
原田幸哉、バースデーウィン! そこまで珍しいことではないが、しかしこれが6号艇での勝利なのだから価値が高い。しかも、勝負駆けも成功! 誕生日に緑カポックとは……と思わないでもないわけだが、しかしだからこそこの勝利はビッグウィンとなったとも言える。それにしても、原田幸哉が50歳か……。
この勝利の意味を選手たちはもちろんわかっているから、出迎えた面々の笑顔が弾けていた。西山貴浩は思い切り手を打ち鳴らして原田を煽る煽る。それに応えて原田は、大袈裟にガッツポーズ! そうして原田を囲んだ面々は、さらに笑顔を深くしたのであった。昨日の柴田光の勝利に続く、実におめでたく温かい空気! 原田幸哉、今日は本当におめでとう!

というわけで、今日は勝負駆けである。原田は首尾よくクリアしたが、1号艇だった中田竜太は2走18点という条件で、1号艇のここは後半につなげられるかどうかの大事な戦いだったが、4着に敗れてしまった。事実上の終戦である。

エンジン吊りを終えると、江口晃生とともにスリット写真をじっと見つめる。江口は、すでにエンジン吊りの際にも頭を下げていたわけだが、ここでも「ごめんね」と一言。そう、江口の前付けという厳しいイン戦。しかも、原田までもがコースを動いていたから、簡単な1号艇ではなかった。もちろん、それを覚悟のうえでのイン戦。力ない表情ではあったが、中田もまた江口に「すみません」と返している。これがレース後の、選手たちの挨拶だ。

関浩哉にとっては、不運な勝負駆けとなってしまった。5カドになった藤原啓史朗が果敢に攻めたが転覆。6コースから差そうとしていた関は、ハンドルを逆に切り事故を回避。レースに参加することができなかった。ただしこれはファインプレー! そのまま旋回しようとしていたら大きな事故になっていた可能性もあるから、安全を優先した関を称えるべきだ。選手間にもそうした感覚はあって、西山貴浩が関を気遣うシーンも見られた。とはいえ、そのときは笑顔を返していた関も、控室に戻る際には表情がカタくなっていた。ドリーム選出のダービー、今日は2走16点が必要だったからこの5着で準優行きはほぼ絶望的となってしまった。そのことを思えば、やはり落胆はあったことだろう。

原田を煽ったり関を気遣ったりと忙しかった(?)西山貴浩も、1Rで勝負駆けを失敗してしまっている。西山は1着2着条件で、1Rは5着。やはり準優行きは絶望的となってしまった。レース後はやはり悔しさをあらわにしており、控室に戻る際には少し前を歩いていた峰竜太を呼び止めて、機力的な部分の相談なのか愚痴なのか、話しかけていた。峰は西山を気遣うかのように表情を曇らせて、西山の言葉に耳を傾けていた。西山の胸中は峰も痛いほどわかっていただろう。

1Rでは海野康志郎も西山と同条件で6着大敗。6号艇で前付けに動いたものの、5コースまでしか入れず、見せ場も作れなかった。海野の今日の体重は52・5kg。やはりさらにもうひと絞りして、52kg台に突入していた。明らかに頬がこけていた。夏から彼の鬼気迫るような減量を目の当たりにしてきて、なんとかダービーで結果を出して、その努力が報われれば、と願ってきたのだが、残念ながら海野の蒼ざめた表情を見ることになってしまった。今日の後半8R、そして残り2日、少しでもいい結果が出るように祈りたい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)