BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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戸田ダービーTOPICS

 やはり戸田のSG水面は、他のレース場よりはるかに賑やかだ。今日も早朝からでっかい花火が何発も打ち上がった。時系列に紹介しよう。

【1R】古豪瞬殺の5コースまくり

 まずはSG初出場の吉川貴仁だ。この118期の若武者(もう31歳ではある)は私・畠山好みのまくり怪獣、とりわけ4カドで危険度がMAXに触れる猛獣なのだが、SG初陣は⑥守田俊介を受け入れて5カド選択。「これじゃあ厳しいかなぁ」なんて思ってたら、スタートはただひとりゼロ台突入のコンマ05! その利ザヤと伸び足で2度のダービーキングを絞め倒し、まんまフルスロットルでイン井上忠政まで叩き潰した。

 まくり怪獣らしい自力決着での水神祭は天晴れの一語。6R5号艇は攻めきれず4着だったが、④枠⑤枠での1・4着発進は素晴らしい門出と言っていいだろう。118期といえば宮之原輝紀、新開航、栗城匠、板橋侑我など多士済々のエリート期なのだが、遅れてきた逸材の明日からの活躍もしっかり見届けるとしよう。何はともあれSG初勝利おめでとう、鳥羽のまくり怪獣トバゴン!

【3R】10秒間の4連花火

 続いては二重三重四重の仕掛け花火。
A/まずは④深川真二がオラオラの前付けで2コース奪取。
B/内2艇の起こしが100m前後と深くなったところ、4カドのまくり屋③藤原啓史朗が怒涛の絞めまくり。
C/その攻撃をカド受け②浜田亜理沙が地元の意地で猛ブロックからの先まくり。
D/亜理沙まくりのまくりが流れたところ、藤原をマークしていた5コース⑤坪井康晴がずっぽりの差し抜け!

 SGではあまり見かけないダイナミックなこの4連仕掛け花火は、まんま246倍の特大配当を生み出した。ボートレースの醍醐味がてんこ盛りの1マークとお伝えしていいだろう。

【6R】まくり差し名人の“奇襲”

 このレースは極めてシンプルな「3コースまくり」だったのだが、打ち上げた花火職人があまりにも意外だった。おそらくは艇界随一の3コースまくり差しの名手・馬場貴也。レース前の①森高一真と③馬場の新概念データを抜粋してみよう。
①森高=まくられ率6.6%/差され率31.1%
③馬場=3コースまくり0勝/差し系統11勝(直近1年)
 森高はまくりに飛びつくタイプで差されやすく、3コースの馬場はまくられない。この両者のデータを合算したら、1マークの展開は「馬場の伝家の宝刀3コースまくり差し」しか思い浮かばないところ。

 おそらく、まくられない森高も同じ展開を想定していただろう。さらには2コース松村敏がちょいと起こし遅れたから、馬場の戦術はほぼ100%まくり差しと思ったに違いない。だがしかし、馬場の選択は過去1年で一度も決まっていない「まくり」だった。そして、その“奇襲”がものの見事にハマった。
「いやぁ、5号艇の吉川(貴仁)クンが伸びてるのが見えたんで、そのまま握っていきました。外マイで2着取れたら嬉しいなぁと思ってたんですけど、ラッキーでした」

 レース後、勝者は涼しい顔で1マークを振り返ったが、結果的に敵の思惑の裏をかいた高等戦術とも言えるだろう。いつでもどこでも誰もがチャレンジする、単なる3コースまくりなんだけど。

【7R】典型的なマーク差し

 7Rは全国のどこでも見かける2連式の花火。3コースの③中澤和志が地元の気合で握りマイを放ち、それに4カドからぴったり連動した④池永太がズッポリのマーク差しで先頭に立った。ちょっと意外だったのはその池永差しが①丸野一樹まで届いた見え方で、あの展開なら丸野5号機がインから持たせて不思議のない展開だったのだが……ひとつには丸野の足が仕上がりきっていない。ひとつには池永12号機のレース足が私の想定より格段に良かったこと。おそらく、この両方が相まって池永に軍配が上がったと思うのだが、どうか。

【8R】自力の強攻まくり差し!

 で、続く8Rも4カド選手の差しハンドルが輝いたのだが、7Rとはまるで別物の光景だった。④佐藤翼がコンマ07電撃スタートから気合パンパンの絞めまくり。軽々と3コース宮之原~2コース三浦永理を呑み込み、インから深川が伸び返すと見るや、超鋭角のまくり差しハンドルで突き抜けた。なんちゅうか、自分で火薬を詰め込んで点火して手に持って打ち上げた手筒花火みたいな、そんな唯我独尊の美しさを感じる一撃技だったなぁ

 他にも、6R①の下條雄太郎がフライングで去ったあと、②田口節子との激闘の末に逆転勝利を収めた⑤桐生順平。10Rの2コースからインの王者・松井繁をブッ差した菊地孝平などなど、ダービー初日は【イン5勝・万舟3発】という実に戸田らしい幕開けとなった。3月の戸田クラシックも66戦でイン30勝(6戦が中止)だったことを思えば、この戸田らしくてSGらしからぬインヨワ現象が明日以降も続くと思うのだが、どうだろうか。(photos/シギ―中尾、text/畠山)