前半3Rで転覆した吉川貴仁だが、明日も走ります! 今日は1便で帰宿しているが、バス出発前に声を掛けると「大きなケガにならなくてよかったです」と胸を撫で下ろしていた。心なしか元気がないようにも見えたが、リプレイを見て背筋がゾッとしたはず。選手責任かつ不良航法もとられて大減点となったから、気落ちもあるだろう。それでも、明日も走れてよかった! 明日は1号艇もあるので、切り替えて前向きに頑張ってほしい。
8R、好機を手にしていた深川真二にようやく“らしい”レースが出た! 前付けして差しというイメージかもしれないが、3コースからのぞいていけば躊躇なく握るタイプでもある。3コースまくり一撃! 内2人が機力劣勢とはいえ、スリットから出ていっての一発はまさしく快勝である。レース後は笑顔も見えてはいたが、実に淡々としていたのも深川らしい。ウィナーインタビューから戻ると記者さんたちに囲まれていて、これに淡々と応える姿がカッコ良かった!
そして9Rは峰竜太が5コースまくり差し! 佐賀支部が気持ちのいい連勝だ。そしてこれも峰らしい鋭いまくり差しでしたね。ピットに上がるともう、満面の笑み! 山田康二や上野真之介が称えるものだから、永遠に笑っているのではないかというくらい、底抜けの笑顔なのであった。ウィナーインタビューに向かう最中、忘れ物をしたとばかりにピットへとUターン。何かと思ったら、1便で帰る深川に深々とエンジン吊りのお礼をするのであった。その姿にも喜びが満ちていた。
前半も悔しそうな顔を見せていた池永太は、ここもまた同様。1号艇で敗れたのだからなおさらだ。先に回って逃げ切り態勢のはずが、黄色い矢がふところに飛んできた。呆然という雰囲気もあったし、峰と顔を合わせたときにはやや顔が引き攣ってもいた。今日は着順点にして4点ほどは取りこぼした感じなのだから、とにかく悔しい一日であった。それでも準優圏内には残っている。勝負駆けで憂さを晴らせ!
10Rは平本真之が3カドまくり一撃! 茅原悠紀がここもバナレで飛んで、2号艇だった平本はコースを奪われた格好だったが、ならばと颯爽と艇を引き、してやったりのまくり快勝。とはいえ、感情を隠さない男・平本にしては、喜びの表現は控えめだった。なかでも茅原にはかなり丁寧に頭を下げている。3カドで勝ったときの礼儀、ということだろうか。もちろん、茅原のほうはコースを獲っているわけで、これもまたボートレースの展開の綾ということ。そして、醍醐味でもある! というわけで、ウィナーインタビューに向かう際には、深い笑顔を見せてはくれました。これぞ平本。
平本の外に構えて、差して2番手に浮上していた宮地元輝は、2マークでおっつけてくる茅原を外から交わそうとして後退。その間に浜田亜理沙が2番手に浮上していたから、宮地は舟券圏内から落ちることとなってしまった。舟券を買ってくれるファンに何としても応えたいという思いが強い宮地としては、痛恨だったことだろう。レース後はどこか挙動不審にも見える雰囲気で、顔は引き攣りっぱなし。落胆も大きいようだった。とにもかくにも明日は勝負駆け。この雪辱は予選を突破することで果たしたい。
さて、ここまでオール6着と大苦戦の森高一真。ギヤケース交換を決意した模様で、10R発売中に抽選を行なっていた。ボックスから玉を引き出すと、隣で見ていた吉川元浩がニコニコ顔で鐘を「チリンチリン」。前検日に抽選を行なっていたとき、桐生順平が「いいのが出たら鐘鳴らして」と言っていたけど、本当にあったんだ、鐘! そして、吉川が鳴らしたということは、いいギヤケースが当たったのか! 「はぁ? ぜんぜんや!」と森高。だって鐘がチリンチリン鳴ったじゃない?「自分で鳴らしただけや!」。まあ、鳴らしたのは吉川でしたけどね。ゲンコーさん、面白がって鳴らしただけですか(笑)。しかし、この交換が吉と出るかも。明日は何としてもシンガリ街道脱出を!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)