BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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激闘ルーキーズ!順当レディース!準優勝戦ピットから

●11R

 前田翔がまさかの優出漏れだ。1マークで4カドの仲航太にまくられ後退、それでも優出圏の3番手を猛然と追い上げたが、及ばなかった。前田自身、信じられないという思いだっただろう。少し呆然とした様子にも見えていた。

 前田を振り切り、優出圏の3番手を守り切ったと思われた一色凌雅だが、3周1マークでその競り合いの間隙を巧みに突いた濱野斗馬に追いつかれ、そして抜かれた。一瞬は優出を確信しただろうから、その落胆は大きい。レース後の脱力ぶりは、1号艇で敗れた前田よりも大きいように見えたくらいだ。

 藤田俊祐は6Rを終えて急ぎ整備をし、ピストンリング交換で臨んだ。しかし、結果にはつながらずに6着大敗。やるせない表情でボート洗浄作業に加わっている。
 その3人が、肩を並べて控室へと戻っていく。「航太、そんなに早くないんじゃない?」と一色。スリットでのぞかれて、一気にまくられた展開。それを、仲が踏み込んだのではなく、自身が後手を踏んだのだと悔いを見せたわけだ。外から仲のスタートを見ていた藤田は「いや、早かったと思う」、前田が「ゼロ台じゃない?」と反論するが、こちらが正解。ただ、3人ともが仲の気合にやられたのではなく、自身が敗れたのだとしっかり結果と向き合っているようであった。

 その仲は、意外にもそれほど嬉しそうな様子を見せてはいない。むしろ少し悔しがっているようにも見えたくらいだ。4カドからまくってバック先頭。と思いきや、中島航に差して粘られ、2マークで仕掛けていったものの捌かれた。たしかに優出は決めた。しかし、勝ちに行って勝てなかったレースでもある。まずはそちらに思いが至ったのだろう。その思いはきっと明日へとつながる。

 勝った中島も、それほど喜びをあらわしていたわけではない。どちらかというと淡々としているようにも見えた。ボート洗浄の間に前田、一色を気遣う様子もあった。内枠の124期3人で優出というのがひとつの目論みだったであろうから、彼らに思いが向かったということだろうか。藤田は同支部の後輩でもあり、やはり声を掛けている姿があった。大人の振る舞い、そんなふうにも感じられるレース後の雰囲気、である。

 渾身の逆転劇を見せた濱野は、ピットに上がり、出迎えた仲間らに向けてニッコリと笑ってみせている。結局、優出組がレース直後に見せた笑顔は濱野のこれだけだった。6号艇6コースから勝負して、道中の捌きで優勝戦のシートを勝ち取った。してやったり、そんな笑顔だ。ルーキーズ優出組では唯一のA1級。明日ももちろん一発を狙いつつ、団体戦勝利のカギを握る存在になってくるかもしれない。

●12R

 ルーキーズ準優に比べると、やはり淡々としたレース後だったと思う。①-②-③という順当決着だったこともあるだろうか。準パーフェクトペースの高憧四季が逃げ圧倒。1号艇が圧勝したとき、レース後も粛々と振る舞うというのはよく見るシーンである。足を考えれば、怖いのは自身のミスだけだったはずなので、安堵の思いはあっただろうと思う。だから、歓喜というよりは粛々とした様子に見えるのだろう。

 2着の勝浦真帆も、1周2マークでは捌くシーンもあったが、そこまで危なげない局面とは見えず、エース機をきっちり生かしての優出である。もともと結果にかかわらずそこまで感情を表に出すタイプではないから、これまた淡々とした様子に見えてしまう。もちろん優出を決めて、意を強くしたところはあるはずである。

 明暗は3番手争い。1周目バックでは中田夕貴が先行し、2周目ホームでは差を詰められ、1マークで今井美亜が小回りで前に出た。その後も中田はなんとか抜き返さんとするものの、今井が前に出さない。結果、今井が3着で優出確定。ボート洗浄中にちょうど対岸の大型映像装置にリプレイが流れており、今井と中田はそれを見つめていた。折しも二人のデッドヒートが映し出されている。今井は勝因と自身の足色を、中田は敗因と自身の足色を確かめ、そして結果と向き合うことになる。今井はホッとしただろうし、中田は落胆したことだろう。

 中田、さらに松尾夏海と藤原菜希、またルーキーズの4~6着は残念ながら優出を逃したわけだが、団体戦という点においては、彼らの役割はまだまだ大きい。団体ポイントの点増しがある特別選抜戦を彼らは明日、戦うのだ。中田は昨日、以前出場した芦屋大会では自分のせいでレディースが優出を逃したと自虐していた。優勝戦、レディースは2着と3着を走っており(鎌倉涼と西橋奈未)、中田が5着ならレディースが団体優勝していたのだが、無念の6着でルーキーズに優勝を奪われていたのだ。本来なら優勝戦で芦屋の借りを返したかったところだが、特別選抜戦も重要! ぜひあのときの無念と今日の無念をまとめて晴らしてもらいたい。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)