伏兵の勢い、止まず。
9R
①吉村 誠(静岡)02
②下寺秀和(広島)18
③長嶋万記(静岡)21
④小林孝彰(福井)15
⑤白神 優(山口)12
⑥藤田浩人(佐賀)15

昨日の1回戦8Rに続いて、105期のダークホースA2吉村がしっかり逃げきった。スタートを唯我独尊で張り込み、2コース下寺らに影をも踏ませぬ完勝。この逃げ逃げ連勝の最大の要因は「枠番抽選運」かも知れないが、「スタート勝負に行った、入っていたのはラッキーでした」(レース後)と言いきる度胸と冷静的確なインモンキーも大きな勝因としていいだろう。

今節は100期台のダークホースがやたらと暗躍している?
昨日の当欄で書いた事例が、まずはセミファイナル1戦でも継承されたと見ていいだろうか。この勢いで11R①の嶋義信(103期)、12R①中嶋健一郎(105期)、③加藤政彦(106期)、⑤植田太一(109期)が勝ち上がるようなら、まさに明日のファイナルは「100期台フェスティバル」の様相を呈することになる。リアルタイムで書きつつ、そんな偏ったファイナリストになるのかどうか、大いに注目するとしよう。

2着は混戦から力強いレース足で抜け出した下寺。前半4Rは「まずまず、中堅上位くらい」と見ていたらば、このレースでは一変の手応え。まずは道中のストレート足が4Rより抜けて仕上がってたし、ターン回りもしっかり水を掴んでいた。さすが三島敬一郎九席の底力。1回戦3着⇒セミ2着でのファイナル5号艇は難しいかもだが、明日はどんな番組に入っても舟券に絡めたい鬼足(出A・直A+あたり)だった。
殲滅ツケマイ
10R
①宮崎 奨(香川)09
②大野芳顕(福岡)12
③西橋奈未(福井)13
④中島孝平(福井)19
⑤吉田俊彦(兵庫)18
⑥金田智博(福井)21

地元の有力なV候補・奈未が、有無をも言わさぬ強ツケマイで突き抜けた。手前みそだが、ほぼほぼ脳内レースどおりの展開(ファンの誰もが一度は思い描いた展開ですけどね)。
内3艇のスリットは見た目にほぼほぼ横一線。宮崎も大野もなまじ行き足が良いから、3コース奈未は目立たない。イン宮崎が外を牽制しながら初動を入れたときには、西橋は見えないところからより鋭角な弧を描いて宮崎に襲い掛かっていた。

それにしても、なんとエゲツない強ツケマイ。宮崎が気づいた時には遅かった、なのか、警戒していたけど何もできなかった、なのか。西橋の初動の早さ、ターンの速さもエグかったし、その背中を後押しした24号機の回り足も凄まじかった。

「デビューしてから、いちばん凄い小回りだったかも」
昨日の黒須田のインタビューに上気しながら微笑んでいたが、今日のサイドの掛かりも節イチ級と断言していいだろう。この「北陸の紅い女狼」が①~④のどれを引き当てるか。12R後のアミダ抽選が待ち遠しいが、現状の足色なら何号艇でも勝ち負けに持ち込めるのではなかろうか。

2着は4カドから奈未まくりに連動しつつ、道中の冷静な捌きで悠々の2番手を取りきった中島。もちろん、アタマだけを狙ったはずだが、西橋にあれだけ完璧なレースをされては仕方なし。1回戦2着⇒セミ2着で、とりあえず9R2着の下寺に引導を渡してラスト2個レースを待つ身となった。
伏兵フェスタ
11R
①嶋 義信(香川) 11
②古賀繁輝(佐賀) 16
③西村拓也(大阪) 24
④宇佐美淳(愛知) 28
⑤菅 章哉(徳島) 32
⑥藤原啓史朗(岡山)44

スタートまで、大半のファンの視線はダッシュ勢に向けられたことだろう。スタート展示では藤原がコースを優先して123/465。いざ本番は、菅がコース主張したのか藤原がマークしたのか、微妙な見え方ではあったが、123/456の枠なりに収まった。
行けるのか、ガースー!?
心の中で叫んだのは、私だけじゃないだろう。6コースより5コースの期待値がアップするのは物理学の常識。スタートさえ五分なら自身の一撃まくりはもちろん、私の◎藤原のズッポリマーク差しだって十二分にありえるはずだ。スタートが五分なら……。
目下F1、暮れに賞金王を控えているガースーはやはり躊躇した。コンマ32。マーク藤原に至ってはコンマ44のドカ遅れ。結果論として、スタ展と入れ替わったのがそれぞれのスタート勘をとことん狂わせたのだろう。典型的なボートレースあるある。

こりゃあかん。
そそくさと視線をインサイドに開いてみたらば、103期のダークホース嶋がそそくさと逃げきっていた。9Rの吉村同様、1回戦に続く文句なしのイン逃げで堂々のファイナル確定!

「いやぁ、しんどかった。まさか僕のイン戦で、そこまでしなくても……」
レース後のインタビュー、嶋クンの口から真っ先に漏れたのは愚痴だった。抽選のイタズラとはいえ、僕のイン戦にまさか破壊王ガースーがいるとは……w

結果的にカッチリ逃げきり、ガースー目当ての全国ファンの耳目を集めたのだから、いろんな意味ででっかい1勝ともいえるだろう。3度目の枠番抽選まであとわずか。この嶋か、吉村か。100期台のダークホースがみたび白いカポックをGETするのだろうか。
2着は混戦を捌いた古賀。昨日の1回戦は中島と同じ2着だったが、優先順位の差で中島に及ばず落選となった。
そしてWスターが残った。
12R 並び順
①中嶋健一郎(三重)10
②菊地孝平(静岡) 12
④渡辺浩司(福岡) 18
⑥松尾 拓(三重) 22
③加藤政彦(東京) 26
⑤植田太一(福岡) 31

進入は加藤がバナレで凹んだため、おしくらまんじゅう状態からイビツな最終隊形ができあがった。12463/5。内の2艇以外は想定外だったはずで、その逡巡がタイミングに反映される。私が期待した植田も、単騎ガマシからスタート勘を逸してドカ遅れ。これをもって、内コース有利なレースが約束されたと言っていいだろう。

中嶋が逃げて菊地が差して、菊地の舳先がちょこっと食い込んでいる。舳先を抜けきれば中嶋、舳先をぶっ刺せば菊地。昨日のパワー比較なら中嶋が抜け出して不思議じゃないのだが、舳先は食い込んだまま。逆にじわりじわり、その舳先が中嶋の心臓部にえぐり込み、2マークの先マイで菊地のファイナル①~④と中島孝平の⑤がほぼほぼ約束された。

「昨日はひどかったけど、今日の調整でだいぶ良くなったんで、ちょっと期待はしてました」
レース後、SG常連の菊地は淡々と振り返った。確かに、あの舳先の攻防はわずかに菊地が上回っており、それはおそらく今日のパワー調整の差だったのだろう。同期の吉村とともにファイナル入りしたかったジマケンにとっては悔しい2着。スタート展示ではピット離れも一息だったし、急上昇した気温に対応しきれなかったのかも?

レース後、スーパーあみだマシンによる枠番抽選で、明日のファイナル6PITが確定した。
12Rファイナル
①吉村 誠(静岡)
②嶋 義信(香川)
③西橋奈未(福井)
④菊地孝平(静岡)
⑤中島孝平(福井)
⑥松田祐季(福井)
ぱっと見、地元の福井vs静岡の地域対抗バトル!? 抽選結果を見る限り、やはり100期台のA2ダークホースの強運は引き継がれていそうだ。10Rで節イチ凄まじい勝ちっぷりを見せた西橋は、明日も同じ枠から勝負ができる。菊地は1回戦4着の繰り上がりから、通常ではありえない4枠を得た。抜群の安定感で5号艇に潜り込んだ地元のエース中島は、同じ名前の強力な“馬”を携えた。そして、同じく地元の松田は43号機という大型爆弾とともに大外枠に蘇った。
スーパー短期決戦の勢いか、最後は実績か、地元水面の利か、エースパワーの逆襲か……それぞれに強みを持った6人が適材適所に散らばり、舟券的にも妙味たっぷりの番組ができ上がった。(photos/チャーリー池上、text/畠山)