7R、浜田亜理沙は池田浩二のツケマイを浴びて2着。ピットに戻ってきての引き攣った顔つきは、やはり1号艇で勝ち切れなかったことに対してであろう。それでも2着に残して、得点率は6・00。本来なら勝負駆け成功と言いたいところである。しかし、浜田は1着がないため、この時点で6人に増えていた6・00勢のなかでは最下位なのであった。それを把握していたかどうかは定かではないが、とにかく表情冴えないレース後だったのである。
9Rでは白井英治が2着。3着条件で臨んだこのレース、バックでは4番手とピンチの局面を、2マーク渾身の2番手先マイで一気に逆転。勝負駆けを成功させたのだった。しかし、帰還した白井の表情はとにかく険しかった。眉間にシワを寄せ、鋭い目つきが収まらない。ノルマをクリアした後の様子とはとても思えなかったのだ。気合で2番手を獲り切ったものの、1マークでの足色はやはり不満が残るものということか。勝負駆けを成功させたといっても、だからこそ視線は先を見据えているということかもしれない。
可能性はわずかだったが、1位通過の目も残っていた菊地孝平はまさかの大敗。1周バックでは2番手争いだっただけに、道中でのキャビり失速が痛かった。さすがに悔しそうなレース後の菊地、ボートの底を覗き込む場面も。モーターだけでなく、ボートにも違和感があったのだろうか。これで順位を下げることになってしまったことも痛恨で、悔いの残る一戦となってしまった。
10Rは、勝てばトップ通過の可能性が高まる毒島誠が、差し漏れて2着。この時点でまだトップの可能性はあったが(12Rの峰竜太が3着以下なら)、やはり勝っておきたかった一戦での2着は、毒島の顔をやや曇らせていた。1マークでの差しは失敗と見えたが、そこから前に押す足は悪くなかったと思うのだが……。
一方、逃げた濱野谷憲吾は勝負駆け成功! 予選前半は大きな着もあったが、3日目から一気に巻き返してみせた。ただ、ピットに戻ってきた濱野谷は、エンジン吊りに集まった後輩たちになぜか首を傾げてみせていた。モーターにもたれかかるような仕草で、どこか不満を表明している雰囲気なのだ。もっとも、逆に言えば上積みする余地がある? 明日も朝から調整に没頭することだろう。
前田将太も3着で勝負駆け成功。ただ、これまた不満気味のレース後で、「今のは2着が欲しかった」と周囲にこぼしている。必要条件の3着で良しとせず、コーナーで勝負に出る場面もあっただけに、ひとつでも上の予選順位を狙っていたのは明らか。やはり準優は少しでも内枠が欲しいですよね。
11Rは2着勝負だった深川真二がまさかの大敗。レース後の深川はサバサバと、対戦相手と礼を交わしていたが、内面がサバサバしていたとは限らない。足は良くなってきていただけに、予選前半が悔やまれるところか。
そして、3着で6・33、4着で6・00だった羽野直也が5着に大敗してしまった。そう、準優圏内から零れ落ちてしまったのである。レース後の羽野はとにかく足取りが重く、ふらついているように見える瞬間もあった。今節はここまで着をまとめて粘っていただけに、最後の最後に大きな着を取ってしまった無念さが、ひしひしと伝わってきたのであった。
12R、桐生順平が逃げ切って、トップ争い注目の峰竜太は2着。トップ確定! そのとき毒島は、というと……すでに帰宿してしまっておりました。峰は状況を把握していたのだろう、「ヒューッ!」とか奇声をあげたりして喜んでいた。定松勇樹もニコニコで、古賀繁輝の問いかけに峰は笑顔連発で応えている。桐生がウィナーインタビューもあるため速攻でピットから消えていたので、そこでの注目はもっぱら峰に集まっているのであった。
逆転18位圏内の可能性があったのは新田雄史と坪井康晴だったが、新田は大敗、坪井は峰と2番手争いを演じるも3着だった。二人とも特に表情を変えることなく、テキパキとエンジン吊りをこなしていた。
これで18位に残ったのは西山貴浩! そして19位は同支部同期の池永太。盟友が明暗を分かつという……。それが決まった瞬間の二人は、というと……11R終了後に仲良くバスに乗り込んで帰宿してしまっていました。西山は池永の分も頑張れ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)