モンスターvsエース
12R優勝戦
①高憧四季(大阪)07
②中島 航(東京)F+02
③勝浦真帆(岡山)03
④仲 航太(東京)01
⑤今井美亜(福井)06
⑥濱野斗馬(香川)15

日中コロコロ変わった風の悪戯か、選手の勝ちたい思いに団体戦のオプション気合が加算されたのか、最終バトルは凄絶なスリット電撃戦となった。
とりわけキワまで踏み込んだのが、白組ルーキーズ団長の中島だ。踏み込みすぎて臨界点まで突破し、やってはならないフライング欠場! もちろん、デビュー初Vに燃える個人的な思いが最大の要因だろう。

無双モードに突入した同期の四季を攻め潰して優勝するには、スタート勝負のツケマイっきゃない!
そんな覚悟で臨んだことだろう。そこに、白組団長の責任感が何パーセントかは紛れ込んだか。折しも、11Rまでの団体ポイントは28-28のイーブンだった。こういう大接戦の数字は、とりわけ男子の勝負根性に火をつけやすい。
四季を引き波に沈めれば、俺たち白組の優勝にもグッと近づく!
そのふたつめの思いが、コンマ02の分だけ背中を押したのではなかろうか。そのあたりの心情はなんとなく分かるし、わずかな同情すら覚えるのだが、たまったもんじゃないのはFのトバッチリをモロに浴びた同期の四季だ(四季のアタマ舟券を買っているファンも)。

中島は不退転の覚悟のまま、コンマ07という絶品スタートの四季をジカでまくった。ボートレースあるあるの同期競りだが、今日のこれはもはや同期競りとは呼べない。中島はFを切った時点で“欠場選手”。四季からすれば、ゾンビになった同期に脳みそを食われるような理不尽な惨事だった。

そして、そんな124期の惨劇の合間に、ズッポシ差し抜けたのが3コースの勝浦だ。いわゆるマーク差しで、私の体感温度では「②ジカまくりの③マーク差し」がもっとも決まりやすいと思っている。ジカでまくられた①のダメージがでかいから。

今日もそのパターンで勝浦73号機のワンサイド圧勝かと見ていたら、そうではなかった。同期ゾンビに喰われた四季が、ゾンビになって勝浦に襲い掛かった。そんなありえない勢いで、勝浦の後方に食らいついた。

2マークがまたヤバイ。ただ食らいついただけでなく、四季は猛烈なハンドルワークで鋭角差しをブッ込んだ。今節、何度か目撃した大逆転のスピード差し。これが並の相手、たとえば体重の重いルーキーだったりしたら、またしても一撃で逆転優勝をさらっただろう。

だがしかし! 今日の相手はエースと呼ばれ続けた73号機だ。勝浦がくるり回ると相棒の出足が唸り、スッと引き離したように見えた。ケリをつけたか。思ったのも束の間、今大会のケタチの節イチ52号機がまたじわり背後から食らいつく。その勢いは明らかに上。

マジでゾンビや!
勝浦も背筋がゾッとしたことだろう。このままでは内から突き抜けられる、とみた勝浦はやや強引に絞め込んで、なんとかマウントの態勢をキープした。その後はじんわり差が開いていったが、道中の足色は四季52号機がかなり優勢だったと思う。節イチ52号機vs節ニ73号機の最終決戦は、ゾンビに遭遇した52号機が余計な足を使って敗れた、という感想でいいだろうか。

勝浦×多摩川73号機は5カ月前の6月6日に4カドまくりで優勝しているから、このコンビで2連続Vの快挙。もちろん、機力を授かっての優勝ともいえるが、去年の10月に初優勝を遂げてからの充実ぶり、レース内容の進化ぶりは驚くばかり。今節は四季52号ばかりがド派手なパフォーマンスを見せ続けたが、勝浦の成長力があればこそのデビュー通算5度目の優勝、とお伝えしたい。

さて……11Rまでまったくの互角だった団体戦は、中島団長がFを犯した時点で大勢が決した。いつものように6着争いまでの脳内計算をすることもなく、私はただただふたりの女傑の対決を眺めつづけていた。(photos/チャーリー池上、text/畠山)
☆団体戦の総合ポイント
紅組40-28白組
