BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

優勝戦 私的回顧

4日連続1号艇V

12R決勝戦
①茅原悠紀(岡山)16
②前田将太(福岡)19
③白井英治(山口)27
④馬場貴也(滋賀)29
⑤上條暢嵩(大阪)20
⑥寺田 祥(山口)20

 茅原がワンツースリーフォーの連打を浴びせ、ワンサイドの試合内容でKO勝ちを浴びせた。
 レースを振り返ろう。ピットアウトの瞬間、とこなめの大観衆を沸かせたのは上條のバナレ飛びだ。その大半は驚きの声だったはずだが、私はちょっと別の意味で驚いていた。

「明日の上條、バナレで飛ぶと思うんですよ」
 昨日の夜、ホテルの部屋呑みの席でSスポーツのK出記者が語った“妄想”を思い出したのだ。K出記者はこう続けた。
「スタ展では隠して、本番だけ、ずどーーんって。最近の上條って、たまぁに飛ぶことがあるし、ほら、グランプリのトライアル最終戦で茅原に食らったじゃないですか」
 ああ、と思い出す。1カ月前の大事な大事なトライアル最終戦、5号艇の上條は大外・茅原のバナレ飛びを浴びて6コースに押し出された。水も大量にもらったはずだ。
「だから明日は、同じ5号艇からリベンジするんです。茅原までは届かないとしても、あの鬱憤を晴らすんです。あくまで、僕の妄想ですけど、ね」

 そして、上條はずどーーん飛んだ。すぐに馬場を抜き去り、ごり押しすれば3コースあたりを狙える飛び方だったが、そこで緩める。コースだけをぶん獲る作戦ではなかったか。馬場が大回りで4コースを奪い返し、結局最終隊形は枠なりで収まった。ただ、スロー4艇が横並びの1234/56だから、5カド上條のパンチ力が倍増した枠なりでもあった。

 大時計の12秒針が回って、上條が次なる継続手を繰り出した。スリットで凹んだ馬場を横目に、ダッシュの利も込み込みで1艇身近い突出!
 このまま絞めちゃう!!??
 私の目にはギリギリ絞めまくりが可能な突出に見えたが、上條はここも自重する。馬場の伸び返しを警戒したか、馬場を叩いたあとの混雑ぶりを見てとったか、ハナから目指すべき作戦が違ったか。

 そして1マーク……ファンを沸かせた上條のバナレ飛び5カド奪取&出し抜きSは、優勝にはつながらなかった。満を持して発進しようとした瞬間、内からは馬場のブロック、外からは寺田の強ツケマイをいっぺんに浴びて万事休した。大差の6着。結果的には待ちすぎだったか。勝ち負けはともかく、さらなる継続手として5カドから自力で攻めたてるシーンは見てみたかった。

 上條のことばかり書いてしまったが、ここから先は茅原の独壇場。3コースまくりの白井、6コースまくり差しの寺田、長州の侍コンビの猛攻を、ハナで笑うような豪快インモンキーでぶっちぎった。2度に渡って「まくり大怪獣ガースー」を蹴散らした自信が、その後ろ姿にみなぎっていた(笑)。

 タイトル通り、トーナメント戦は4日連続で1号艇!! 「なんて不公平な?」と愚痴るファンもありそうだが、こんな極端な偏りがこの大会ならではのユニークな特徴でもある。言葉を換えると「強いレーサーが日々強いレースで最強の枠を勝ち取り続けた」わけで、最後のあみだマシーンの抽選運も含めて、今節の茅原は勝つべくして勝ったという印象が強い。

 そうそう、今節の茅原はイン圧勝ばかりだったから、最後まで相棒37号機の正味のパワーを鑑定しきれなかった。一人旅だった今日も、勝ちタイムは12レース中2番目の遅さだった。
「いろいろ試して、最後の最後に良い調整ができました!」
 本人が胸を張ったからその通りなのだろうが、私の内心には「この大会の主役って、他のビッグレースよりパワー評価が難解だぞ」という思いが残ったことを告白しておこう。

 何はともあれ、4日連続の1号艇V、おめでとう。1年の計が元旦とするなら、2025年ビッグレースの計はこの大会かも。MVP茅原の今年の活躍と、陰のMVP上條の大躍進は間違いなし、と予言しておこう。
   ★   ★   ★
 はい、最後に恒例のひとりごとをつぶやいておきましょ。2025年とこなめBBCトーナメントは予想よりインが弱かったかも。全48レースのイン成績と万舟データは

インコース31勝=1着率65%
万舟11発=23%

 2日目にイン11勝の固め打ちがあったが、他の3日は6、7勝程度と例年より弱体化。なんでなん?と聞かれれば、その原因はソコソコはっきりしている。
 チルトサンダー菅章哉とチルトニダー中澤和志がいたから!
 このふたりが伸びに伸びまくって人気のイン選手を叩き潰した。ふたり合わせて4~6コースから6勝!!!!!! シンプルにこの6勝をイン勝ちに置き換えたらイン37勝=1着率77%だからして、このふたりの存在がメチャクチャ大きかったと言えるだろう。
 それから、ちょっとしたTOPICとしては「10万舟が2発も飛び出した」。偶然レベルの数字ではあるが、「この大会はインコースのみならず①~③の内枠がバカ強い」という全国ファンの固定観念が、外枠1着のオッズを跳ね上げた可能性もありそうだ。来年以降も一攫千金のチャンスを胸に秘めておきたい。

 さてさて、この大会の華であるトーナメント(1回戦~決勝戦まで全15戦)の結果もまとめておこう。

★全6回のトーナメント集計

1回戦=1号艇34勝/48R 1着率71%
 他の1着=②8回③1回④4回⑤1回
準々決=1号艇21勝/24R 1着率88%!
 他の1着=②2回③1回
準決勝=1号艇8勝/12R 1着率67%
 他の1着=②1回③1回④1回⑤1回
決勝戦=1号艇5勝/6R 1着率83%
 他の1着=③1回
 ――――――――――――――――
トータル1号艇68勝/90R 1着率76%
他の1着=②11回③4回④5回⑤2回
※1~3号艇の1着率92%!

 前出、菅や中澤の暗躍でトータル1着率こそ83%→76%に下落したが、それでも「インがバカ強いイベント」であることは間違いないところ。来年の尼崎大会でも、闇雲に④⑤⑥アタマを狙う愚行を避けつつ、地道に戦うとしよう。こっそり10万舟狙いの地雷を植え込みつつ……。(photos/シギ―中尾、text/畠山)