5R、2コースの寺田空詩がのぞいた隊形からジカまくり敢行。インから粘ろうとした刑部亜里紗とやや接触があって、刑部は失速してターンマークに激突。差そうとした清埜翔子はこれを回避するために減速。その瞬間、谷口丞がまくり差す格好で突き抜けた。デビュー以来2勝目!
……と思いきや、2マークで寺田がここも外マイで抜き去っていった。谷口くん、惜しい! というわけで、レース後の谷口はガックリ。エンジン吊りの間もカウルにもたれかかってうなだれたりもしているのであった。こういう悔しい経験が若者を強くする! これを糧に、日々進化していってください!
一方、失速した刑部はすぐに全選手のもとに駆け寄って、頭を下げていた。迷惑をかけた、という認識なのであろう。ターンマーク際で失速したため、そこを狙っていた選手たちはルート変更を余儀なくされた、というわけで、刑部は実に申し訳なさそうな顔つきで、お詫び行脚となっていたのだった。
寺田に対しても同様だったのだが、寺田はジカまくりを仕掛けたことも原因だと捉えたのか、逆に頭を下げてもいる。刑部は申し訳なさそうに首を振っていたわけだが、今日の表紙記事の写真のように、二人は仲良し同期。それでもレースで起こったことに対しては、しっかりと礼を尽くし合うということだ。実際のところ、寺田のジカまくりは立派な戦いぶり。もちろん抵抗しようとした刑部もインの責任を果たそうとした。レースの綾だから致し方なし! 僕はむしろ彼女たちの健闘を称えたいです。
6Rは長谷川晴哉が逃げ快勝。1マークで一気に後続を突き放している。気持ちのいい勝ちっぷりに、レース後にはニッコニコ! ルーキーズの仲間たちからも声を掛けられて、ますます笑みは深くなっていった。
悔しかったのは佐藤太亮だ。1マークでは上原崚との2番手争いとなる外マイを放っているのだが、2マークで流れて福山恵理奈に抜かれ、両者は抜きつ抜かれつの3番手争いを演じたのだが、3周2マーク、その間隙を堀之内紀代子に突かれて後退。結局5着に敗れたのだった。レース後、上原と身振り手振りをくわえながらレースを振り返る。上原からのアドバイスも混じっていたようだったが、佐藤はなんとも悔しそうにうなずいていたのだった。
それにしても、堀之内の逆転はまさしく百戦錬磨らしい捌きだった。スキは見逃さないという走りっぷりは、貫禄さえも感じさせた。控室に戻る際に香川素子が笑顔で称えていたが、ベテランの意地を見せた格好に爽快さを感じたかも。若者をキリキリ舞させる活躍、期待してます!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)