BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――気合!

 1Rで高倉和士が逃げ切り! 深川真二の前付けがあって簡単なイン戦ではなかったが、S踏み込む気合を見せた。高倉はこれで得点率6・40。勝負駆け成功! このままボーダーが上がらなければ、SG初出場で初準優となりそうだ。レース後は報道陣の取材を立て続けに受けていたが、淡々と落ち着いて応えていた。明日も平常心で頑張れ!

 2Rは16点が必要な前田将太が4カドまくり一撃。後半に望みをつなぐと同時に、条件をわずかに楽にさせた。コンマ05のスタートで、レース後は競技本部に注意喚起の呼び出しを受けたりもしていたが、これまた気合のあらわれと見れば、まさに勝負駆け! 瓜生正義に称えられて笑顔も見せつつ、スタートが早かったと自覚していたか、バツの悪そうな表情も見せている。後半もスタートに気を付けて気合駆けを!

 浜田亜理沙はこのレース3着。やはり後半に望みをつないだ。2着勝負で臨む7Rは1号艇だ! オールスターに続くSG準優出も十分ありえそうだ。地元SG、この奮闘は価値が高い。それでも、前田がまくる展開だったわけで、その外発進としては3着では不満だったかも。レース後は勝負駆け続行の安堵のようなものは見えず。後半に向けてさらに気を引き締めているような様子でもある。

 3Rは上條暢嵩が逃げ切り。上條はこれでも6・00には届かず、ボーダーが下がるのを待つ状況。だからということではまったくないだろうが、レース後は表情を変えることなく、対戦相手に頭を下げて回っていた。逃げ切り勝ち後の選手には、往々にして見られる、この淡々とした様子。今節、前田と話したときに「選手は1号艇だと10点を計算するもの」という言葉があって、特にこのクラスはそういうものなんだろうと得心したものだが、だからこそ逃げ切りでテンションが上がるということはあまりない、ということか。それはともかく、今日の上條はなんとなく腹の落ち着かない一日を過ごすのかも。

 中澤和志が2着で、浜田同様、地元SG準優出の望みを残した。中澤もまた、特に表情を変えることなく、テキパキとエンジン吊り。もはやベテランの域だから、勝負駆け2回乗りの1回目の結果でどうこう、ということはないのだろう。浜田と中澤が後半をクリアすれば、地元勢は全員が予選突破!(桐生順平は無事故完走で当確ではないが、まず大丈夫なはず!)戸田ファンはしかと勝負駆けに刮目!

 というわけで、今日は勝負駆けデー。気のせいかもしれないが、普段のSG4日目よりもピリピリ感が強いように感じる。やはり年末が近づいてくれば、この勝負駆けがグランプリ争いにも影響を及ぼす。チャレンジカップ勝負駆けだったりすれば、なお意味の大きい準優勝負駆けなのだ。たとえば山田康二はチャレンジカップ出場には、今節はおそらく優出ノルマ。それを意識しているかどうか、ピットを移動するときの目つきがいつもより力強く感じるのである。まあ、4Rのバナレ飛びからのイン奪取がそうした気合を反映したとは言い切れないけれども。この逃げ切りで準優は当確。明日はさらに気合の表情を見せてくれるかも。

 もはやグランプリ当確と言っていい西山貴浩も、5R1号艇で1着勝負駆けとあっては、気合が高まっている。ピット内での掲示板に貼り出されるレース結果をチェックしていると、同じ板に貼られているスタート特訓のスリット写真を確認しに西山があらわれた。「クロさん、おはようございます!」と力強く挨拶してくるのはいつも通り。そこからなんだかんだと会話が始まるのが常だったりするが、西山はそれから一言も発することなくスリット写真を見つめ続けた。戦闘モードに入っているのだ。こちらも声をかけずにその場を離れたが、闘志を漂わせる西山に痺れました!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)