BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――痺れる一日

 GⅡは勝負駆け。昨日の時点でのボーダーなら連勝条件の勝浦真帆が1R1着で後半に望みをつないだ。吉田拡郎に声を掛けられた勝浦はニッコリ! 後半は6号艇と枠は遠いが、可能性がある以上は全力投球だ。

 いや、ボーダーは下がるかも!? なにしろ昨日の時点で首位だった平高奈菜も、無事故完走で当確とはいかない状況。そしてその平高は、2マークで大きく振り込んで失速。転覆等は免れたものの、大差のシンガリ負けを喫してしまったのである。昨日のボーダーなら3着6着条件で、すなわち後半は3着条件と一気に条件が厳しくなった。ピットに戻って来た平高は存外明るく、対戦相手に申し訳なさそうに頭を下げていたが、決して深刻な様子ではなかった。身体的には問題なさそうで、それは何よりである。

 また、昨日の段階では得点率6位で2着3着条件の清埜翔子が大外枠を克服できずに5着大敗。これで1R終了後の得点率6位は6・20と一気に数字が下がっているのである。ということは、ボーダーがこのままなら清埜もまた後半に望みはつながっている。勝負駆けは一気に混戦の様相が深まってきた。

 SGは準優。整備室には茅原悠紀、池田浩二、西山貴浩、馬場貴也と、内枠を走る選手たちのボートがずらり並んでいた。それぞれ大きな整備が必要とは思えなかったが、茅原が本体を割って整備を行なっている姿は見かけている。昨日の時点で賞金ランクトップに立った茅原。この地位を守るべく、優出そして優勝戦での上位を狙うのなら、機力にパンチをつける必要があるということか。

 西山と馬場は1R発売中には整備室を出ており、点検またはギヤケースなど外回りの調整だった可能性もある。ギヤケース調整をする選手もボートごと持ち込むケースもあるからだ。西山は2Rを勝った塩田北斗をからかって笑わせたり、馬場は毒島誠と談笑に興じるなど、リラックスムード。少なくとも機力に不安があって焦っているような雰囲気は微塵もなかった。

 そう、毒島誠も実に雰囲気が柔らかい。逆転グランプリにはほぼ優勝条件、まずは優出が必須となるわけだが、そうした気負いはいっさい見えないのだった。ある程度達観しているということ? そんな様子が逆に力強いオーラをまとっているようにも見えて、それがこの人のトップたる所以なのだろう。

 丸野一樹は、「今日が勝負の日」と力が入っている。賞金ランク18位。そのすぐ上に位置する中島孝平、関浩哉も準優出しており、彼らを超えるには優出を果たしたいところ。19位以下の選手が複数優出したとするなら、自分も優勝戦にいなければ相当に寒い状況になるから、その意味でも丸野は「特別選抜戦でも……」などとはいっさい考えていない。そして「痺れる状況を味わえるのが醍醐味ですよね」とカタくなるどころか意を強くしているのである。その意気や良し、であろう。丸野はグランプリに過去2回出場し、優勝戦転覆、トライアル2ndフライングと、最終的に痛い思いばかりを経験している。落とし物を拾いにいくためにも、今日は本当に大事な日なのだ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)