Mrダービー前夜祭
10R
①丸岡正典(奈良)14
②山口 剛(広島)14
③川﨑智幸(東京)13
④横澤剛治(静岡)19
⑤吉川元浩(兵庫)11
⑥峰 竜太(佐賀)07
あの08丸亀ダービー以来の栄冠へ、
丸ちゃんが第二関門を突破した。なんと、これが2度目のSG優出!
もしも明日、真っ先にゴールを通過したらば、
SG2優出2V、どっちもダービーというカッチョイイ
「ミスター・ダービー」が誕生することになる。
レースに関しても、ケチを付けるべき点はひとつもない
満点のイン逃げだった。スタートのコンマ14は、
2日目のイン逃げとまったく同じ。ターンの初動、スピードの濃淡、
ターンマークとの距離感も瓜二つで、非の打ち所がなかった。
あとは、枠番がどうなるか?
明日もまた1号艇なら、
2度の予行演習が大いに生きるのだが……。
2着は、私の◎山口。責任転覆でもあればB級降格という
“針のムシロシリーズ”で、初日から攻めに攻めまくり、
コンマ01まで踏み込み、この準優でも丸岡と同体のスタートから
しっかり差しハンドルを入れて、
ついにファイナルの舞台まで辿り着いた。
満身創痍で、生き残った。残すは、あと1戦。
苦しみ抜いた期末査定もまた、あと1戦で終わる。
「安全無事故に徹すればA1残留」という最後の1戦が、
SG優勝戦なのだ。 だが、もちろん、山口は明日も怯まず
突き進むだろう。賞金王当確と総理杯の権利を、
真っ向から奪い獲りに行く。最後方を恐る恐る走るのではなく、
何の不利も受けない先頭を走って、
事故点の呪縛からも解放されなさい、ツヨポンッ!!
今節は山口の“気力”ばかり書いてきたが、
それに見合うだけの機力も十分にあるとお伝えしておきます。
激流、天神まくり
11R
①太田和美(奈良)12
②篠崎元志(福岡)19
③赤坂俊輔(長崎)16
④山田哲也(千葉)07
⑤鎌田 義(兵庫)11
⑥勝野竜司(兵庫)19
12秒針が動き、ダッシュ勢が進軍をはじめたときから、
その予感はあった。ぐんぐんぐんぐん、
艇界屈指の韋駄天スタート野郎が近づいてくる。
ほんのわずかだが、スロー勢の行進とのギャップを感じる。
「あれ、あれっ!?」 などと叫んでいるうちに、スリット前。
予感は確信に変わる。山田哲也が突出した。
カド受けの赤坂俊輔が舳先だけで必死に喰らい付いたが、
コンマ07全速の後輩を堰き止めることはできなかった。
ここは福岡水面、堰を切ってしまった激流は、
もう手が付けられない。あっという間に、
大本命のイン太田和美まで呑み込まれた。
実に福岡らしい豪快なツッパリまくりで、
山田のSG初優出が決まった。
2連率52%・エースモーター19号機のなせる業?
いや、それも多少はあったかも知れないが、
今日の勝利は明らかにスタート勝ち、度胸勝ちだった。
2着は、鎌田義。山田に連動してすんなり、ではなかった。
同県の勝野竜司がしぶとく食い下がり、
逆に何度か2、3番手が入れ替わる大乱戦。切った張ったの末に、
なんとか鎌ギーが凌ぎきり、山田と同じく
SG初優出の権利を掴み取った。アウトから健闘した勝野は、
ターン回りでちょっとずつパワー不足を露呈し、
最後は超抜・赤坂にも交わされてしまった。
逆に、鎌ギーの足は、勝野よりちょっとずつ全部が強めに見えた。
今節の太田と同じバランス型で、一撃の破壊力はないが、
混戦になると強い。そんなタイプだけに、
明日も1マークがゴッチャになれば、
どこからともなく抜け出してくるかも?
それにしても、太田は……展開が悪かったとしか言いようがない。
どんなに強くても、レスリングの吉田沙保里選手のように
勝ち続けることはできない。それがボートレーサーの宿命なのである。
古都から、新都から
12R 進入順
①川北浩貴(京都);05
②石川真二(福岡)11
③中島孝平(福井)19
⑤坪井康晴(静岡)21
⑥濱野谷憲吾(東京) 16
④池田浩二(愛知)18
3日目に5連勝を阻まれたイン戦……行っちゃいました、
シカシブの期待を一心に集める川北浩貴、
SG準優の常識レベルを軽々と突破するコンマ05発進!!
他はすべてコンマ10台とあって、キッチリ1マークでケリを付けた。
圧勝、完勝で、SG3度目の優出、しかも1号艇。
それが川北にとってどれほどのプレッシャーか。
私にわかるわけもなし。明日の優出インタビューや
ピット班の感想を待つとしよう。
パワーに関しては、もちろん上位級は間違いない。
ただ、正直なところ、初日から圧勝続きだったので
節イチとか上の下とかまでは、わからない。
さらに正直に言うと、前検の足合わせやスタート特訓では、
「大したことなさそうだな」なんて思ったりもしたのである。
それが、破竹の4連勝からあれよあれよの優勝戦1号艇。
とにもかくにも、明日は川北のメンタリティ&パワーを
多面的に観察する必要がありそうだな。
どなたかシガシブの方、皮切ったヘロタカパイセンの
ここ一番の性格・行動形態を教えてくださいまし!(笑)
で、2着は、なんとなんとの濱野谷憲吾。
14年前の福岡ダービー王に「なんとなんと」は失礼だが、
今日の連絡みは波乱の部類だった。
人気の川北から3連単万シューは、ちと舐められ過ぎか。
1周2マークで艇団をズバッと切り裂き、
追いすがる坪井らを的確に突き放したテクは「さすが」の一語だったぞ。初日から1度も1着がないまま優出というのも、最近の憲吾パターン?
ちなみに、14年前の福岡ダービーでも予選は232332と未勝利で、
このときは準優で初勝利を挙げていた。
そして、最後のトドメは5コースからの一撃まくりV。
今節、憲吾は5コースからまくりに行って張り飛ばされ、
6着大敗を喫している。明日は6コースか、前付けか。
とにかく、伸びは水準以上のパワー(かなり出足型にシフトしたかも)
なので、14年前の再現も十分に……
ん、今、全国中で「ナイナイ」というツッコミが聞こえたのは、幻聴かしらん。 京都・奈良の近畿コンビが立ちはだかる明日の優勝戦。
東都のファンタジスタが、その強烈な古都バリアに体当たり、
するはずだ。
(photos/シギー中尾、text/H)