BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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福岡レディチャンTOPICS 2日目

独裁・ドリーム帝国??

 たったいま8Rが終わったのだが、なんとなんと人気の1号艇=インコースが怒涛の8戦8敗!!!!!! 昨日の『展望BOATBoy』で【2日目はイン6勝・万舟3発】などと謳ってしまった私・畠山は、ただただ茫然と立ち尽くすのみ(涙)。
 ではでは、どーして8Rまでイン選手が全滅したか。風や潮汐は昨日と似たり寄ったりで、水面環境が原因ではなさそうだ。そう、勝った選手を見れば一目瞭然、初日12Rのドリーム戦士たちが大暴れしているのだな。主だった活躍を振り返ってみよう。

★2R5号艇・遠藤エミ=1着

 ③喜井つかさの3コースまくりにぴったり連動し、鮮やかすぎる5コースまくり差し一撃! 昨日の1Rから13連続で①と②しか勝っていない福岡水面で、このワンツー法則をぶっ壊したのはやはり史上最強女子レーサーだった。4本の引き波を超えるパワー~バック直線での喜井との伸び比べを見る限り、相棒18号機も上位レベルとみていいだろう。つまりは鬼に金棒、昨日の6着を巻き返してフツーに優勝できる人機とお伝えしておく。

★3R3号艇・三浦永理=1着

 このレースの私の注目ポイントは「節イチ候補の①土屋千明26号機がどう逃げるか」だったのだが、逃げきれなかった。インの千明にさほどの落ち度があったとは思えない。特訓から26号機の行き足はゴキゲンだったし、展示タイムも怪物級だったし、ややスタートは凹んだけどスリット後の伸び返しも凄まじかった。
 だがしかし、テクニカルエリーの超鋭角ターンはそんな超抜パワーをも粉砕した。2コース凹みの隊形も味方したが、初動の段階で「あ、入っちゃう!!」とはっきり分かった。持ち前のターンスピードはもちろん、ドリーム戦よりターン回りが良化した見え方でもあった。最近のエリーの安定感と自信が、このワンターンにまんま反映されていた。

★4R3号艇・細川裕子=1着

 同じく東海レディの3号艇1着ながら、コッチはちょっと異質な勝ちっぷりだった。3コース細川は自力勝負タイプらしく全速の握りマイを放ったが、イン山川美由紀を捕えきれずバック2番手まで。2艇身ほどの差で勝負あったかと思いきや、2マークの交差旋回で一気に古豪・山川を追い抜いてしまった。
 山川41号のレース足も相当と見ていただけに、ちょっとビックリの逆転劇。何度かリプレイで2マークを見直して、「山川の先マイがチョイ漏れ・チョイ流れ×細川の旋回がチョイ速・出口の押し足がチョイ強」と検証した。ドリーム戦より大なり小なり、細川58号機の回り足~押し足がアップしたのは間違いなさそうだ。

★6R2号艇・浜田亜理沙=2着

 ドリーム戦から2連勝とはならなかったが、見せ場たっぷりの2着だった。スリットでやや凹んだ①平田さやかを2コースからジカまくり強襲。これは惜しくも攻めきれず、4カドからまくり差した淺田千亜希にも抜かれてバック3番手まで。ここから慌てず騒がず前の2艇を視界に留め、2周1マークの小競り合いに乗じてスパーーンと2番手に飛び込んだ。これら押し引きの足色を見る限り、上位より中堅上位あたりかも??

★7R3号艇・渡邉優美=1着

 事故発生の半周レースとはいえ、かなり強い勝ちっぷりだった。スタートはイン土屋実沙希のコンマ01に対して優美04。わずかに後手を踏んだが行き足がエゲツない。1マークまでにニョキッと覗き、誰が見ても突き抜けそうな3コースまくり差しの初動に入った。
 この瞬間、実沙希がキャビって振り込んでエンスト(責任失格)。突出した優美を意識しすぎての自滅に見えたのだが、どうだろう。で、これも推測だが、実沙希が普通に回ったとしても、優美のまくり差しが決まった気がしてならない。

 ってな感じで、イン8連敗をアタマ突き抜けで助長したのが⑤遠藤、③三浦、③細川、③渡邉の4人。さらに6R②浜田がジカまくりでイン平田の1着を阻止したことを思えば、「ドリーム5戦士が外から寄ってたかってイン選手をいじめ倒した」という見方もできるだろう。

 で、8Rまでのドリームラッシュの中で、ただひとり5着に沈んだのが5R5号艇の平山智加だった。しかも、4カド堀之内紀代子の豪快な絞めまくりに連動しながら、1マークでも道中でも千切れての5着惨敗。レース展開的に3着は獲れる流れだっただけに、本人にとってもショックの残る着順だったのではなかろうか。その敗因が機力に拠るものなのか、他の要因なのかは分からない。
 ただ、最近の平山は2節連続で派手な転覆、落水をやらかしており、そんなリズムの悪さ(または潜在的な恐怖心?)がハンドルワークに微妙に反映されている可能性は否めないだろう。

 さてさて、当欄には珍しく、ドリーム戦士=舟券の人気を背負うスター選手たちにスポットライトを当ててみた。「ネタ切れか?」と思う読者もおられるだろうが、実は「今節だからこそ」の含みもあるのですよ。昨日のTOPIC記事も踏まえつつ、簡単なフローチャートを作っておこう。

①今節は守屋美穂、田口節子、西橋奈未、高田ひかる、香川素子、中村桃佳、鎌倉涼など例年よりV候補の欠場が多い。
       ↓
②今節はさらにV候補や実力者に凡パワーが多い(小野生奈、中谷朋子、寺田千恵、宇野弥生など)
       ↓
③逆に節イチ級や上位モーターを引き当てたのは、GI優勝のない中堅選手やGI初出場の若手レーサーなどに偏った。
       ↓
④これらの流れを拾い集めると、実力的にちょっと抜けていて、機力的にもソコソコしっかりしていて、しかも初日に点増しのアドバンテージがあるドリーム戦士が圧倒的に有利!
       ↓
⑤今日の2R~7Rでの【6戦4勝2着1回】という大活躍がまさにそんな“ドリーム帝国”の象徴であり、今節の優勝者は間違いなくドリーム戦士の中から誕生する!!

 ってな趨勢をひしひし感じて、ベタなスター煽り記事を書いてるわけだ。どーだ、参ったか。
       (暗転)

 なんて偉そうな予定稿を書き終わった直後の11R、いきなり帝国軍を脅かす特大クーデターが発生した。1号艇のドリーム細川がボッコボコに叩かれ、6号艇の櫻本あゆみがアウトからズッボリの差し抜け!! さらに道中の混戦から、節イチパワーと鑑定している5号艇の廣中智紗衣24号機があれよあれよの2着入線!!

  ⑥⑤②の3連単543倍というゲリラ配当も去ることながら、このアウト革命がドリーム帝国軍に与えたダメージはでかい。なんたって、1、2着の今節の成績はこんなだから。
★櫻本あゆみ=1・2・1着(1号艇残し)
★廣中智紗衣=2・1・2着(節イチパワー)
 嗚呼、私が予定稿を書いた直後のあるあるなのだが、今日のところはこんなみっともない結末で許していただきたい。
――今節の優勝者はドリーム帝国軍の誰かしらか、はたまたドラゴンゲート櫻本や節イチパワー智紗衣を擁する革命軍か、どっちかから誕生する!
 何も言ってないに等しいですかね、はい。(photos/シギ―中尾、text/畠山)