今節はノックダウン形式の短期決戦。初日の当欄も要らぬ贅肉は省いて、勝ち残った選手の独断パワー評価をお伝えします。
5R
【レース内容】
選考順位2位の①深谷知博がインコースから唯一ゼロ台の踏み込みで悠々の先マイ。2コースから差した②守屋美穂、3コースから割り差しを狙った③毒島誠の追撃をギリギリ振り切ってイチ抜けを決めた。重要な2・3着も好枠・好コースを生かした毒島・守屋が取りきった。
【独断パワー評価】
☆1着・深谷=イン逃げ成功だが、威張れるレース足ではなかった。1マーク出口もあわや2艇にボコられるかも??という見え方。なんとか凌ぎきったが、明日の1号艇も現時点では盤石とは言いきれない頼りない足色だ。独断鑑定Cレベル。
☆2着・毒島=3コースまくり差しはやや迫力不足だし、彼にしては展示タイムも悪いし、現状はあって中堅までか。それでも力量的にV候補の一角だが、選考18位としてはもうひと足アップしておきたい。現状C+~B。
☆3着・守屋=前検から起こし~行き足まで重たい足色。2コースはどうかと見ていたが、なんとか早起こしで帳尻合わせ。さらに2コース差しが入りそうな勢いでもあり、昨日より出足系統が良化した見え方。で、出足・行き足を持たせてしまえば、そこからの伸び足はトップ級。センター筋のダッシュ戦なら一撃まくりが可能な足色だ。現状【出B・直S】という極端な仕上がりでトータルA鑑定。
6R
【レース内容】
⑤石野貴之がバナレ遅れで最終隊形は12346/5。単騎ガマシが届かない間に①原田幸哉がすたこら逃げたかと思いきや、③茅原悠紀が追って追って追って大逆転の1着GET! 悔しい2着に幸哉、必要最低限の3着は6コースから捌きに徹した石野が取りきった。
【独断パワー評価】
☆1着・茅原=先頭レーサーを追っかけ回して逆転したのだから、茅原の足が悪い道理はひとつもない。特に出足・回り足が強力で、本人も「前検から出足は自信があった」と本音をポロリ。競った割りに上がりタイム1分47秒2も上々で、現状【出S・直A】のトータルA+。
☆2着・幸哉=逆に追い抜かれた幸哉に高い評価は授けられない。道中の足取りもふらふらした見え方で、出足・回り足は中堅もなさそうだ。厳しくC鑑定。
☆3着・石野=6コースから最低ノルマ3着に入線した石野は、余力たっぷりのレース足。スリットから出て行ったし、道中の小回りも切れ味良好。前半2Rの1分47秒1も込み込みで、茅原に負けず劣らずのハイパワーと見ている。前検での惚れ込み分も含めてトータルSランク(笑)。
7R
【レース内容】
③磯部誠がトップスタートで覗いたが伸びきれず。仕掛けが遅れている間に①片岡雅裕がすんなり逃げきった。握って回った磯部は道中の足も苦しく脱落。代わって臨機応変に捌いた⑤羽野直也~④寺田千恵が準々決勝の招待券をGETした。
【独断パワー評価】
☆1着・片岡=前半3Rも5コースから鋭い実戦足で3着に食い込んでいて、なかなかに侮れないパワー。例によって「出足系統強め、直線チョボチョボ」という見え方で、今節は頼りの出足系が初日からしっかりしている。推定【出A・直B】の中堅上位。
☆2着・羽野=三島敬一郎イチ推しの63号機。さすがの切れ足でしっかり追い上げ、堂々の2着を取りきった。昨日もそうだが、スリットからさほど出て行くムードはなく、目立たない中で鋭い爪を繰り出す実戦タイプか。おそらく昨日より手前に寄せたはずで、現状の足は【出A・直B】あたりと見ているがどうか。
☆3着・寺田千=こちらも三島十傑の第八席に恥じぬレース足を披露。最終ターンマークは遠藤エミの強烈なツケマイを浴びたが、出口からの押し足の差でギリギリ生き残った。出足中心にバランスが取れた印象で【出A・直A】の上位ど真ん中。
8R
【レース内容】
4艇がゼロ台の電撃スリット戦、とりわけコンマ04の①宮地元輝が1マークを先取りしたが、②上平真二名人の2コースズボ差しを浴びた。バック直線②-①態勢も、2マークで⑥西山貴浩が内から突っ込みで宮地に追突(不良航法)。その間に小さく差した⑤松井繁が2着に浮上した。3連単②⑤①はシリーズ初の万舟=32830円!
【独断パワー評価】
☆1着・上平=今日の握ったもん勝ちの静水面で差しが届いたのだから、出足系統は悪いはずもなし。一方のストレートはむしろ劣勢な見え方で、まさに名人らしい仕上げになっている。上りの1分48秒4はかなり遅く、私の見立ては【出A・直B】の中堅上位。
☆2着=松井=競りに乗じたラッキーな2着とはいえ、スリットも道中も足色は迫力満点! 展示タイムも6秒60という凄まじく、スリットから超強気で攻めたあたりは自信もありそうだ。【出A・行S】で抜群レベルに近いA+評価。
☆3着・宮地=1マークはやや握りすぎた気もするが、上平に差されたあたりのレース足はやや甘め。2マークは不運な降着でパワー不問。現状はあって中堅Bランクまで。
9R
【レース内容】
インから唯一のゼロ台を決めた①椎名豊がスタートの利を生かしきって逃げきり。センターから攻めた③関浩哉、④前田将太が後続をまったく寄せつけずに2・3着。関⇔前田が入れ替わったのが唯一のスリリングな光景だったか。
【独断パワー評価】
☆1着・椎名=多分にスタート勝ちの印象で、上がり1分48秒0も平凡。レース後「特徴がなにもないフツーの足」と本人も語ったとおり、極めてフツーの足色で良くてB=中堅が妥当か。
☆2着・関=道中の立ち回りがしっかり、最後も前田をツケマイで沈めたあたり出足系統は水準以上か。直線は平凡な見え方で【出A・直B】の中堅上位あたり。
☆3着・前田=前検も前半3Rもスリット足が非凡に見えたが、トーナメントは手前に寄せた印象。それがしっくりハマらず、関に逆転された気がするのだがどうか。それでも最終ターン以外はしっかりしていて、バランス型の中堅上位。キッチリ仕上がればもっと良くなりそうな見え方ではある。
10R
【レース内容】
インからコンマ11で先制した①池田浩二が影を踏ませぬ豪快な逃げ。2着は道中の混戦をらしい立ち回りで捌ききった③桐生順平。3着も的確な差し回りで⑤中島孝平が取りきり、GP覇者の3人が上位を独占した。
【独断パワー評価】
☆1着・池田=相次ぐイン逃げの中でも出口の押し足がかなりしっかりしていて、出足系統は間違いなく上位。その後のストレートも水準以上で、掛け値なしにV候補の一角。鑑定としては【出A+・直B+】でトータルA。
☆2着・桐生=前検はスリット近辺が劣勢⇒前半3Rはスリット足がアップした代わり回り足が劣化⇒1回戦はスリットで目立たなかった代わりに回り足が良化と変化した印象があり、発展途上か。それで2着を取りきるあたりは選手の力量か。独断鑑定は良くて中堅レベル。
☆3着・中島=着差は開いたが、足色的には桐生よりキラリ輝くものがあった。出足系統しっかりのらしい仕上がりで臨戦態勢は整っている。【出A+・直B】あたりで明日の外枠もしぶとく絡んでくるかも?
11R
【レース内容】
⑤赤岩の前付けが脅威と見ていたが、いざ本番はやんわりの挙動で想定より穏やかな1235/46に。インからたっぷりの助走を得たMVP①馬場貴也が難なく逃げきった。2着は大外から展開ズッポリの⑥上條暢嵩。道中しぶとく捌いた③山口剛が3着。
【独断パワー評価】
☆1着・馬場=前検から突き抜けるパンチ力は感じないものの、出足中心に互角以上に戦えるムード。ただ、スピードスターとしては物足りない上がり1分47秒3も含め、現状は【出A・直B】の中堅上位までと見ている。
☆2着・上條=6R石野の3着以外6コースがまったく利かなかった今日の水面でちょいサプライズの2着。展開がハマった印象が大きいけれど、侮れない好走ではあった。私の見立てはまだ「中堅か、それに毛が生えたレベル」なのだが軽視しすぎかも。
☆3着・山口=前半2Rは非凡なパンチ力を感じたが、こちらはスリット足<回り足に重きを置いた印象。これは5R以降の多くの選手に感じたことで、あるいは「3着以内」という縛りが出足偏重につながっているのかも。外枠の明日はパンチ力を磨く可能性もあり要注意。
12R
【レース内容】
1回戦でいちばんスタートが遅いレースだったが、コンマ20前後でも横一線となればコースの利。現役チャンプ①丸野一樹が馬場先輩に続いてインから豪快に押しきった。2着も2コースからすんなり順走の②末永和也。3着は道中で巧みに捌いた④瓜生正義。一堂に会した東京支部の3戦士は展開に恵まれず、枕を並べて脱落した。
【独断パワー評価】
☆1着・丸野=展示タイムは松井に次ぐ今日2位の6秒62だし、上りも馬場先輩より今日イチの1分47秒0だし、文句のつけようのないイン逃げ。Sまではどうか分からないが、上位の中でも優秀な部類と感じた。全部の足がA+のバランス型で十分に初防衛が可能なパワーだ。
☆2着・末永=差して粘り込んだだけだが、2Rの道中足が悲惨だっただけにややサプライズな2着。まだ過信はできないものの、出足系統の上積みはあったはず。それでも中堅あるなしと値踏みしているのだが……。
☆3着・瓜生=東京トリオの自滅?を横目に、らしい捌きで最低ノルマの3着。見た目には可もなく不可もなく、特徴のない中堅レベルと見ている。(photos/シギー中尾、text/畠山)