BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――サマータイム!

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171218183110j:plain

 ただいま14時過ぎ。いつもなら後半戦に突入し、舟券ハズレ疲れが……じゃなくて取材&執筆疲れも溜まってくる時間帯だが、現在4R発売中! サマータイムSGってのも、なかなか新鮮である。1Rスタート展示頃にピットに入り、オープニングを走る選手が展示から帰ってくるのを眺めつつ、ふと時計を見たら12時20分前。不思議な感覚に陥った。

 ただし、時計など見なければ、そこにあるのはいつものSGの戦い。選手たちはペラ調整に励み、試運転で駆けまわり、改装されて広くなった装着場を走る。いつも走っているように見えるのは、小野生奈と竹井奈美の福岡元気娘コンビ。水面でも元気いっぱいの攻撃を魅せてくださいね。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218183119j:plain

 その1Rで、江崎一雄がSGデビューを果たした。結果は6着。まさにSGの洗礼を浴びた格好だ。

 エンジン吊りを終えた江崎は、すぐに試運転の準備。今日は1R1回乗りで、たっぷりと残された時間をきっちり仕事に費やすつもりだ。

 そんな江崎と顔を合わせた。その瞬間、江崎の顔がゆがむ。

「厳しいっすねえ……」

 そりゃそうだ。SGなのだから厳しくて当然。あえて、「足が?」と問いかけると、江崎は案の定「SGが」と返してきた。SGのレベルの高さを初めて身をもって突き付けられ、思うところがなければウソだろう。一昨年の新鋭王座で初のGⅠ出場を果たしたときには、結果が出なくても強気の言葉を口にしていた。しかし、今回ばかりはそうはいかないか。それでいい、と思う。

 もっともまだ1走しかしていない段階で、あれこれ決めつけても仕方がない。今節のどこかで、持ち前のビッグマウスが飛び出すことを期待し、楽しみに待ちたい。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218183135j:plain

 江崎も悔しそうだったが、2R2着の下條雄太郎も、レース後の神妙な表情に納得いかない様子がありありと見えた。2着だから上々? いや、1号艇2着は喜べる結果ではあるまい。まして、ここは大村。イン最強水面で、かつ下條にとっては地元水面である。初戦に回ってきた好枠。必勝を己に課して走っていたとするなら、これは悔しい結果でしかない。

 やはり地元の赤坂俊輔は、同じ2着だったが2号艇。しかも前を追いつめるシーンもあって、感触的には悪くなさそうだった。それもあって表情は明るくも見えたのだが、下條は対照的な様子である。今日の下條は1回乗り。江崎同様、試運転を走る下條の姿が見られるだろう。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218183151j:plain

 それにしても、今日は本当にいい気候だ! 気持ちよく晴れあがって、まさに五月晴れ。ただし、日なたに出ると強い日差しでやや暑く、また白く打ちっぱなされたコンクリートに反射するので、けっこうまぶしい。係留所へ降りていく篠崎仁志が、目をぎゅぎゅぎゅーっと細めて不思議な表情をしていたので、何かと思って近づいた瞬間に僕も同じ表情になるという。ちょうど反射が強い場所だったのだ。

 だが、次の瞬間に水面のほうを見ると、これがまた気持ちいい~。大村湾に面した大村ボートは、ひたすらのどか。対岸にある島の緑が目に優しい。前方に目をやるだけで心がすーっと洗われるのだ。これは、スタンドが新しくなっても変わらない大村の風景。こんな陽気の日は、水面際でぼんやりボートやレースを眺めていたいな~。

 

f:id:boatrace-g-report:20171218183205j:plain

 と思ったら、太田和美と丸岡正典の師弟コンビがやってました。大村は水面際に「アリーナ」と呼ばれるスペースがある。競技部(ピット)も新しくなって、そのスペースはちょっと狭くなってはいるが、ベンチが置かれており、ここに座ってレースを見ている選手も多い。今日は、1R発売中の試運転から太田と丸岡がここに陣取って眺めており、のんびりした様子が実に素敵なのでありました。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)