BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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ガースー、どうする!?の前検ピットから

 注目は何と言っても、12R1号艇の菅章哉であろう。枠番抽選で、あろうことか(と言ったら失礼だが)1号艇を引いた。2~6号艇でもかまわない男が、である。「ざわついてましたね」と菅も苦笑いを浮かべるほど、多くの人が「白かーいっ!」と心のなかで突っ込んだのではあるまいか。
 1号艇でもチルトを跳ねて大外に向かう。菅はそんな芸当もやってのける。ファン投票で選出されるSGボートレースオールスターで、菅はそうした。ならば「ファン感謝3Days」である今節も、やはり外からのレースとなるのか。

 ただ、同じレースには下出卓矢がいるのである。下出もまた跳ねて外から行くスタイルを持っているから、5号艇ならそうする可能性が高い。菅が外に出るとして、どんな並びになるのだ!? そうなると、菅と下出(2人の内外はともかく)をマークする選手も出てくるかもしれない。うーむ、これは進入から目が離せない!
 というわけで、結論。「基本はインから行くつもりです」と菅。跳ねて外に出る、とはならない公算が高いということだ。もっとも、これもまた菅のスタイル。1号艇ならチルト0度でイン(2号艇なら2コースというケースも多い)、外枠なら跳ねてアウトから。これが基本の戦い方と言ってもいいだろう。なにしろ、菅1号艇のレースはメインカードに組まれたのである。その誇りを胸に、まずはインから勝ち上がるというのが目論み。

 もっとも、前半3Rの一般戦で菅は6号艇に組まれた。こちらはチルト3度でアウトから、ということである。「だから、ここでよほどの仕上がりになったのなら、12Rはもういちど考えます」とのこと。まずは3Rの菅に注目! なお、前検タイムは6秒91と、まさかのワーストという“大異変”だったのだが、今日は調整を失敗していたとのこと。その後もペラを叩いていたし、朝から今日の失敗をふまえて調整をしていくことになるだろう。今日のタイムは参考外でいいはずだ。

 もうひとり、注目したいのは松田祐季だ。細川裕子の当日欠場により急遽、追加あっせんが入った。地元福井支部とはいえ、午前中に参戦を打診されてすぐさま三国に駆けつけられるというわけではない。試運転開始の時刻にはすでにモーターを装着していたのはさすがだが、かなりドタバタでやって来たことは間違いない。
「追加らしく頑張ります」と笑った松田だが、いやいや、あなたが引いた(というか、最後に残っていた)43号機は8月に周年記念を優勝したモーターですってば! 追加うんぬん関係なく、優勝を充分狙える相棒なのだ。ただし、最後に引くことになった枠番抽選、残っていたのは6号艇だった。こちらは残り物に緑カポックだったわけである。これには松田も笑ってました。なお、43号機は「チルトが跳ねてあって、伸び型になってる。これをどうするかは考えてみます」とのこと。前節の松井洪弥が優勝戦で0・5度に跳ねてるんですね。もともとなかったあっせん、失うものはないと考えれば、伸び型で一発狙うパターンもあるかも!?

 エース機を引いた佐々木康幸は、ピットで大きな注目を集めていた。唯一の2連対率50%オーバー機となれば、やはり報道陣は動向が気になるところだろう。もはやベテランの佐々木だけに、そうした状況にまったく動じておらず、穏やかに対応していたあたりはさすが。ただ、前検の手応えはそこまで図抜けたものではなかったようで、やや微妙な表情にはなっていたのだった。まあ、前検で「エース機とは思えない」なんてコメントが出るのは日常茶飯事。むしろ、そういうものだ、というくらいに捉えておけばいいのではないか。初日はまず4Rの一般戦に登場。どんな仕上げになっているか、ここでしっかりチェックしたい。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)