BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡グラチャン 準優ダイジェスト

 

眠れるエース

 

 

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9R 進入順

①毒島 誠(群馬)17

②重成一人(香川)14

③白井英治(山口)14

⑤赤岩善生(愛知)14

④川﨑智幸(岡山)08

⑥茅原悠紀(岡山)11

 

 ピット離れで遅れた赤岩が、大回りして4コース潜入。1235/46の5カドから川﨑がゼロ台で飛び出したが、すぐに内4艇も伸び返す。パワー相場のやたらと高いメンバーだけに、外の艇には厳しい闘いになった。毒島が逃げ、重成が差しての1-2態勢。バックで内から伸びた赤岩が見せ場を作ったが、冷静に行かせて差した重成が、ガッチリ2番手を獲りきった。

1着・毒島、2着・重成。

 

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 もっとも遅いスタートから、逃げ圧勝した毒島は流石の一語。例によってターンスピードが半端なかったし、行き足&レース足も上々だった。速いだけでなく、トップ級の整備力を誇る毒島の持ち味が十二分に発揮されたイン逃げだった。最近のグラチャンは「初日ドリーム戦の5、6艇がよくよく優勝する」というジンクスもあり、明日はもっとも怖い選手のひとりだと思っている。

 

 

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 2着の重成は、やはり35号機の足がしっかりしている。本人は「大したことない」「普通に毛が生えた程度」とシビアな発言を繰り返しているが、私はトップ級の1機と確信している。ただ、5月に金子龍介が優勝したときの行き足に比べれば、まだまだ物足りないのも事実。外枠の明日は、ぜひともストレート系を強化してほしい。回転が合って破壊力が増せば、S一撃もありえるはずだ。

 

好脚、相譲らず。

 

 

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10R 進入順

①魚谷智之(兵庫)14

②篠崎仁志(福岡)15

③池田浩二(愛知)10

④前田将太(福岡)17

⑥井口佳典(三重)15

⑤桐生順平(埼玉)15

 

 スリットを制したのは3コースの池田。トップスタートから、あっという間に半艇身ほど飛び出した。今節の池田65号機は、ここから1マークまでさらに伸びる。完全に2コースの仁志を出し抜いたが、インの魚谷が同じ足色でグイグイ伸び返している。2コース中凹みの隊形だからして、池田にはまくり差しの選択もあった。

 

 

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ただ、ここは準優、仁志に突進されたりしたら元も子もない。池田は全速で魚谷をまくりに行った。届かなくても2着は固い、スピーディーな強まくり。届くか。届かない。伸び返しの行き足だけでなく、魚谷のターン回り~押して行くレース足も見事だった。客観的な見立ては、まさに互角。まくった池田と防ぎきった魚谷と、バック中間で後続を5艇身ほど千切り捨てていた。準優ダイジェストとしては、ここまでの描写で十分だろう。

1着・魚谷、2着・池田。

 

 

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 魚谷のパワーは、誰もが気づいているとおり初日から超抜だ。全部の足がいいバランス型で、引き波を超える力強さもある。67号機の素性は中堅レベルだったから、よほど相性がいいのだろうし、魚谷の乗り方にフィットしているのだろう。ムラがないから、イン戦に持って来いのパワーだ。今日よりもう少しスタートを張り込み、同じ伸び返し~同じターンができればV確率はかなり高いと思う。

 

 

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 魚谷が超抜なら、もちろん池田も超抜レベル。そうじゃなきゃ、今日のワンツーの説明がつかない。より正確に見立てるなら、行き足~伸びでわずかに池田、ターン回りでわずかに魚谷だろうか。そして、今節の池田はスタートもかなりイケている。6号艇はもちろん不利だが、前付けに行きやすいというメリットもある。ただ、行くかどうかは微妙だな。ここが純地元の常滑なら一昨年のダービー同様、文句なしに動くだろう。蒲郡ではどうか。「行く」と決めたら地元ファンのためにきちんと宣言すると思うので、明日のインタビューに注目したい。もちろん、6コースでも勝ち負けが可能な足ではあるのだが。

 

連夜のブロックまくり

 

 

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11R

①瓜生正義(福岡) 19

②山崎智也(群馬) 18

③太田和美(大阪) 10

④篠崎元志(福岡) 15

⑤坪井康晴(静岡) 11

⑥下條雄太郎(長崎)09

 

 スタンドがドッと沸く。勝負師・太田が3カドに引いた。そして、素晴らしいスタートを決めた。行くと決めたら、腹を括って“勝負手”の筋を通す。怪物君の怪物君たる所以だ。

 太田がまくる!

 

 

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 誰もがそう思っただろう。4-3勝負だった私の胸も高鳴った。が、そこからの智也の伸び返しがヤバい、ヤバすぎた。今節の智也はスタートも含めてやや地味なレースが多いのだが、初日から行き足はかなり強い。前評判の高い38号機を全面的に信頼し、無理することなくポイントを積み重ねてきた。昨日、4カド笠原亮の猛アタックを受け止めきったのも、この足があればこそ(ちなみに笠原コンマ14、智也はコンマ24)。今日も、その自慢の行き足が火を噴いた。

 

 

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 一方の太田26号機には、2連率26%の限界があったか。彼我のパワー差は明らかで、太田は智也に先攻めの権利を譲るしかなかった。伸びなり、智也がまくる。昨日の10Rとまったく同じパターンだ。やはりストレート系が強い瓜生が半艇身ほども凹んでいたのは謎(放っていたのだろうか)だが、とにかく一気にまくりきった。素早く、太田が差しに回る。さらに、元志が豪快にまくり差しハンドルを入れる。このアタックは、実に惜しかった。流れた瓜生の艇とわずかに接触し、舳先が浮いてバランスを崩した。もう少しスタートを踏み込んでいれば、あるいはもう少し回り足が強ければ、元志が最後の1議席をゲットしていただろう。差した太田もまた、自らが流れて瓜生にコツンとぶつかり失速を余儀なくされた。こうして考えると、瓜生の2着はかなりラッキーだった。ジカまくりを浴びつつ、内外の艇とわずかに接触したことによって、その作用反作用で態勢を立て直して前へと推進した。私の目には、そう映った。

 

 

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1着・智也、2着・瓜生。

 先にも書いたが、智也の行き足は何気に素晴らしい。特に行き足~伸びに差し掛かる部分の足が強烈なので、スロー起こしが向いている。自在に攻められる3コース向きなのだ。

 

 

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 瓜生については、今日の敗因を探るのが先決だろう。パワー差で智也に圧倒されたのなら、明日も後手を踏む可能性が高い。もっと別な理由があって今日の敗戦を不問にできるなら、「予選トップの瓜生4カド(または5カド?)」が脅威にならないわけがない。自力で行けるか、展開待ちのパワーなのか……瓜生も含めたダッシュ勢のV確率は、それで大きく変わりそうな気がする。(photos/シギー中尾、text/畠山)