今日もオープニングから事故レースになってしまった。1コースから先マイ態勢の深川麻奈美が転覆。1R1号艇に組まれた地元勢が2日連続、痛い失点を喫してしまっている。深川が転覆した瞬間、ピットでは選手仲間の大きな悲鳴があがったが、幸いすぐに「選手異常なし」のアナウンスが流れてホッ。深川は自力でレスキューを降りると、すぐさまエンジン吊り中の他5選手に頭を下げて回っていた。とにもかくにも、ケガがなくて何より!
その事故を避けつつ差し切ったのが平川香織。これが嬉しいGⅠ初勝利! 事故レースということもあってか、ピットに戻った当初は淡々としていたが、浜田亜理沙に声を掛けられてニッコリと笑みが浮かんだ。その後は、報道カメラマンたちであったり、同じレースを戦った上田紗奈だったりに祝福されて、キュートな笑顔を見せてもいた。水神祭は9R終了後に大時計前で行なわれるとのこと。本場来場のご予定がある方は、ぜひ祝福の声援を飛ばしてください!
2Rでは遠藤エミが5コースからのまくり差しで快勝だ。初日はとにかく内寄りが優勢で、ダッシュ勢の出番はほとんどなかったのだが、その連鎖を断ち切ったのはやはり遠藤エミ。機力もレースぶりもさすがと言うしかない。会心の勝利には違いないが、これで浮かれたり感情をあらわにするようなお方ではない。粛々とエンジン吊りを終え、ウィナーインタビューに応えると、後半の準備に取り掛かるのであった。そのたたずまいもさすが。
惜しかったのは喜井つかさ。展開を作ったのはこの人だ。3コースから軽快にまくり、いったんは勝利も見えたはずだが、遠藤のまくり差しに捕らえられた。結果はともかく、アッパレなレースぶりではあった。ピットに戻ると苦笑い含みの表情で、手応えと悔しさがない交ぜになったような様子。それでも寺田千恵らに声を掛けられると、ひとつうなずいてにこやかな表情に変わっていったのだった。
そういえば、昨日の10Rを逃げ切ったテラッチ、その待機行動中に跳ねたボラがボートに入り込んでいたんだそうですね。それを冷静に掻き出したとか。実はレース後、なんだか憤然とした声をあげていて、何やら様子がおかしかったのだが、ボラが飛び込んできて臭かったとかいう話(笑)。そんなことってあるんだなあ。それでも冷静に捌いて逃げ切るあたりがさすがであります。直線を航走しているときにボラが頭を直撃して脳震盪、なんて話もたまに聞くわけで、そういう事態ではなかったことは幸いではありました。
さてさて、昨日は気づかなかったのだが、屋外プロペラ調整所の脇に水色の大きなボックスが置かれていて、これが何かと思ったらいわゆるクーラーボックスのようなもの。中にたっぷりと氷水が入っていて、そこにドリンクが用意されていた(あるいは選手が自分で用意して、ここに入れていた)のだった。この猛暑のなかでのレースや試運転、調整作業はとにかく大変。熱中症には十分にご注意を! ということで、水分補給が素早くできるよう、ここに設置されたということだろう。もちろん関係者の方々の心遣いでありましょう。災害級の暑さとか言われる昨今、基本的に屋外での競技、また作業であるから、こういう配慮も重要ですよね。
で、汗だくで試運転からあがってきた淺田千亜希がここに直行し、美味しそうにミネラルウォーターと思われるペットボトルを一気にあおっているのを目撃したのでした。ほんと、選手の皆さんもしっかり水分摂ってくださいね。暑さに負けず頑張って!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)