BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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ルーキーリードと勝負駆けの後半ピットから

 団体戦はルーキーズがぐっと差を広げた4日目。そんななかで沸いたのは、9Rだ。真子奈津美が逃げ切って1着。一時は大敗もあるかと見えた川野芽唯が3着に捌き上げて、レディースがポイントを獲ったレースだ。特に盛り上がった真子の周辺。なにしろ真子自身が嬉しそうにニッコニコしていて、報道陣によかったねと声をかけられると、ジャンプしそうな勢いで手を激しく打ち鳴らした。そこにあらわれた魚谷香織がまたテンション高く、真子の勝利をともに喜び合う。さらには川野芽唯も大祝福。大敗ロードからの脱出と、強敵相手の1号艇を勝利で切り抜けたことへの歓喜。ピットが一気に明るさを増した。

 川野はどちらかといえば安堵の様子で、これで準優は当確。大きい着のままならば予選落ちもありえただけに、なんとか連に絡んだことで胸を撫で下ろした。その後に、先述した真子との歓喜。さらに言えば、自信がしっかり連に絡んだことで、レディースにポイントをもたらしたのも喜びのひとつであっただろう。ルーキーズがリードするなか、しかし川野は「選抜を獲れば!」と逆転団体優勝に意を強くしている。準優メンバーとして、最終日は獅子奮迅の走りを見せてくれるものと思う。

 逆に、顔が引きつり気味だったのは10R後の倉持莉々だ。1マーク差して2番手争いも、安河内健に競り負けて3着。これが予選落ちをほぼ決定づけるものだったから、悔いが残る一戦だったことだろう。安河内はバックで締めながら倉持と接触しており、これが不利な隊形を作ってしまった感もある。もちろん安河内に頭を下げられて、倉持も軽く会釈をしているが、心中いかばかりだったか。

 また、4着の伊藤尚汰が落胆した表情を見せた。勝負駆けの一戦だったが4着で、準優突破は絶望的。予選突破なら21年3月以来、約1年10カ月ぶりだった。それだけに燃えるものはあったはずだが、その分、かなわずに落ち込んだような顔を見せるのは致し方ないところだ。

 逆に、逃げ切った三村岳人は準優進出を確定させた。昨日はまくって14マンシュウを叩き出し、今日は逃げて予選突破。完全に流れに乗ってきた。同県同期の川崎智稔に称えられる場面もあって、あかるい表情で勝利者インタビューへと向かった。この名前を売るチャンスを活かす準優としてほしい。

 そうそう、6R2着で予選突破を確実にした中野仁照は、これが初準優だそうである。今節1着はないものの、しっかりと着をまとめ上げた。ルーキーでは登番が下から3番目の新兵とあって、装着場でも姿をよく見かけるわけだが、明日もいっぱい働いて、それで重圧を紛らして、一気に初優出まで狙ってほしいもの。

 それにしても、予選前半の凡走続きから、よく巻き返したものだ、中亮太! 今日は連勝で、見事に勝負駆けを成功させた。1Rを逃げ切ったあとも懸命に調整する姿が目についており、なんとしても予選突破の気合を感じさせる表情を見せていた。そんな合間にもこちらを見つけると遠くから挨拶してくるあたりがかわいかったりするわけだが、ルーキーズの大将格として為すべき仕事をきっちりこなしたと言っていいだろう。こうなればやはり、ルーキーズの準優はこの男から目が離せなくなってくる!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)