レディース王国の牙城

誰もが思いつくベタ企画だが、書かねばなるまい。丸亀レディースの祭典は、開幕戦から地元レーサーが暴れまくった。口開け1Rの1号艇を任されたのは25歳の山田理央。このレースの外枠には小野生奈や今井美亜など強敵が配置されたが、インコースから美亜の猛攻をしっかり余して逃げきった。相棒の24号機は、スタート展示から行き足が超ゴキゲンな見え方。いざ本番でも、美亜の渾身のまくり差しをバックでグイッと突き放して独走状態に持ち込んだ。番組さんの期待どおり(?)、まずは1戦1勝。

続く2Rは三島敬一郎イチ推しの平高奈菜60号機がフル回転。枠なり2コースからイン喜多須杏奈をズッポリ差しきり、地元2連勝の花道をひた走った。つい1時間ほど前の選手紹介コメントを信じるなら、オープンしたばかりのクラブ『杏奈』vsスナック『ナナ』の勢力争いでナナ先輩が貫禄を見せた、ということになるだろうw

こうなると、讃岐平野を駆けまわる「特急いしづち」軍団の勢いは止まらない。3Rは④中村桃佳×⑥山川美由紀という二枚看板を配置したらば、4カド桃佳がスタート決めて強烈なまくり差しをブッ刺すわ、2マークでは先頭の桃佳を美由紀パイセンがブッコ抜くわ、他の4人が霞むような⑥⇒④連結でそのままワンツーフィニッシュ! 今日イチ配当283倍とともに開幕3連勝+2着まで記録を伸ばした。

そしてそして4Rは満を持して丸亀生まれの丸亀育ち、生粋の丸亀っ子・平山智加の登場だ。4カドに引いた智加が選んだ戦法は4カド一撃まくり! スタートでドカった③清水愛海をナチュラルに飛び越えると、強烈に伸び返すインの登みひ果20号機までゴリゴリの力ずくで攻め潰した。

「今月でデビューして丸20年。育ててもらったボートレース丸亀、そしてデビューして今日まで応援してくださったファンのために6日間、心を込めて走ります!」
選手紹介の宣言どおりの心のこもった強硬策。平山智加のいう「心」の直訳は「ファイティングスピリット」で間違いないだろう。40歳エースの大技炸裂で、開幕戦から無傷の4連勝!

いやはや、この連勝記録っていったい全体どこまで伸びる?? と見ていたらば、5R②門田栞で脆くも崩れた。スリットから何もさせてもらえない6着惨敗。おそらく門田本人も地元5連勝を意識しただろうが、今日の相方27号機はワースト級にダメダメな見え方だった。

これで一気に流れが変わったか、6R③谷川佳蓮も1マークの握りマイがまったくサイドが掛からず真横にぶん流れ。門田に続いて6着に敗れ去ったが、門田も谷口もソコソコしっかりのモーター整備が必要なのではなかろうか。

さてさて、地元7人衆の快進撃がじわり止まる中、あれよあれよの2連勝でV争いの最前線に辿り着いたのが鎌倉涼だ。前半5Rは3コースから前出・門田を一撃で叩き潰すまくり差し。後半10Rは断然人気のイン平山を2コースからズッコシ差し抜け。つまりは地元の連勝記録を自力で堰き止め、エース平山のピンピン発進も現役女王の抜群テクで阻んだわけで、今日の地元勢にとって鎌倉は「最凶の天敵」だったとお伝えしていいだろう。前年度の女子プレミアムGIをすべてかっさらった浪速のクールビューティが、さらに貪欲にGⅡまで食い尽くしてしまうのか……?

他に私の目を惹いたトピックを挙げるなら、6R⑤土屋蘭の鬼気迫る猛追だ。相手は鎌倉の同期で堅実なテクニシャンとして知られる深川麻奈美。その大先輩を追っかけ回し、ついに3周1マークの全速ツケマイで逆転したシーンは私の脳みそに「土屋南だけでなく妹の蘭も絶対に侮るなかれ」というインパクトを残した。あの初動の早さ、体重移動のタイミング、そこから派生する強烈なサイドの掛かり……単なるパワー勝ちやスピード勝ちでは片づけきれない、もっと異質な何かを感じたのだがどうだろうか。

それから、これも極めて直感的なもので上手く表現しきれないのだが、11R①渡邉優美の逃げきった実戦足にウルトラ不気味なオーラみたいなものを感じた。出足よりも伸び。1周バック後半で追いすがる長嶋を一気に突き放した足に得体の知れないパンチ力を感じたのは私だけだろうか。
最後に、私が初下ろしから愛でている20号機とカップリングした登みひ果は、前出4R1号艇を生かしきれずに2着惜敗。それでも1マークまでの伸び返しは強烈だったし、平山にまくられてからの立て直しパワーにも光るものがあった。明日の5R2号艇と11R3号艇で、その非凡な20号パワーを生かしきると予言しておきたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)