズはすべて、12人のほうに向けられていた。時折、振り返って逆方向を撮っているカメラマンさんもいたが、その先にはクライマックス組とシリーズ組の絡みが。以前の12人制のグランプリのときもそうだったし、クイクラでは毎年この光景は見られるわけだが、このコントラストはなかなか残酷ではありますね。42名がいきなり無視されてしまっているような感覚、というか。特に若手の選手たちはこの光景を目に焼き付けて、近い将来その場所へと闘志を燃やしてほしいですね。

 こうしてクライマックス組に注目が集まるなかでも、シリーズ組は奮闘している! 3人がクライマックスに出場する香川支部、その後輩のために部屋を暖めておくと開会式で語っていた西村美智子。水面も暖めておくとばかりに、早くから試運転を走りまくっていた。そう、彼女たちの走りがファンを暖めて、年末の大一番のムードを盛り上げる!

 昨日の10Rでインvsまくりの真っ向勝負を見せた今井裕梨と清埜翔子は、今朝は足合わせを繰り返しているのだった。昨日の敵は今日の友、というわけでもないだろうが、足合わせを切り上げたあとはみっちりと情報交換。昨日のレースで、そして今朝の足合わせで、お互いの比較はかなりハッキリしたはずで、その後の会話が調整の精度を高めていくことだろう。

 富樫麗加が試運転をいったん切り上げてボートをあげた。クライマックス組の装着作業のど真ん中を突っ切って、ボートを整備室前に運ぶ。始めたのはギアケース調整だ。今日は9R1回乗りでたっぷりと時間があるから、さまざまな調整を試すことができるだろう。初日は中間着2発で、9Rはリズムアップをはかる一戦にしたいところ。

 遠藤と長嶋がボートを係留所に付けて数分後に1Rのファンファーレ。大瀧明日香がまくり快勝! 気持ちのいい勝ち方に顔がほころぶ。初日からオール舟券絡みということで、この勝利はさらにリズムを良くする勝利となった。このエンジン吊りには、長嶋、細川裕子、高田ひかるが参加。共同作業にはクライマックス組もシリーズ組も境は何もない。というわけで、ピットに選手は54名となりました! さあ、年の瀬の住之江が一気にヒートアップするぞ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)