BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――本格的な動きはこれから!

 

 

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 準優組の姿が見当たらない。1R展示中だ。9Rが18時44分本場締切だから、気候条件が変わるのはたしか。だから、もう少し時間が深くなってからの本格始動、ということだろう。

 最初に見かけたのは太田和美で、整備室に入って機歴簿を眺めている。今節の太田は、“ノーハンマー”状態で、感触がいいときの太田の“調整法”を貫いているわけだが、準優ともなればやはり上積みを求めようということだろうか。もっとも、太田は整備に動いたわけではなく、その後は控室に戻っていったから、“ノーハンマー”状態はとりあえず継続中である。

 

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 整備室をよくよく見てみると、隅のテーブルに瓜生正義がいた。ここはゲージ擦り用のテーブルで、つまりは整備や調整をしているわけではない。あえて言うなら、その準備段階であり、瓜生の気配がいかにいいのかを物語るものである。おっと、下條雄太郎も隣にいるぞ。機力優勢はもはや言うまでもない。瓜生と下條のツーショットは、おそらく偶然ではない。

 

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 ペラ室を覗くと、やはり一般戦組ばかり。蒲郡のピットにはペラ調整室は2つあって、そのどちらにも、準優組の姿は見当たらない。いや、いた。寺田祥だ。整備室に隣接したペラ室の壁際で、黙々とペラを叩いていた。早い時間帯に一般戦組が懸命に調整しているのは、ある意味当然。同じような雰囲気で調整していたので、一瞬見逃してしまったのだ。ペラを見つめる横顔は、実に鋭い。もともとが切れ長の目ではあるが、その目つきがさらにキリリとしているように見えた。

 

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 その次にペラ室に入ったのは、市橋卓士。決して目立つような存在ではないが、今節は気づけば3勝をあげて、準優1号艇である。市橋はこれがSG初準優。とはいえ、まったく気負った様子はない。ただ粛々と、いつも通りにふるまっているように見える。地元の鳴門は現在休催中だが、来年の7月にはオーシャンカップが行なわれる。オーシャンは、GⅠの成績が選考基準。SGで大暴れして名前を売れば、GⅠ斡旋も増えるだろう。そう、ここも地元SGの勝負駆けのようなものだ。時間を追うごとに、気持ちもぐっと入っていくことだろう。

 

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 1Rが終わると同時に、準優組もじわじわと動き出している。赤岩善生は整備室に入り、機歴簿とにらめっこ。整備士さんが脇にいて、あれこれと会話を交わしながら、赤岩は機歴簿から目を離さない。今節も赤岩の姿を毎日、整備室で見た。いつも通りの調整を、日々怠りなく積んできた。地元SGへの思い入れも強いはずだが、それ以上に、赤岩はいつものスタンスを崩さずに戦ってきた。今日ももう一丁、上積みをはかろうと、調整の方向性を思索していたわけである。

 赤岩の結論は、キャリーボディー交換。すでに装着されていたモーターを外し、整備室に持ち込んで手際よく交換作業を行なった。2R発走直前にはふたたびモーターを装着している。これで試運転をし、さらに調整を煮詰めていくことになるだろう。11R6号艇。次の戦略は果たして!?

 

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 あ、あと池田浩二もギアケースを外して整備室に向かう姿が2R発売中にあったぞ。常滑代表といっても、蒲郡だって地元に変わりはない。SG9冠王の池田は、まだ地元SG優勝がない。全力で獲りにいくことだろう。

 

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 さて、今日の様子が気になる峰竜太。どんな感じかと言えば、まあ、書くまでもございません(笑)。少しだけ他愛ない会話を交わしたが、やはり予想通りの雰囲気である。ただし、話もできないほどガチガチではない。「優勝戦1号艇になったら、どっちに転んでも泣いちゃいますよ~」と言って、やや力弱かったけど、笑ってみせもした。今日一日、まずは第一関門の緊張を味わいながら過ごすことになる。長い1日だろうなあ。峰竜太よ、今日明日の長い2日間を乗り越えたところに、悲願はあるのですぞ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)