●9R
勝ち上がり ①白井英治③馬場貴也⑤瓜生正義

全員がSGウィナーという、いずれ劣らぬスーパースターたち。それも登番が最も若いのが馬場貴也、全員が40代の百戦錬磨というメンバーで、レース後は実に淡々とした空気が流れた。勝者も敗者も、だ。勝った白井英治も、昨日同様の貫禄に満ちた振る舞いで、特に表情を変えることもない。笑顔も見られなかった。

2着の馬場貴也、3着の瓜生正義にしても、勝ち上がりに安堵のようなものがかすかに見えはしたものの、粛々とエンジン吊りをこなし、控室へと戻っていく。カポック脱ぎ場でも黙々と装備をほどくのみだった。

静かな雰囲気ではあったが、やはり勝ち上がりに失敗した選手たちからは、少しやるせない思いが見え隠れしていた。毒島誠にしても、顔をしかめたりとか眉間にしわを寄せたりとかはないものの、少しばかり不機嫌になったようにも見えていて、またあっという間に装備をほどくと風のように控室へと消えていっている。

湯川浩司は仏頂面になっているように見えた。彼もまた、悔しさの表現を大袈裟に見せはしなかったが、結果への(あるいは足色への)不満を抱いているような雰囲気を醸し出した。淡々として見えていても、淡々と結果を受け止めていたわけではないのだろう。
●10R
勝ち上がり ①末永和也③新田雄史⑤守田俊介

ピットに上がってきたときは、このジャッジを想定していたかどうか。山口剛はにこやかな表情で、逆転3着を喜んでいるように見えたのだ。すぐに守田俊介にも声を掛けてはいたが、そこまで大げさに謝っているようにも思えなかった。しかし、2周2マークで内から守田に突っ込んで接触した航法が不良航法とジャッジされた。3着だが、賞典除外。勝ち上がりの権利を失った。

守田も、繰り上がりになることを予感していたかどうか。2番手競りになった新田雄史とは長く会話を交わし、カポックを脱ぎながらもその感想戦は続いていた。それはどこか楽しそうなレース回顧の様子にも見えていて、新田はずっと笑みを浮かべていたほどだ。4着に敗れて、そのままなら敗退だったが、山口の賞典除外で繰り上がりに。この幸運は大きい。いや、1周2マークでは山口と新田を捌いて2番手に浮上していたのだから、戻るべき場所に戻ったというべきか。いずれにしても、守田の存在は脅威に見えるのだがどうか。

勝ったのは末永和也だ。1マークは寄り気味のターンで、山口の差しにバックで舳先を掛けられ、薄氷の逃げ切り。2マーク手前で山口とは接触があって、その勢いで山口を振り切った格好。そんなレースだったからか、ピットに戻っても笑顔はなく、ただ安堵している様子ではあった。少し考え込んでいるようにも見えていて、準決勝に向けては課題も残ったかもしれない。
●11R
勝ち上がり ①池田浩二③山田康二②守屋美穂

池田浩二が危なげなく逃げ切り。ピットに戻り、ボートから降りる際によろめいてみせたのは、トライアル2nd初戦1号艇で逃げ切ったときにも見せていたもの。ようするに、おどけて見せているわけです。ただ、どうやら足にはまだまだ満足していないようで、カポック脱ぎ場では平本真之らにその旨を話しているのが聞こえてきた。まあ、泣きコメントが多い池田のこと、自分の望むレベルに達していないということなのだろうが、明日もさらに足を煮詰めていくことになるのだろう。

2着の山田康二と3着の守屋美穂は、2番手競りでの走り方だったり、足の部分だったりを振り返り合っていたのだろう。10Rの新田と守田もそうだが、競り合った相手とは足の差がわかりやすいだろうし、まだリプレイを見ていない段階ではどんな判断でどんなハンドルだったのかを相手に訊いておきたいものなのだと思う。2人とも準決勝へ勝ち上がりだ。話し込む様子は穏やかであった。

勝ち上がりを逃した選手のなかでは、峰竜太が妙に静かだったように思えた。露骨に悔しがるでもなく、またこうした局面では大声で周囲に話しかけたりすることも多いのだが、そういうシーンは今日は見られなかった。実はかなり悔しさが残る敗戦だったのだろうか。
●12R
勝ち上がり ①茅原悠紀④深谷知博⑥宮地元輝

茅原悠紀が準決勝1号艇を決する逃げ切り勝ち。スリットではやや後手を踏んでおり、ヒヤヒヤした部分もあったけれども、回ってからはすぐに後続を離して決着をつけている。最終レースで、ウィナーインタビューもあるため、茅原は足早に引き上げて、静かな表情でカポックを脱ぐと瞬く間に姿を消しているが、足色的には大きな不満は抱いていないように見えた。

悔しかったのは久田敏之だ。3番手を走っていたものの、2周1マークで先マイ仕掛けた遠藤エミの艇尾を突く形で後退(遠藤は不良航法で賞典除外)。消化不良の敗退決定に、やはり不満そうな表情を見せていた。やるせない表情で肩を落として控室へと消えていく姿は、やはりせつないものがある。

一方、その競り合いの間隙を突く形で3番手に浮上した宮地元輝は、複雑な笑みを浮かべることに。ラッキーといえばまあそういうことになるだろうが、久田の悔しさを目の当たりにすれば心から喜ぶことはできないかも。肩を並べていた峰竜太も宮地の心境を慮ったような笑みを浮かべる。とにもかくにも、勝ち上がりを決めたのだから、準決勝はミヤチマニアのためにも見せ場を作らねばならない!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)