強者の宴
12R優勝戦
①峰 竜太(佐賀)05
②毒島 誠(群馬)06
③池田浩二(愛知)04
④磯部 誠(愛知)02
⑤定松勇樹(佐賀)10
⑥茅原悠紀(岡山)10

峰が勝った。
昨日は「想像を絶する重圧」で慎重すぎたスタートも、今日はコンマ05まで踏み込んだ。ならば異次元の光速インモンキーで圧勝かと思いきや、強靭なライバルが峰の艇尾に食らいつく。

やはり、毒島だった。峰が27号機のパワーを信頼しきった強めの握りマイだったのに対し、毒島は超コンパクトな鋭角小回りでターンマークをなめるように旋回した。剛と柔。風はぴったりの無風だから、どっちにも味方しない。

おそらく出足に特化したであろう毒島73号機が、スッと峰の脇腹に舳先を突き刺したように見えた。見えただけだったかどうか、強めに握って旋回した峰27号機はその分だけ舟の返りも早くて力強く、あっという間に毒島の舳先を置き去りにした。出足型の73号機と、全部の足が仕上がった27号機と。ストレートの差はケタ違いで、直截的な勝因はこのパワー差と言ってもいいだろう。

敗れたとはいえ、毒島も天晴れとしか言いようがない。ほぼ完璧に見えた峰のインモンキーに、無風の小回り差しで舳先を突っ込みかけたのだ。バナレ飛びで脅かすでなく、スタート突出で出し抜くでもなく、風の力も借りずにスリット同体から真っ向勝負の2コース差しで怪物に鈴をつけた。分かっちゃいるけど、超人レベルの鋭角差しだった。

それからそれから、慣れない3カド攻撃からあの手この手の小技を繰り出して3着に飛び込んだ池田も……うん、今日のワンツスリーが人間離れで強いことは、いまさらここで力説する必要もないだろう。今節をひとことで総括するなら「ドリーム戦のトップスリーが、そのままファイナルのワンツースリーで締めくくった」だ。

強い奴らはとことん強い。
機力よりも水面環境よりも、選手の『アーム』がひたすら強調される6日間であり、優勝戦だった。でもって、下世話で助兵衛な私はブス君のバナレ飛びを願い、それによって進入からしっちゃかめっちゃかの大波乱をも願ったのだが、結局は荒唐無稽な妄想でしかなかったな。うん、卑屈にねじ曲がった私の心をざんぶと洗い流してくれるような、実に清々しい実力者たちのワンツースリー決着だった。と、日記には書いておこう。(photos/シギ―中尾、text/畠山)
