鬼足
11R
①平本真之(愛知)08
②宮地元輝(佐賀)12
③関 浩哉(群馬)12
④河合佑樹(静岡)14
⑤佐藤 翼(埼玉)14
⑥瓜生正義(福岡)14

宣言どおりに瓜生が動かず、穏やかな枠なり3対3。スリットもほぼ横一線となれば、住之江の水面も込み込みでイン平本の優位は動かない。しっかり1マークを先制して、まずはバック直線で1着艇がほぼほぼ決まった。短期決戦だけに、次なるステージへ大きな大きな14ポイントGETだ。

特筆すべきは、2コース宮地の戦術だ。スリットからじんわり下がった宮地は正攻法の差しではなく、包まれながらの握りマイを選択した。宮地のジカまくりはちょいちょい見られるのだが、今日のそれは「守りのツケマイ」だったかも知れない。難敵・関の行き足が素晴らしく、一気のまくり差しを喰らう危険があったから。

で、その作戦は功を奏したはずだ。3コースから強気で握るつもりだった関は、宮地に前を遮断される形でワンテンポ遅れて差しに転換。同時に外艇の攻撃も頓挫している間に、宮地はセイフティと呼ぶべき2番手を確保した。劣勢の行き足で大敗もありえる展開だったから、殊勲の立ち回りと言いきっていいだろう。

だがしかし……1-2で間違いなしと思える隊形から、ちょっとありえない異分子が現れる。関73号機の鬼足! 1マークで完全に後手を踏んだ関は、バック4番手から2マークの小回り差し~2周1マークの全速でぶん回しで、あっという間に宮地の背後に取りついた。その差はまだ2艇身ほどあったが、現場で観ていたファンなら感じたはずだ。

これって、逆転するかも!!??
私もそんな予感をビンビン感じたものだが、2周2マークでそれは現実となった。関の有無をも言わせぬ全速マイで大逆転……関のスピードは艇界屈指と鑑定しているが、今日の2周の逆転劇はスピードよりも機力。残酷なまでのパワー差を感じる入れ替わりだった。

宮地を軽々と抜き去った関は、そのまま先頭の平本にもぐんぐんにじり寄った。私がここで力説するまでもなく、ほとんどのファンが同じことを思っただろう。
今年の関は、初日に1号艇だった去年よりはるかに怖い、と。
似て非なるもの
12R
①菊地孝平(静岡)02!
②土屋智則(群馬)06
③定松勇樹(佐賀)07
④松井 繁(大阪)08
⑤西山貴浩(福岡)10
⑥上條暢嵩(大阪)14

昨日の特訓から鬼気迫るスタートを見せていた菊地が、本番ではさらなるキワまで突っ込んだ。コンマ02!! 外の3艇もゼロ台まで踏み込んだが、菊地のコース&時計差のアドバンテージには叶わない。11R同様、1マークをくるり先制して14点GETを決め込んだ。2ndステージ進出へ、限りなく当確に近いイン逃げ圧勝。

そして、1マークの攻防も11Rと見分けがつかないほど酷似したものとなった。2コース土屋が差しではなく握りマイを選択。3コースから握ろうとした定松が否応なしにワンテンポ遅れての差しを選択。その駆け引きでダッシュ勢の攻めも遅れ、2コース土屋が圧倒的らに有利な2番手キープ。

当然、その後の隊形も11Rとよく似た順列になったのだが、ひとつだけ極端に違った
のが2番手のレース足だ。道中で頼りなかった宮地のそれに比べて、土屋の出足、回り足は私が予想したよりはるかに強力だった。定松や松井が必死のパッチで追いかけても、その差はまったく詰まらない。後続の競り合いが熾烈だったせいもあるのだが、それにしても11Rの宮地とは雲泥の足色だった。

うーーん、昨日のモーター抽選は「中間整備WARS」のような趣があって、中間整備モーターを引けなかった土屋&西山の97期コンビは揃って浮かない顔だったはずだ。結局、西山はピストン、リング、キャリアボデーにキャブレターまで換えて、見せ場のない6着に敗れた。一方の土屋は大きな部品交換などに着手せず、確かな足取りで2着を取りきった。この差は、なんだったのか……。

さらに後方では、定松vs松井の3着争いもまさに死闘。定松がスピード任せのターンで突き離せば、松井が百戦錬磨の捌きで追いすがり追いつく。その繰り返しの果て、松井が力尽きて5着まで後退したが、32歳差のデッドヒートは私の錆びれた心を震わせるほどのド迫力だった。ざっくりパワー比較をするなら、松井66号機のレース足がわずかに優勢だった気がするのだが、どうだろうか。(photos/シギ―中尾、text/畠山)
