BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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なかなか慌ただしい!3日目朝のピットから

 準決勝戦に進めなかった36名の選手たちの多くは2回乗りとなる3日目。レース間隔が短い選手も少なくなく、1Rに出走した6名のうち4名が次は5R。中3レースしかない。というわけで、レースが終わっても悠長に構えている余裕はなく、山崎郡などあっという間にボートを再び水面に下ろして、準備を整えた。なにしろ、3R発売中に5Rのスタート特訓が行なわれるので、次レースへの調整も含めてドタバタになるのは必定。山崎は5R1号艇、特訓でしっかり勘を掴みたいわけで、できるだけ早く準備を整えたいところだっただろう。

 2R出走組でも、3名が中3レース。そのうち、湯川浩司は2Rを終えてボートを陸に上げるや、本体を外している。えっ、中3レースしかないのに本体整備!? というわけで、上條暢嵩や整備士さんもサポートして本体を外し、大急ぎで整備室へと向かっている。そして、3R発売中には整備を終えてやはり大急ぎで装着! 時間がわずかしかなくても、何としてもパワーアップをはかろうという姿勢は感動的ですらあった。6Rの湯川は1号艇。勝ち上がりレースかどうかは関係ない。絶対に逃げるのだという姿は勝負師として理想的と言うしかない。

 というわけで、準決勝組以外が慌ただしく動いていた3日目の朝である。準決勝組はというと、2R発売中に12名全員のボートが装着場にあった。といってもすでに動き出している選手ももちろんいて、2連続逃げ切りで今日も1号艇にすわる茅原悠紀も整備室と自艇の往復などしており、着々と準備、調整は進んでいるようだった。

 宮地元輝はペラ調整。宮地が調整している部屋は、どうやら仮設調整室のようで、覗き込むといやー、狭い。四畳半、いや三畳くらいでしょうかね。ワタシが長野から上京して初めて済んだ部屋は四畳半一間で、それと同じくらいかやや狭いですね。ここで複数の選手が叩いていることもあって、実に効率よくスペースを使っている感じ。ピット内はまだ工事が行なわれている最中の場所もあって、リニューアルされたといっても、まだまだ変化がありそうだ。そのときはもっと広いペラ調整室がどこかにできるんだろうと想像しています。

 3R発売中、馬場貴也がボートを水面に下ろした。準決勝組では最初に試運転を始めた選手ということになる。2R発売中にボートを見たとき、モーターにプロペラが着いていたので、まだ動き出しは先になるのだろうかと思っていたのだが、実際はすでに調整が進んでいて、水面に下ろす準備としてプロペラを装着したあとだった、ということになる。

 次いで、末永和也がボートを下ろしている。尼崎では、艇運係の方がボートをリフトまで運んで下ろすというシステム。かつての尼崎ピットは、装着場が水面に向かって下り坂になっていたから、勢いがつきすぎないよう手練れの艇運さんが運んでいたのだと推察する。フラットになった装着場でもその名残なのか、選手がボートを運ぼうとすると艇運さんが駆けつけて、ボートを引き継ぐというわけだ。ただ、末永としては、若手である自分がベテランの艇運さんに運ばせるのは気が引けたのだろう。艇運さんがやって来てもしばらく自分でリフトに向かってボートを押した。しかし艇運さんはそれは自分の仕事と譲らず、結局末永が遠慮がちにボートから離れて艇運さんに運んでもらった、という次第。末永の仕草が、なかなかかわいらしかったです(笑)。ダービー王になった男も、今は気遣いあふれる若者なのだ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)